辻町 (生駒市)

日本 > 奈良県 > 生駒市 > 辻町
辻町
辻町の位置(奈良県内)
辻町
辻町
辻町の位置
北緯34度41分42.5秒 東経135度42分39.5秒 / 北緯34.695139度 東経135.710972度 / 34.695139; 135.710972
日本の旗 日本
都道府県 奈良県
市町村 生駒市
面積
 • 合計 0.81 km2
人口
2020年(令和2年)10月1日現在)[2]
 • 合計 6,015人
 • 密度 7,400人/km2
等時帯 UTC+9 (日本標準時)
郵便番号
630-0212[3]
市外局番 0743(奈良MA[4]
ナンバープレート 奈良

辻町(つじまち)は、奈良県生駒市町名郵便番号は630-0212。

地理

生駒市中部に位置し、北に小明町桜ケ丘、西に谷田町、南に山崎町東生駒、東に奈良市と接する。

河川

  • 東生駒川

歴史

辻村大和国平群郡に属し、江戸時代にははじめ竜田藩領、寛永16年(1639年)からは郡山藩領、延宝7年(1679年)からは旗本の松平家(松平信重)の知行地となる[5][6]。松平氏は北田原村南田原村・小明村・辻村・俵口村・谷田村・有里村・萩原村・小瀬村・小平尾村と菜畑村の一部、合計11か村5000石を支配し、陣屋を辻村に置いた[7][8]。辻村が奈良・大坂に通じる当時の一条街道と、京都・龍田・郡山に通じる当時の京・八幡街道の四ツ辻にあたり、また11か村の中心部にあったことによる[7]。陣屋はこの地の豪農・矢野氏の屋敷を利用したもので、当初は江戸から派遣した家臣に支配させていたが、のちに矢野氏ら地元の有力者を地役人に取り立てた[9][8]

慶応4年(1868年)正月、世直し一揆の一つとされる「矢野騒動」が起きる[10]。小瀬村の宮大工棟梁・与平が松平領11か村のからかさ連判状を持ち、長州藩の大坂陣屋に赴いて矢野代官らの悪政を訴えた[10][8]。11か村の農民500人は長州藩の使者とともに矢野代官所に押し寄せ、包囲し、陣屋は明け渡され、矢野父子は家財没収の上軟禁された[10][8]。陣屋には「長州下陣」の掛札が掲げられ、与平は二か月余の入牢後に釈放[10]。江戸に送られていた矢野父子も江戸開城とともに無罪釈放された[10]

地名の由来

平ノ川(現在の東生駒川)に沿って南北に走る清滝街道(往時の京街道)と東西に走る一条街道が当地で交差しており、こうした道の四ツ辻にあたることからこの地名になったと考えられる[11]

なお、2020年代になって国道168号線沿いの交差点に、それぞれ交差点名の標識が掲出されたが、その際「辻町」と命名された交差点の場所は、奈良交通バス「生駒辻町」停留所も設置されている元の辻町一帯より、北へ800mほどずれている(本来的に「辻町」がふさわしい交差点が「近鉄東生駒駅北」と先に命名された経緯からと思われる)。

沿革

世帯数と人口

2020年令和2年)10月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[2]

町丁 世帯数 人口
辻町 2,684世帯 6,015人

人口の変遷

国勢調査による人口の推移。

1995年(平成7年) 4,927人 [13]
2000年(平成12年) 5,061人 [14]
2005年(平成17年) 5,355人 [15]
2010年(平成22年) 5,964人 [16]
2015年(平成27年) 6,059人 [17]

世帯数の変遷

国勢調査による世帯数の推移。

1995年(平成7年) 1,867世帯 [13]
2000年(平成12年) 2,055世帯 [14]
2005年(平成17年) 2,179世帯 [15]
2010年(平成22年) 2,582世帯 [16]
2015年(平成27年) 2,649世帯 [17]

事業所

2016年(平成28年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[18]

町丁 事業所数 従業員数
辻町 104事業所 800人

交通

鉄道

バス

道路

施設

  • 生駒市図書館(本館)

史跡

  • 生駒陣屋跡 - 約60aあった代官所跡には住宅団地が建設されたが、有志により代官所跡の碑が建てられている[19]

脚注

  1. ^ 1.土地及び気象”. 生駒市公式ホームページ. 生駒市 (2020年4月23日). 2021年5月20日閲覧。
  2. ^ a b 2.人口”. 生駒市公式ホームページ. 生駒市 (2021年5月19日). 2021年6月9日閲覧。
  3. ^ 奈良県 生駒市 辻町の郵便番号”. 日本郵便. 2021年6月9日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2021年5月20日閲覧。
  5. ^ 『生駒市誌V』476頁。
  6. ^ 『角川日本地名大辞典29』720頁。
  7. ^ a b 『生駒市誌V』120頁。
  8. ^ a b c d e f g 『角川日本地名大辞典29』721頁。
  9. ^ 『生駒市誌V』120–122頁。
  10. ^ a b c d e 『生駒市誌V』146–149頁。
  11. ^ 『生駒市誌V』120、472–474頁。
  12. ^ 『角川日本地名大辞典29』367頁。
  13. ^ a b 平成7年国勢調査 小地域集計(総務省統計局) 第2表 男女別人口及び世帯数”. 政府統計の総合窓口(e-Stat). 総務省統計局 (2014年3月28日). 2021年5月20日閲覧。
  14. ^ a b 平成12年国勢調査 小地域集計(総務省統計局) 第2表 男女別人口及び世帯数”. 政府統計の総合窓口(e-Stat). 総務省統計局 (2014年5月30日). 2021年5月20日閲覧。
  15. ^ a b 平成17年国勢調査 小地域集計(総務省統計局) 第2表 男女別人口及び世帯数”. 政府統計の総合窓口(e-Stat). 総務省統計局 (2014年6月27日). 2021年5月20日閲覧。
  16. ^ a b 平成22年国勢調査 小地域集計(総務省統計局) 第2表 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 政府統計の総合窓口(e-Stat). 総務省統計局 (2012年1月20日). 2021年5月20日閲覧。
  17. ^ a b 平成27年国勢調査 小地域集計(総務省統計局) 第2表 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 政府統計の総合窓口(e-Stat). 総務省統計局 (2017年1月27日). 2021年5月20日閲覧。
  18. ^ 平成28年経済センサス‐活動調査 確報集計(事業所に関する集計) 第32表 経営組織(4区分),従業者規模(6区分)別民営事業所数及び従業者数―市区町村,町丁・大字”. 政府統計の総合窓口(e-Stat). 総務省統計局 (2018年6月28日). 2021年5月20日閲覧。
  19. ^ 『生駒市誌V』490頁。

参考文献

  • 生駒市誌編纂委員会 編『生駒市誌(通史・地誌編)V』生駒市役所、1985年。 
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店、1990年。ISBN 4-04-001290-9