『結婚しない女』(けっこんしないおんな、An Unmarried Woman)は、1978年のアメリカ合衆国のドラマ映画。
監督はポール・マザースキー、出演はジル・クレイバーグとアラン・ベイツなど。
ニューヨークを舞台に、結婚16年目で子育ての苦労からは解放されたものの、夫から浮気を告白されて別居することになった女性を描いた都会派人間ドラマの秀作とされる女性映画である[2]。
主演のジル・クレイバーグが第31回カンヌ国際映画祭において女優賞を受賞している[3]。
また1970年代後半の米国で、それまでよりも自由な生き方を選ぶ、新たなヒロイン像が支持された「女性映画ブーム」の中、結婚という価値観に疑問を呈した内容が当時としては斬新だったことで、タイトルが流行語にもなった[2]。
ストーリー
ニューヨークに暮らす夫婦エリカとマーティン。エリカは画廊で働き、夫マーティンはウォール街の証券マン。ふたりの間には15歳の娘パティーもいる。
ある日エリカはマーティンから1年前からマーシャという女教師と関係していると打ち明けられ大きなショックを受ける。離婚の決意をしたエリカはパティーにその事を告げるがパティーは泣きながら、もう父親には会わないと誓う。
マーティンと別れたエリカは主治医に診てもらい、気晴らしに男と遊んではどうかと言われる。そんな時にパティーがボーイフレンドと寝室で抱き合っているのを発見し、思い余って仕事場のマーティンのところへ行くが、そこでマーティンが近くマーシャと再婚することを知る。寂しさに耐えられなくなったエリカは女精神科医タニアに相談に行き、大いに飛び回れと勧められる。
エリカは画廊の主人チャーリーとの情事を経て、抽象画家ソールと関係する。ソールもまた離婚経験者であり2人の子供はバーモントに住んでいた。ある日、画廊でエリカとソールはチャーリーと鉢合わせする。エリカに無礼な振る舞いをするチャーリーに本気で怒りをあらわにするソールにエリカは徐々に惹かれ始める。ソールとの出会いによって久しぶりに満ち足りた日々を送るエリカの前にマーティンが現れ、マーシャに捨てられたので、よりを戻したいと申し入れるがエリカはそれを断る。
夏が来た。ソールはエリカにパティーと共にバーモントに来ないかと誘うが、既に自立の道を歩み始めていたエリカはその申し出を断る。ソールがバーモントに出発する日、ビルから綱で降ろされた自作の大きな絵をプレゼントする。エリカは大きなキャンバスを両手で抱え、新しい出発点となる自分のアパートへ向かうのだった。
キャスト
作品の評価
映画批評家によるレビュー
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「ジル・クレイバーグは、ニューヨーク市の生活を鋭く観察し、生き生きと描いたこの作品の中で、結婚生活を失った女性が自分自身を見つけることになるという不思議な役どころを演じている。」であり、26件の評論のうち高評価は92%にあたる24件で、平均点は10点満点中7.20点となっている[4]。
受賞歴
出典
関連項目
外部リンク