『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』(あいぼう げきじょうばん ぜったいぜつめい! よんじゅうにてんいちきゅうごキロメートル とうきょうビッグシティマラソン)は、2008年5月1日に全国東映系で公開された日本映画であり、テレビ朝日系で放送されている刑事ドラマシリーズ『相棒』の劇場版第1作である。
監督は和泉聖治、脚本は戸田山雅司。テレビ朝日開局50周年記念映画作品。
本作は人気ニュースキャスターが殺害された殺人事件に端を発した東京ビッグシティマラソンの参加者を狙う犯人と杉下右京と亀山薫ら特命係の駆け引き、その殺人事件の裏に隠された国家の思惑とエルドビア共和国にて起きた邦人青年殺害事件等複雑に絡み合ったストーリーが描かれる。本作の時系列については、特に明らかにされていないが、劇中で行われる「東京ビッグシティマラソン 2008」と言うセリフ等から、season6とseason7の間に位置した2008年頃[2]とされる。公開後のシリーズではSeason7 第18話『悪意の行方』、Season10 第5話『消えた女』では本作での出来事が後日談として触れられており、後者では本作と同じく戸田山雅司が脚本を担当し一部出演者が続役登場している他、亀山薫の回想シーンに本作の終盤映像が流用されている。
本作以降、劇場版もシリーズ化され、2010年に『相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜』、2014年に『相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』、2017年に『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』が公開された。尚、タイトルテロップの表示の際、サブタイトルが付かず、単に『相棒』としか表示されず、以後のシリーズのテロップも共通する。
2009年3月29日に日曜洋画劇場枠で地上波初放送。映画の開始前と終了後には、神戸尊(及川光博)が出演するショートドラマが放送され、尊が本作で起きた事件の詳細を知ろうとする内容が展開された。視聴率は19.5%。日曜洋画劇場枠では計3度放送されている[3]。
人気ニュースキャスターの死体が電波塔に吊るされる事件が発生、現場には「f6」という謎の記号が残されていた。その頃右京と薫は左翼過激派「赤いカナリア」から手紙爆弾を送りつけられた衆議院議員・片山雛子の警護を担当していたところ、彼女の乗る車が突如襲撃を受ける。右京と薫はそれを間一髪で阻止するが、そこにはニュースキャスター殺人事件同様に、謎の記号が残されていた。2つの事件を結びつけた2人は、一連の事件がインターネット上のSNSサイト内で行われる擬似裁判で死刑判決を受けた著名人を狙った連続殺人事件であることを突きとめ、同時に連続殺人事件の被害者達を訪ねまわる女性の存在を知る。
右京は現場に残された記号がチェスの棋譜記号であることを知り、犯人が東京ビッグシティマラソン(モデルは東京マラソン)をターゲットにしていることを掴む。そして被害者達を訪ねまわっていた女性・やよいが武藤弁護士に保護されたことを機に事件の犯人とその犯行の目的が明らかになる。
一連の犯行の動機には、5年前、一人の青年が南米の国家・エルドビアで反米勢力に拉致され人質にとられるが、国によって見殺しにされて死亡した人質事件とその事件に関する外務省の機密文書「Sファイル」の存在が絡んでいた。犯人による国への復讐は15万人の観客と3万人のランナーを巻き込む未曾有の事態に突入する。
映画化の構想はseason4終了後の打ち上げで出始め[4]、2007年3月、season5撮影終了後から脚本を作り、6月上旬にクランクインした。2007年6月13日と6月26日には、公式サイトで募集した1万人のエキストラ[5]が参加した撮影が行われた。
2008年10月22日発売。発売元はテレビ朝日、販売元はワーナー・ホーム・ビデオ。
前売り券売上並びにオープニング動員数は好調で、GW期間の映画興行ランキング1位に輝き[6]、2008年上半期での映画興行ランキングでも1位に輝いた[5]。来場者数は350万人を突破[5]。最終興行収入44.4億円という東映映画としては『男たちの大和/YAMATO』(2005年12月公開)以来の久々の大ヒット作となった[5]。
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