田中 照代(たなか てるよ、1959年5月24日 - )は、車いすの陸上競技・マラソン選手。岐阜県出身、 ASSA-TC 所属。 IPC 陸上競技クラス T52 [注 1]、身長150cm、体重40kg [1]。
1996年、アトランタパラリンピック 800m を世界新記録で金メダルを獲得、2000年、シドニーパラリンピック 200m 、 800m 、 1500m 銀メダル、2008年、北京パラリンピック 100m 銅メダル。クラス T52 の 800m の世界記録、 400m のアジア記録、日本記録などを樹立した。
経歴
1959年5月24日、岐阜県土岐市生まれ。1973年、交通事故で頸椎を損傷し入院治療。1978年、多治見西高等学校卒業後、国立障害者リハビリテーションセンターに入所。1983年、松坂屋に入社1年目にスポーツ事故で再度頸椎を損傷し、麻痺が残り車いす生活になる。1985年、リハビリの為にと車いすバスケットボールを始め、1988年、車いすの操作の向上のためスラロームを始めた[2][3]。
1991年、国際ストーク・マンデビル競技大会出場。1994年、ドイツ・ベルリンで開催された IPC 陸上競技世界選手権大会 800m 優勝。1996年、アトランタパラリンピック 800m で金メダルを獲得。1998年、イギリス・バーミンガムで開催されたIPC陸上競技世界選手権大会 200m 、 800m 優勝、11月の大分国際車いすマラソンのハーフマラソンで優勝した。1999年10月にニュージーランドで開催された世界車いす競技大会では、 200m 、 400m 、 800m 、 1500m の4種目で優勝した。2000年、シドニーパラリンピック 200m 、 800m 、 1500m の3種目で銀メダルを獲得した[3]。
世界レベル大会の競技縮小で中距離種目がなくなったため、2007年、短距離に転向。2008年、北京パラリンピック 100m 銅メダル、 200m で4位に入賞した[3][4]。
2016年のリオパラリンピックでは、日本パラ陸上競技連盟から日本パラリンピック委員会への推薦順位女子6位で名が挙がっていたが、「体調不良のため本人より出場の辞退届」が出された[5]。
自己ベスト・記録
種目
|
記録
|
年月日
|
大会
|
備考
|
400m T52
|
1分15秒46
|
2016年7月3日
|
第21回関東パラ陸上競技選手権大会
|
アジア記録 日本記録 [6][7]
|
800m T52
|
2分18秒25
|
1999年6月6日
|
第4回関東身体障害者陸上競技選手権大会
|
日本記録 [6]
|
太字は2016年9月末現在保持する記録
|
主な成績
国際大会
国内大会
トラック競技
年月日
|
大会
|
開催地
|
結果
|
種目
|
風 m/s
|
記録
|
備考
|
1989年
|
全国身体障害者スポーツ大会
|
札幌市
|
|
|
|
|
[3]
|
1998年10月
|
ジャパンパラリンピック陸上競技大会
|
|
1位
|
800m
|
-
|
|
[3]
|
1位
|
1500m
|
-
|
|
[3]
|
1999年6月6日
|
第4回関東身体障害者陸上競技選手権大会
|
東京都町田市
|
|
800m T52
|
-
|
2分18秒25
|
NR [10]
|
|
ジャパンパラ陸上競技大会
|
|
|
400m T52
|
-
|
1分17秒79
|
GR [20]
|
|
ジャパンパラ陸上競技大会
|
|
|
800m T52
|
-
|
2分35秒30
|
GR [20]
|
|
日本身体障害者陸上競技選手権大会
|
|
|
800m T52
|
-
|
2分28秒48
|
GR [21]
|
2011年9月24日・25日
|
2011 ジャパンパラリンピック陸上競技大会
|
大分市
|
1位
|
100m T52
|
+0.9
|
21秒65
|
[22]
|
1位
|
200m T52
|
+1.7
|
38秒83
|
GR [22]
|
2012年6月2日・3日
|
2012 ジャパンパラ陸上競技大会 兼第23回日本身体障害者陸上競技選手権大会
|
大阪市
|
1位
|
100m T52
|
+2.9
|
21秒59
|
参考[23]
|
1位
|
200m T52
|
+0.2
|
41秒83
|
[23]
|
2013年9月7日・8日
|
2013 ジャパンパラ陸上競技大会
|
山口市
|
1位
|
100m T52
|
-1.1
|
22秒87
|
[24]
|
1位
|
200m T52
|
-0.1
|
41.84
|
[24]
|
2014年6月7日・8日
|
第25回日本身体障害者陸上競技選手権大会
|
大阪市
|
1位
|
100m T52
|
+0.0
|
22秒64
|
[21]
|
1位
|
400m T52
|
-
|
1分24秒59
|
[21]
|
2014年9月6日・7日
|
2014 ジャパンパラ陸上競技大会
|
山口市
|
1位
|
100m T52
|
+1.8
|
22秒12
|
[20]
|
1位
|
200m T52
|
-0.4
|
42秒80
|
[20]
|
1位
|
400m T52
|
-
|
1分22秒14
|
[20]
|
2016年7月2日・3日
|
第21回関東パラ陸上競技選手権大会
|
東京都町田市
|
1位
|
100m T52
|
-1.0
|
22秒13
|
[7]
|
1位
|
400m T52
|
-
|
1分15秒46
|
AR NR [7]
|
AR エリア(アジア)記録 | GR 大会記録 | NR 日本記録
|
マラソン
ハーフマラソン
年月日
|
大会
|
開催地
|
結果
|
クラス
|
記録
|
備考
|
1989年11月5日
|
第9回大分国際車いすマラソン大会
|
大分市
|
3位
|
クラス1
|
1時間35分45秒
|
男女総合142位[27][28]
|
1990年10月28日
|
第10回大分国際車いすマラソン大会
|
大分市
|
2位
|
クラス2
|
1時間27分13秒
|
男女総合154位[29][30]
|
1991年11月4日
|
第11回大分国際車いすマラソン大会
|
大分市
|
2位
|
クラス2
|
1時間22分07秒
|
男女総合146位[31][32]
|
1992年10月30日
|
第13回大分国際車いすマラソン大会
|
大分市
|
|
|
DNF
|
[33]
|
1994年10月30日
|
第14回大分国際車いすマラソン大会
|
大分市
|
2位
|
クラス2
|
1時間16分42秒
|
男女総合119位[34][35]
|
1995年10月29日
|
第15回大分国際車いすマラソン大会
|
大分市
|
2位
|
クラス2
|
1時間14分29秒
|
男女総合127位[36][37]
|
1998年6月21日
|
第9回はまなす全国車いすマラソン大会
|
札幌市
|
1位
|
|
|
女子総合2位[3]
|
1998年9月27日
|
第10回全国車いすマラソン大会
|
兵庫県篠山市
|
1位
|
|
|
[3]
|
1998年11月1日
|
第18回大分国際車いすマラソン大会
|
大分市
|
1位
|
クラス2
|
1時間06分47秒
|
男女総合86位[38][39]
|
2000年11月12日
|
第20回大分国際車いすマラソン大会
|
大分市
|
1位
|
クラス2
|
1時間04分26秒
|
女子総合3位[40]
|
2005年4月17日
|
第1回長野車いすマラソン大会
|
長野市
|
3位
|
|
1時間16分43秒
|
[41]
|
2006年12月3日
|
日産カップ追浜チャンピオンシップ 2006
|
神奈川県横須賀市
|
1位
|
T52
|
1時間11分09秒
|
男女総合35位[42]
|
2007年4月15日
|
第3回長野車いすマラソン大会
|
長野市
|
2位
|
T52
|
1時間11分51秒
|
[43]
|
クォーターマラソン
年月日
|
大会
|
開催地
|
結果
|
クラス
|
記録
|
備考
|
2014年3月9日
|
名古屋ウィメンズホイールチェアマラソン 2014
|
名古屋市
|
7位
|
|
37分06秒
|
[44]
|
2015年3月8日
|
名古屋ウィメンズホイールチェアマラソン 2015
|
名古屋市
|
8位
|
|
34分22秒
|
[44]
|
2016年3月13日
|
名古屋ウィメンズホイールチェアマラソン 2016
|
名古屋市
|
9位
|
|
38分34秒
|
[44]
|
2017年3月12日
|
名古屋ウィメンズホイールチェアマラソン 2017
|
名古屋市
|
1位
|
T33/51/52
|
35分15秒
|
[44]
|
受賞
脚注
注釈
- ^ “クラス分け説明表 2015年度版” (PDF). 日本パラ陸上競技連盟. p. 1 (2015年8月5日). 2015年9月1日閲覧。 “障害種別:(車椅子) 頸髄損傷 脊髄損傷 切断 機能障害、クラス: T52 、クラス説明:肘の屈筋と伸筋、手首の背屈筋および手の掌屈筋が機能する。手指の屈伸筋の機能は不十分であり、手内筋は萎縮している(神経機能残存レベル C7/8)。”(原文は表)
出典
関連項目
外部リンク