この項目では、数学の用語について説明しています。猿の腰掛けと呼ばれるきのこ及びその生物学上の分類については「サルノコシカケ科 」を、その他の「さるのこしかけ」については「さるのこしかけ 」をご覧ください。
数学 において、猿の腰掛け (さるのこしかけ)または猿の鞍 (さるのくら)とは次式で示される曲面 を指す。
z
=
x
3
− − -->
3
x
y
2
{\displaystyle z=x^{3}-3xy^{2}}
円筒座標系 では次式で示される。
z
=
ρ ρ -->
3
cos
-->
(
3
φ φ -->
)
{\displaystyle z=\rho ^{3}\cos(3\varphi )}
猿の腰掛け
猿の腰掛けは鞍点 を有する曲面の一種であり、この名は猿が座るための鞍には、両脚と尻尾のための計3つの方向へくぼむ谷が要るという考えから来ている。猿の腰掛けの点 (0, 0, 0) は、その曲面の関数 z (x , y ) に (0, 0) を代入した時に生じる退化臨界点 に対応している。猿の腰掛けは、原点でガウス曲率 が0の孤立した臍点 を持ち、他の点では曲率が常に負である。
直交座標と円筒座標の二式は、複素数
x
+
i
y
=
r
e
i
φ φ -->
{\displaystyle x+iy=re^{i\varphi }}
を用いて次のように関連付けることができる。
z
=
x
3
− − -->
3
x
y
2
=
Re
-->
[
(
x
+
i
y
)
3
]
=
Re
-->
[
r
3
e
3
i
φ φ -->
]
=
r
3
cos
-->
(
3
φ φ -->
)
{\displaystyle z=x^{3}-3xy^{2}=\operatorname {Re} [(x+iy)^{3}]=\operatorname {Re} [r^{3}e^{3i\varphi }]=r^{3}\cos(3\varphi )}
円筒座標の式において、3 の部分を任意の整数 k ≥1 に置き換えると、k 個の谷を持つ鞍を作ることができる[ 1] 。
猿の腰掛けは、x + y + z + xyz = 0 と定義されるSmelt petal としても説明できる。したがって、猿の腰掛けの z 軸はSmelt petal における方向 (1,1,1) に対応する。[ 2] [ 3]
Smelt petal: x + y + z + xyz = 0
馬の鞍
「馬の鞍」という用語は、猿の腰掛けと対比的に使われ、関数 z (x , y ) が通常の鞍点 を持ち、xy 平面のあらゆる方向に対して局所的な最小値または最大値となる普通の鞍面を指す。一方、猿の腰掛けはxy 平面のすべての方向において変曲点 となる鞍点を持つ。
参考文献
^ Peckham, S.D. (2011) Monkey, starfish and octopus saddles, Proceedings of Geomorphometry 2011 , Redlands, CA, pp. 31-34, https://www.researchgate.net/publication/256808897_Monkey_Starfish_and_Octopus_Saddles
^ J., Rimrott, F. P. (1989). Introductory Attitude Dynamics . New York, NY: Springer New York. pp. 26. ISBN 9781461235026 . OCLC 852789976
^ Chesser, H.; Rimrott, F.P.J. (1985). Rasmussen, H.. ed. “Magnus Triangle and Smelt Petal”. CANCAM '85: Proceedings, Tenth Canadian Congress of Applied Mechanics, June 2-7, 1985, the University of Western Ontario, London, Ontario, Canada .
外部リンク