『燃ゆる灰』(原題:Ashes Are Burning)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、ルネッサンスが1973年に発表した4作目のスタジオ・アルバム。アニー・ハズラム加入後としては2作目に当たる。
背景
6曲中5曲の作曲を担当したマイケル・ダンフォードは、本作のクレジットではゲスト扱いだったが、後にルネッサンスの正式メンバーとなっている[2]。「オン・ザ・フロンティア」は、バンドの旧メンバーであるジム・マッカーティの所属バンド「シュート」の曲で、マッカーティ自身は、この曲をルネッサンスに提供したのか、それともルネッサンスからカヴァーしたいという申し出を受けたのかは覚えていないと語っている[3]。
タイトル曲ではウィッシュボーン・アッシュのアンディ・パウエルがギター・ソロを弾いた。パウエルは、ジョン・タウトがルネッサンス加入前に「ルパーツ・ピープル」で活動していた頃からの知り合いで、更にルネッサンスとウィッシュボーン・アッシュは同じマネージメントに所属しており、タウトは既にウィッシュボーン・アッシュのアルバム『百眼の巨人アーガス』にゲスト参加していたという縁があった[4]。
本作のジャケットはヒプノシスによってデザインされ、メンバー4人の写真が見開きジャケットの表と背面に使用されており、メンバーの表情が異なる2種類のヴァージョンが存在する[5]。
反響・評価
アメリカでは1973年9月22日付のBillboard 200で初登場178位となり[6]、翌週には最高171位を記録して、合計4週トップ200入りした[1]。
Bruce Ederはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「タイトル曲は、当時のプログレッシブ・ロック界における大作の中でも突出した曲の一つであり、その他の曲に関しても、フォーク色の強い"Carpet of the Sun"から印象派的な"At the Harbour"まで、いずれも忘れがたいほど美しく活気がある」と評している[7]。『ローリング・ストーン』誌が2015年に選出した「オールタイム・グレイテスト・プログ・ロック・アルバム50」では31位にランク・インした[8]。
リイシュー
1991年に日本で初CD化された際には、「渚にて」がショート・ヴァージョンに差し替えられていたが、2001年再発CDは、アルバム本編には「渚にて」のオリジナル・ヴァージョンが収録され、ショート・ヴァージョンもボーナス・トラック扱いで収録された[2]。また、2010年に発売されたSHM-CD (TOCP-95066)も、2001年盤と同様の仕様となっている[9]。
収録曲
作詞は全曲ともベティ・サッチャーにより、作曲は3.がジム・マッカーティ、その他の曲はマイケル・ダンフォードによる。
- キャン・ユー・アンダースタンド "Can You Understand?" – 9:51
- レット・イット・グロウ "Let It Grow" – 4:17
- オン・ザ・フロンティア "On the Frontier" – 4:56
- カーペット・オブ・ザ・サン "Carpet of the Sun" – 3:34
- 渚にて "At the Harbour" – 6:47
- 燃ゆる灰 "Ashes Are Burning" – 11:25
2001年再発CD (TOCP-65593)ボーナス・トラック
- 渚にて(ショート・ヴァージョン) "At the Harbour (Short Version)" – 3:18
参加ミュージシャン
アディショナル・ミュージシャン
脚注・出典