沼田市(ぬまたし)は、群馬県北部の市。群馬県内にある12の市のうち最も北に位置する市である[1]。
古くから木材の集積地であり、市場町として発達した。北毛の中心都市である。
地理
市の西部を利根川が、南端をその支流である片品川が流れ、大規模な河岸段丘を形成する。中心街は段丘の上部にあり、利根川に沿って段丘下部をJR上越線や国道17号が通り、JR沼田駅は段丘崖の麓に位置する。これらとほぼ平行して関越自動車道が丘の上を通り、沼田ICは市街地の東に設置されている。
2005年2月13日に利根郡白沢村と利根村が編入合併してからは市域の形が「H」になっている。
隣接している自治体
字名
- 東倉内町
- 西倉内町
- 柳町
- 高橋場町
- 材木町
- 桜町
- 上原町
- 東原新町
- 西原新町
- 上之町
- 馬喰町
- 中町
- 坊新田町
- 下之町
- 鍛冶町
- 榛名町
- 清水町
- 薄根町
- 戸鹿野町
- 新町
- 沼須町
- 上沼須町
- 下久屋町
- 上久屋町
- 横塚町
- 佐山町
- 上発知町
- 中発知町
- 発知新田町
- 下発知町
- 岡谷町
- 奈良町
- 秋塚町
- 下沼田町
- 白岩町
- 硯田町
- 恩田町
- 井土上町
- 宇楚井町
- 原町
- 堀廻町
- 大釜町
- 善桂寺町
- 石墨町
- 戸神町
- 町田町
- 上川田町
- 下川田町
- 屋形原町
- 岩本町
- 今井町
- 高平
- 生枝
- 岩室
- 尾合
- 平出
- 上古語父
- 下古語父
- 追貝
- 平川
- 大楊
- 高戸谷
- 老神
- 大原
- 園原
- 穴原
- 根利
- 小松
- 柿平
- 日向南郷
- 日影南郷
- 青木
- 砂川
- 輪組
- 多那
- 二本松
- 千鳥
- 石戸新田
気候
太平洋側気候、中央高地式気候、日本海側気候の特徴を併せ持つ。関東地方で最も寒冷な都市の1つで、1月の平均気温は0℃を下回り、真冬日は年間平均で2.9日観測される。夏場は比較的冷涼で、真夏日と猛暑日の年間平均日数はそれぞれ42.4日と4.6日となっている[2]。
また、年降水量は群馬県内の観測地点の中で最少である。
冬は、日本海からの雪雲が届き、降雪や積雪をみる日もある一方で、みなかみ町とは降水量と日照時間に大きな違いがあり、太平洋側気候の特徴も現れている。なお、旧沼田市域と利根村域は豪雪地帯に指定されている[3]。
沼田(1991 - 2020)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
|
最高気温記録 °C (°F)
|
14.9 (58.8)
|
20.6 (69.1)
|
24.9 (76.8)
|
29.9 (85.8)
|
33.5 (92.3)
|
37.9 (100.2)
|
37.6 (99.7)
|
38.1 (100.6)
|
35.8 (96.4)
|
31.0 (87.8)
|
24.6 (76.3)
|
20.7 (69.3)
|
38.1 (100.6)
|
平均最高気温 °C (°F)
|
5.0 (41)
|
6.2 (43.2)
|
10.3 (50.5)
|
16.7 (62.1)
|
22.2 (72)
|
25.2 (77.4)
|
29.0 (84.2)
|
30.3 (86.5)
|
25.6 (78.1)
|
19.6 (67.3)
|
13.8 (56.8)
|
8.1 (46.6)
|
17.7 (63.9)
|
日平均気温 °C (°F)
|
−0.1 (31.8)
|
0.7 (33.3)
|
4.4 (39.9)
|
10.4 (50.7)
|
15.9 (60.6)
|
19.8 (67.6)
|
23.7 (74.7)
|
24.6 (76.3)
|
20.4 (68.7)
|
14.1 (57.4)
|
7.8 (46)
|
2.5 (36.5)
|
12.1 (53.8)
|
平均最低気温 °C (°F)
|
−4.6 (23.7)
|
−4.1 (24.6)
|
−0.9 (30.4)
|
4.3 (39.7)
|
9.9 (49.8)
|
15.1 (59.2)
|
19.5 (67.1)
|
20.3 (68.5)
|
16.3 (61.3)
|
9.6 (49.3)
|
2.6 (36.7)
|
−2.2 (28)
|
7.2 (45)
|
最低気温記録 °C (°F)
|
−14.4 (6.1)
|
−14.0 (6.8)
|
−12.5 (9.5)
|
−5.5 (22.1)
|
−1.4 (29.5)
|
3.7 (38.7)
|
10.8 (51.4)
|
10.0 (50)
|
5.0 (41)
|
−2.2 (28)
|
−8.7 (16.3)
|
−12.2 (10)
|
−14.4 (6.1)
|
降水量 mm (inch)
|
42.0 (1.654)
|
42.8 (1.685)
|
64.7 (2.547)
|
65.3 (2.571)
|
90.4 (3.559)
|
130.1 (5.122)
|
178.4 (7.024)
|
168.1 (6.618)
|
152.3 (5.996)
|
113.1 (4.453)
|
47.4 (1.866)
|
37.8 (1.488)
|
1,132.3 (44.579)
|
平均月間日照時間
|
174.1
|
176.1
|
204.9
|
209.8
|
213.3
|
163.6
|
167.4
|
197.5
|
147.8
|
156.6
|
171.4
|
176.7
|
2,159.1
|
出典1:気象庁[4]
|
出典2:気象庁[5]
|
歴史
中世には沼田城の城下町であった。上杉謙信と武田信玄、北条氏は沼田の領有をめぐって激しく対立。上杉軍の北条氏攻撃の拠点ともなった。戦国末期には真田昌幸・信幸の領有ともなった。江戸時代は沼田藩となり、最盛期には3万5千石を数えた。
沿革
人口
人口は約4万5000人と県内の市では最も少ない。
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沼田市と全国の年齢別人口分布(2005年)
|
沼田市の年齢・男女別人口分布(2005年)
|
■紫色 ― 沼田市 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
|
沼田市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
|
54,311人
|
|
1975年(昭和50年)
|
54,943人
|
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1980年(昭和55年)
|
56,828人
|
|
1985年(昭和60年)
|
56,569人
|
|
1990年(平成2年)
|
56,099人
|
|
1995年(平成7年)
|
56,344人
|
|
2000年(平成12年)
|
55,278人
|
|
2005年(平成17年)
|
53,177人
|
|
2010年(平成22年)
|
51,265人
|
|
2015年(平成27年)
|
48,676人
|
|
2020年(令和2年)
|
45,337人
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総務省統計局 国勢調査より
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行政
歴代市長
特記なき場合「歴代市長の紹介」による[8]。
代 |
氏名 |
就任 |
退任 |
備考
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職務執行者 |
細谷浅松 |
1954年(昭和29年)4月1日 |
1954年(昭和29年)4月25日 |
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1 |
細谷浅松 |
1954年(昭和29年)5月10日 |
1958年(昭和33年)5月9日 |
|
2 |
髙橋幸雄 |
1958年(昭和33年)5月10日 |
1966年(昭和41年)5月9日 |
|
3 |
木村信作 |
1966年(昭和41年)5月10日 |
1970年(昭和45年)5月9日 |
|
4 |
堀江文夫 |
1970年(昭和45年)5月10日 |
1986年(昭和61年)5月9日 |
|
5 |
西田洽司 |
1986年(昭和61年)5月10日 |
2002年(平成14年)5月9日 |
|
6 |
星野已喜雄 |
2002年(平成14年)5月10日 |
2014年(平成26年)5月9日 |
|
7 |
横山公一 |
2014年(平成26年)5月10日 |
2022年(令和4年)5月9日 |
|
8
|
星野稔
|
2022年(令和4年)5月10日
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現職
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- 沼田市役所
- 市役所の位置:〒378-8501 沼田市下之町888番地
- 支所:白沢支所、利根支所
- 出張所:沼田市利根出張所
- 休日:日曜日及び土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日、12月29日から翌年の1月3日までの日
- 執務時間:午前8時30分から午後5時15分
議会
市議会
- 定数:18[9]
- 任期:4年
- 議長・副議長:議長室
- 会派構成(2023年5月10日現在)[10]
- 沼田創生会:7名
- 新政未来沼田:3名
- 所属なし:8名
県議会
- 選挙区:沼田市選挙区
- 定数:1名
- 任期:2023年4月30日 - 2027年4月29日[11]
衆議院
- 任期 : 2024年(令和6年)10月27日 - 2028年(令和10年)10月26日(「第50回衆議院議員総選挙」参照)
経済
産業
全就業者数24,938人(平成22年)[12]
農業
就業者数は2,784人で、全就業者数の11.2 %を占める(平成22年)[12]。農業産出額は1,205 千万円で、その内訳は、上位から、野菜(650 千万円)、果実(175 千万円)、工芸農作物(142 千万円)、乳用牛(76 千万円)、豚(66 千万円)、米(50 千万円)の順である(平成27年)[13]。
野菜は、夏でも涼しい気候を利用して、レタス・だいこん・ほうれんそう・トマト・キャベツなどが栽培されている。また、作付面積は少ないものの、山うどやふきなど、特徴的な作物も栽培されている[13][14]。
果実はリンゴ・さくらんぼ・もも、工芸農作物はこんにゃくいもが栽培されている。畜産は産出額では乳用牛が多いが、飼養頭数では豚が多い(乳用牛1,011 頭、豚8,500 頭:平成27年)[13]。
工業
就業者数は6,256人で、全就業者数の23.4%を占める(第二次産業人口)。うち製造業の就業者数は3,671人で、全就業者数の13.7%を占める(平成22年)[12]。製造業の製造品出荷額の合計は 8,430,319 万円で、産業分類別では、上位から、木材・木製品製造業(3,294,140 万円)、プラスチック製品製造業(1,543,319 万円)、食料品製造業(1,453,979 万円)の順である(平成26年)[15]。
木材・木製品製造業は、主に住宅建材・部材を生産している。また、大きな工場は、関越自動車道のインターチェンジや、それに続くバイパスの付近に分布している。ただし、日本デルモンテは沼田駅の周辺にある。
主な事業所
工業団地
- 横塚・生品農村地域工業等導入地区
水力発電所
- 東京電力
- 玉原発電所 (最大出力1,200,000 kW)[16]
- 岩本発電所 (最大出力29,600 kw)
- 岩室発電所 (最大出力19,600 kW)
- 根利川発電所 (最大出力1,000 kW)
- 上久屋発電所 (最大出力19,000 kW)
- 群馬県企業局
商業
就業者数は15,183人で、全就業者数の56.7 %を占める(第三次産業人口:平成22年)[12]
- 卸・小売業 3,703人(13.8 %)
- 医療・福祉 2,940人(11.0 %)
- サービス業 2,659人(9.9 %)
- 飲食・宿泊業 1,692人(6.3 %)
- 教育・学習支援 1,008人(3.8 %)
- 運輸業 993人(3.7 %)
- 公務 840人(3.1 %)
- 他[12]
※括弧内は、全就業者数に対する割合。
特産品
姉妹都市・提携都市
日本国内
- 1966年(昭和41年)5月7日姉妹都市提携[18]
日本国外
- 1995年(平成7年)9月29日姉妹都市提携[18]
地域
警察
消防
防災
健康
病院
診療所
- 青木クリニック
- 石田医院
- 江森内科医院
- 加瀬医院
- かないクリニック
- かない眼科クリニック
- 金子医院
- 久保産婦人科医院
- こうだ医院
- さこだクリニック
- 塩崎医院
- しめぎ整形外科クリニック
- 代田眼科
- 皇海診療所
- 武田メンタルクリニック
- 堤眼科
- つのだ医院
- つのだ小児科クリニック
- 林内科医院
- 光整形外科医院
- 平井皮膚科医院
- 藤塚医院
- 藤塚クリニック
- ほたか医科歯科クリニック
- 松田耳鼻咽喉科医院
- 矢内整形外科医院
- やなぎまち皮フ科クリニック
生活
- 都市ガス:沼田ガス株式会社
- 上水道:給水区域は下記の通り[19]
- 東倉内町、西倉内町、柳町、高橋場町、材木町、桜町、上原町、東原新町、西原新町、上之町、馬喰町、中町、坊新田町、下之町、鍛冶町、榛名町の一部、戸鹿野町の一部、新町、沼須町、上沼須町、下久屋町の一部、久屋原町、横塚町、栄町、岡谷町の一部
- 簡易水道:
- 下久屋簡易水道
- 上久屋簡易水道
- 佐山簡易水道
- 発知簡易水道
- 奈良大倉簡易水道
- 硯田簡易水道
- 三峯簡易水道
- 町田町簡易水道
- 上川田簡易水道
- 川田簡易水道
- 今井町簡易水道
- 屋形原簡易水道
- 岩本簡易水道
- 上野簡易水道
- 白沢簡易水道
- 利根北部簡易水道
- 利根南部簡易水道
- 平原簡易水道
- 穴原簡易水道
- 根利簡易水道
- 日影南郷簡易水道
- 日向南郷簡易水道
- 公共下水道:市街地とその周辺
- 特定環境保全公共下水道:下川田町の一部、白沢町の一部、利根町の一部
- 農業集落排水事業:奈良地区、秋塚地区、上久屋地区、平出地区、尾合・岩室地区、輪組地区、輪久原地区、中倉地区、多那二本松
文化施設
- 学童クラブ:沼田学童保育所、めぐみ学童クラブ、さくら学童クラブ、沼田東学童クラブ、沼田東第2学童クラブ、ちぐさ学童クラブ、しらさわ学童クラブ、なでしこ学童クラブ、池田学童クラブ、利南東学童クラブ、おひさま学童クラブ、薄根学童クラブ、川田学童クラブ、とね学童クラブ、学童クラブ手をつなごう
- 放課後等デイサービス:手をつなごう
- 公立図書館:沼田市立図書館
- 生方記念文庫 (歌人生方たつゑの文学館)
マスメディア
教育
- 高等学校
- 義務教育学校
- 中学校
- 小学校
- 特別支援学校
- 認定こども園・幼稚園・保育園
- 認定こども園(保育部):沼田幼稚園、恵泉幼稚園、ちぐさこども園
- 公立幼稚園:利南幼稚園、池田幼稚園、薄根幼稚園
- 公立保育園:ぬまた南保育園、ぬまた東保育園、川田保育園、白沢保育園、利根保育園、多那保育園
- 私立保育園:横塚保育園、熊の子保育園、沼田恵保育園、桜ヶ丘保育園
- 事業所内保育事業所:どんぐり保育園
- 企業主導型保育園:ひだまり保育園
交通
鉄道路線
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- ■上越線
道路
バス路線
- 沼田市バス
- 奈良秋塚線、宇楚井原線、佐山線、岩本線、川田線、中山本宿線、南郷線、沼須線、迦葉山線、鎌田線、猿ヶ京線
- 川場村営バス
- 沼田市(沼田駅・沼田市街地) - 川場村(川場村運行路線)
- 昭和村営バス
- 沼田市(沼田市街地) - 昭和村(昭和村運行路線)
- 高速バス「アップル号」(関越交通運行)
名所・旧跡・観光スポット
市内にある文化財は 市ウェブサイト を参照。
自然
温泉・入浴施設
史跡・神社仏閣
真田氏関係史跡
ぐんま絹遺産
- 利根風穴
- 薄根の大クワ(国の天然記念物)
- 蚕影山宮の石宮
- 蚕神塔
その他史跡・神社仏閣
観光スポット
閉業した施設
祭事・催事
- 正覚寺観音まつり
- 河内神社春季例祭薄根太々神楽
- 沼田まつり(8月3日から5日)
- 茅の輪くぐり
- 平川古滝庵不動尊縁日
- 赤城神社例祭(5月7日から8日)
- ヤアヤアどり
- 河内神社秋季例祭
- 弥勒寺掃煤会
- 河内神社御来光
- 平出歌舞伎
- 沼田公園さくらまつり
- わらべフェスタ柳波まつり
- 老神温泉大蛇まつり
- 沼田花火大会
- 老神温泉そば祭り
- ぬまた市産業展示即売会オータムフェスタ
- 白沢農産物収穫感謝祭
- 白沢高原りんご&ぶどうまつり
- 沼田ゑびす講
- 真田まつり 戦国ストリートin沼田
- 白沢ふるさとまつり
- 沼田だるま市
- 老神温泉雪ほたる
- 上州沼田真田まつり~戦国ストリート~
著名な出身者
ゆかりのある人物
- 野沢雅子(声優)- 父の仕事の関係で小学3年生から高校卒業までを過ごした。
- 馮智英(女優・歌手)- 中学から高校卒業までを過ごした)
- 夏目雅子(女優)- 母の出身地。幼少期はよく訪れており、白血病のため死去した際も最期に「早く沼田に帰りたい....」と言い遺していた。
- 佐藤寛之(歌手、元光GENJI)- 両親・祖父母の出身地。2018年5月、市観光協会アンバサダーを委嘱された)
名誉市民
舞台となった作品
アニメーション
脚注
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
沼田市に関連するカテゴリがあります。
外部リンク