『殺しのテクニック』(ころしのテクニック、原題 Technica Di Un Omicidio)は1966年制作のイタリア・フランス合作映画(カラー作品)。ニューヨークとパリを舞台に暗黒街を生きてきた殺し屋が壮絶に描かれるハードボイルドアクション。マカロニ・ノワールの代表作。
殺し屋がビルの屋上で手際よく銃を組み立て標的を狙撃する冒頭のシーンや、登場人物の設定(ベテランの殺し屋と若手のチャラい弟子の関係)などは様々なアクション映画に多くの影響を与えた[1][注釈 1]。この作品の興行的成功によって、その後「殺しの…」という邦題名が続出するようになった[2]。
ストーリー
驚異的な狙撃の腕を買われ、組織の殺し屋として生きてきた寡黙な殺し屋クリントは引退を決意していた。犯罪組織のガステルから次の仕事(警察の証人になったセキの暗殺)を依頼されていたが、クリントはそれを断る。しかし最後の仕事を終えた直後に敵対する組織の急襲を受け兄を殺されたため、やむなく犯罪組織から次の仕事を請け負う。標的は秘密情報を漏らした組織の裏切者で、手下を使って兄を殺した人物と思われる男セキ。
さっそく助手のトニーを伴い、ニューヨークからパリへ。マリーという女から少し手掛りをつかみ、こいつこそはと思って殺した男もセキではなく、マリーも殺される。陰謀を切り抜けようやくセキの消息をたどり追い詰めるが、その正体は意外な人物だった。本物のセキは、クリントが手がかりを掴むために相談したことのある、セキを整形手術したという整形外科医だった(セキが整形外科医に扮していたもの)。
セキをおびき出したクリントはセキの用心棒に腹を撃たれながらも、彼らやセキを撃ち殺すことに成功した。しかし、その場にやってきたトニーに命を狙われる。トニーは、仕事が済んだらクリントを始末するようにガステルから命じられ、セキにも雇われていたのだった。クリントは「お前はこの仕事に向いていない」と生きのびるチャンスを与えるが、結局、トニーはクリントの連射に負けて死ぬ。
キャスト
脚注
注釈
- ^ 狙撃シーンなどは、劇画『ゴルゴ13』や日本映画の『狙撃』(1968年)、ベテランの殺し屋と若手のチャラい弟子の関係の設定は、1972年の『メカニック』(2011年にリメイク『メカニック』あり)にもみられる[1]。
出典
- ^ a b 「『殺しのテクニック』心を凍らせた狙撃者とチャラい弟子の確執」(映画秘宝 2015年6月号)。町山 2015, pp. 23–31に所収
- ^ ヨーロッパ映画作品全集 キネマ旬報増刊12.10号 キネマ旬報社、1972年12月
参考文献
外部リンク