山形県に生まれる。古書店勤務を経て、2006年に森岡書店を創業し、書店兼ギャラリースペースの仕事を開始する。2015年には、「一冊の本を売る書店」をコンセプトに銀座に移転。同店は、筆者と読者との間に「幸福な会話が生まれる場」を提供し、NYタイムスやガーディアン、新華社通信などの海外メディアからも注目を集めている。2023年には、ロンドンのCourier社が刊行した『The World's Best Shops』で、森岡書店のコンセプトと活動が選ばれる。「一冊の本を売る書店」というコンセプトは、類例がなく、新しいコンセプトがかたちとなった実例として捉えられることもある。
森岡書店の仕事だけでなく、外部の展覧会の企画協力も行なっている。資生堂ギャラリーの「そばにいる工芸」や山形ビエンナーレの「畏敬と工芸」、2121デザインサイトの『Khadi インドの明日をつむぐ- Homage to Martand Singh -」展』[1]をはじめ、2023年には、ニューヨークの写真家のソール・ライターが所蔵していた、日本美術関係の書籍をリサーチした展覧会を渋谷ヒカリエで開催したり[2]、聖心女子大学での『子どもと戦争』をテーマにした展覧会のキュレーションを行った。
個人としては、執筆の仕事も多く、『芸術新潮』で「作家が覗いたレンズ」や、新潮社『工芸青花』オンラインでの「森岡書店日記」、資生堂『花椿』オンラインで「現代銀座考」、小学館『小説丸』オンラインで「銀座で一番小さな書店」などの連載を担当してきた。JUNYA WATANABE COMME des GARCONS MAN S/S21の2022年のコレクションブックに登場したり(北島敬三撮影)、2022年にGUCCIが催したNEW GENTLEMENの一人として選ばれたこともある(細倉真弓撮影)[3]。福岡県うきは市の杉工場と家具のプロデュースを行なっている。