本源寺(ほんげんじ)は岡山県津山市にある臨済宗妙心寺派の寺院。
概要
山号は東海山。本尊は釈迦如来。
津山藩主森家の菩提寺として、慶長12年(1607年)に現在の境内が整備された。
境内
伽藍
境内中央に本堂が建ち、東に庫裏が並ぶ。桃山時代の本堂を中心として、庫裏、中門、霊屋など、江戸中期までに整備された建物が残されている。地方における大名家菩提寺として建てられた臨済宗寺院建築の初期の遺構として価値が高い。
- 本堂
- 方丈形式の本堂で、六間取を基本として、北西に御座間、位牌壇を配する。正面は改造されているが、柱や梁組などの主要構造は当初の様子をよく留めている。
- 庫裏
- 本堂よりやや下り、延宝年間(1673年 - 1681年)頃の建築とみられる。
- 森家霊屋と霊屋表門
- 寛永16年(1639年)建立で、森忠政(本能寺の変で戦死した森蘭丸の実弟)ら28基の位牌を祀る。三間四方、宝形造、背面半間庇付き、一間向拝付き(向唐破風造)で、屋根は銅板葺である。霊屋本体は全て角柱とし、側まわりに舟肘木を用いるほかは組物はない。これに対し向拝は、唐草文様の木製垂木端飾り、頭貫の亀甲花菱文様地紋彫、木鼻の青海波文様、柱頂部に胡麻殻决り(じゃくり)金襴巻の浮彫など装飾性にあふれている。内部は、中央二間四方を上段、その後方に仏前、位牌壇などが設けられている[1]。平成25年(2013年)8月7日、本堂、庫裏、中門と併せて国の重要文化財に指定された。
森家墓所
霊屋の背後には、森家一門7人の五輪塔墓がある。
西から順に
基礎石垣は、凝灰岩の切石を用い、五輪塔は花崗岩製である。やや小型の碧松院の墓を除き、全体の高さは4メートルに達する。中でも参道の正面にある森忠政墓は5.15メートルと大型で、墓前には二基の石灯籠も残されている[2]。
文化財
重要文化財(国指定)
岡山県指定重要文化財
- 津山藩主森家一門墓7基(附:参道、石燈籠2基)[3]
津山市指定重要文化財
- 木造森忠政公坐像[4]
- 1631年(寛永8年)作。忠政62歳の時の寿像と伝わり、還暦の祝いと長寿の願いを込めた像と伝えられる。この木像制作時に忠政が存命中だったことから、本人の外見に非常に近い木像だと推察され[5]、津山城入口の忠政銅像のモデルにもなっている。
その他
- 達磨大師像
- 鎮守弁財天像
- 十一面観音菩薩(忠政の守本尊と伝わる)
- 扁額「方丈」伊藤明瑞 筆 - 伊藤は書に秀でて神童と言われた。この書は12歳の時のもの。
- 棟札 - 森忠政は慶長9年(1604年)に鶴山を「津山」と改めており、この棟札が津山という地名の最古の使用例とされている[6]。
歴史
著名な歴代住職
年間行事
- 1月1~3日/修正会
- 2月15日/涅槃会
- 4月8日/花まつり
- 7月2日/万灯会
- 7月1~7日/特別拝観
- 7月7日/森忠政公毎歳忌
アクセス
脚注
- ^ 津山市内の国指定文化財 津山市公式サイト
- ^ 本源寺津山藩主森家一門墓 附参道、石灯籠
- ^ 津山市内の県指定文化財
- ^ 津山市指定文化財について
- ^ 東海山 本源寺 山陽新聞デジタル 2016年4月12日閲覧
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『美作本源寺文書』
- ^ a b c d e f 東海山 本源寺 津山藩主森家の菩提寺 ポケットビジネス(ポケネス)
- ^ a b c d e f g h i j k l 『森家先代実録』
- ^ 瑞巌寺について
- ^ a b 『寛政重修諸家譜』
- ^ 津山城百聞録~山田方谷と津山~ 広報つやま 2006年5月号
- ^ 平成25年8月7日文部科学省告示第129号
- ^ 白隠記念館
外部リンク