それから20年が過ぎた1961年の春に、事件の現場を管轄する古丹別営林署に配置転換された、1966年まで勤務。木村は現地調査に乗り出し、事件を知る当事者やその子息など30数人の証言を得た。これらを纏め、1964年に旭川営林局誌『寒帯林』に「獣害史最大の惨劇苫前羆事件」を発表[2][3]。翌年、作家の戸川幸夫が木村の調査を基にした小説『羆風』を発表したことで、事件が広く世に知られるようになった[2][3]。『羆風』は後に矢口高雄によって漫画化され、1977年には吉村昭も木村の手記を基に小説『羆嵐』を発表している[3]。木村の手記は1980年に復刻され、さらに1994年12月9日には共同文化社から『慟哭の谷 The Devil's Valley』として出版された。