敦賀港駅(つるがみなとえき)は、福井県敦賀市金ヶ崎町にあった日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物駅である。北陸本線貨物支線(通称:敦賀港線)の終着駅であった。
2009年(平成21年)3月末まで貨物列車の発着があった[注釈 1]が、同年4月より貨物列車がなくなり、駅設備の一部がオフレールステーションとなり敦賀港新営業所として営業している(後述)。
歴史
戦前は国際連絡運輸の関係で敦賀港から出る船舶への接続列車(ボート・トレイン)が旅客列車として設定されていた。
年表
駅構造
1面のコンテナホームと、列車運行時に使用されていた荷役線1本や側線を有する。
かつては、駅北側の金ヶ崎山をトンネルで抜け、敦賀セメント敦賀工場へ至る同社の専用線があり、セメントを当駅から北陸地方や滋賀県・京都府のセメント包装所へ発送していた。また1980年(昭和55年)ごろまで、1943年(昭和18年)に当駅の構内側線扱いとなった敦賀新港駅(現在の敦賀市蓬莱町にあった)への側線が残っていた。側線跡は周辺が再開発されたためほとんど痕跡すら残っていないが、児屋川()の河口に橋をかけて渡っていた場所に、橋台が残っている。
最後の運行日まで、タブレット閉塞であった。
取扱う貨物の種類
過去に取り扱っていたコンテナ
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デンヨーで製造された発電機を輸送していた、12ft形無蓋コンテナ
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デンヨーの12ft形無蓋コンテナ
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トラックに積載された
サンライフの20ft形無蓋コンテナ
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永大産業の製品を輸送していた24ft形ドライコンテナ
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日本電気硝子の製品を輸送していた20ft形ドライコンテナ
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日本電気硝子の30ft形ドライコンテナ
トラック便
貨物列車代替のトラック便は、敦賀港新営業所と南福井駅の間で運行されている。本数は、南福井駅行が1日12本、敦賀港新営業所行が1日10本である。
休止後の動き
2010年(平成22年)秋に敦賀港多目的国際ターミナルが開港し、コンテナ貨物の取り扱い量が増えてきた。これに伴い、既存の設備を改修することによるモーダルシフトの推進や、関西・中京に近いという立地条件を売り込もうとする敦賀市の政策がある。また周辺には観光施設や観光地が点在することから、市民広場の整備にあわせた敦賀港線の活用も示されている。
それ以外にも、米原駅近くに建設予定だった物流拠点[8]と連携した構想もあったが、物流拠点構想そのものが頓挫した[9]ため立ち消えになっている。
現在、各踏切の遮断機や警報機は撤去、交差部分の線路側に固定柵が設置され、さらには敦賀駅近くの線路敷部分に北陸新幹線の橋脚が建つなどし、結局再開できないまま敦賀港線は正式に2019年(平成31年)に廃線となることが決定した[6]。
敦賀港線再活用計画
敦賀市は金ヶ崎町周辺の整備計画策定委員会にて、敦賀駅にて使われていた転車台を中心とした鉄道遺産整備の原案を示している[10][11]。福井県は2017年(平成29年)に敦賀港駅周辺の調査を行い、敦賀駅の転車台を移設し、太陽光パネルを設置することで、蒸気機関車牽引客車を330メートルの距離で走らせることができることを明らかにしている[11]。整備検討エリアはJR貨物所有の土地が大半を占める約34000平方メートルの規模で[12]、走らせる機関車には敦賀市内の本町第3公園内に静態保存されている国鉄C58形蒸気機関車212号機も候補に挙がっている[12]。このほか、人道の港 敦賀ムゼウムの機能を移転拡充する昭和初期の復元4棟の活用や、敦賀市が2018年(平成30年)に購入して敦賀赤レンガ倉庫横に設置保存したキハ28形気動車とも絡め[13]、2024年(令和6年)春に延伸開業する北陸新幹線の車庫とも連携できるような仕組みを模索している[10]。しかし、JR貨物関西支社は「土地の処理対応が難しくなる」ことを理由に、敦賀港線全線の鉄道用地(約7.5ヘクタール)の買取を求めており、福井県と敦賀市は「購入費の問題」を理由に、計画が進展していない[14]。
駅周辺
港湾の観光地となっており、近隣には海浜公園・資料館・神社などがある。南側に当駅舎を再現した鉄道資料館があり、その付近に海上保安部がある。なお、フェリー乗り場の敦賀新港(敦賀フェリーターミナル[15])は当駅から北へやや離れた所にある。
隣の駅
- 日本貨物鉄道(JR貨物)
- 北陸本線
- 敦賀駅 - 敦賀港駅
- 鉄道省
- 北陸本線(1943年廃止)
- 敦賀港駅 - (貨)敦賀新港駅
再現駅舎
1999年(平成11年)夏に「つるが・きらめき・みなと博21」が敦賀港で催された際、国際連絡運輸実施時代に使用されていた駅舎(1913年竣工)が復元された。現在、貨物駅として使用されている敦賀港駅の駅舎とは別の場所(港町、きらめきみなと館近く)に建設され、2012年(平成24年)現在は「敦賀鉄道記念館」として敦賀港と鉄道の歴史や観光をPRするために一般公開されている。
脚注
注釈
- ^ 末期は南福井駅方面との間で1日1往復の高速貨物列車の運行がなされていた。
出典
関連項目
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1943年廃止区間 | |
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