岡 元鳳(おか げんぽう、1737年〈元文2年〉 - 1787年2月5日〈天明6年12月18日〉[2])は、江戸時代中期大阪の儒者[2]・儒医[2]・本草学者・漢詩人[2]。主著『毛詩品物図攷』は詩経名物学の図譜であり、清末の中国でも読まれた。
元鳳は名。字は公翼。通称に慈庵・尚達・元達。号に白洲(岡白洲)・魯庵(岡魯庵[2])・澹齋・隔九所。
人物
河内(現大阪府)の人[2]。本草学・物産学に通じ、自邸で薬草を栽培した[2]。片山北海が結成した漢詩結社「混沌社」に参加し、葛子琴とともに名を馳せた[2]。師に菅甘谷[2]、医術の門人に岡它山[5]・宮地太仲[6]がいる。
著作
毛詩品物図攷
岡元鳳撰・橘国雄画『毛詩品物図攷』(もうしひんぶつずこう)は、詩経名物学の書物。1784年(天明4年)成立。
『詩経』中の動植物を草・木・鳥・獣・虫・魚の6種に分け、計224の動植物の図、諸書の記載、考証、和名を付す。特徴として、同種の先行書のように既存の図を襲用することが少なく、独自の図が多い点が挙げられる[9]。
「鼉」の図として、舶来のワニ標本の図を載せている。これは平賀源内『物類品隲』に描かれた田村藍水所有の標本の図を襲用したものである。
伝本によっては那波師曾や柴野栗山の序、木村蒹葭堂の跋、須原屋茂兵衛らの名を記した刊記が付されている。版木が現存し奈良大学博物館に所蔵されている[9]。
本書はシーボルトの蒐書目録にも含まれている。また、清末民初中国の書店で石印本として度々翻刻された[9]。石印本では戴兆春(中国語版)の序が付され、和名が削除されている。
その他
- 『離騒名物考』
- 『刀圭余録』
- 『蘭説海生図品』
- 『香橘窩集』
- 『鞭草筆記』
脚注
参考文献