安養院(あんよういん)は、神奈川県鎌倉市大町にある浄土宗の寺院。山号は祇園山。寺号は長楽寺。本尊は阿弥陀如来。千手観世音菩薩(田代観音)を安置し、坂東三十三観音・鎌倉三十三観音霊場第3番札所である。
札所本尊真言:おん ばざら たらま きりく そわか
ご詠歌:枯樹にも花咲く誓ひ田代寺 世を信綱の跡ぞ久しき
歴史
この寺の歴史には、長楽寺・善導寺・田代寺という3つの前身寺院が関係している。この地は、元は浄土宗の僧・尊観が開いた浄土宗の善導寺であった[3]。長楽寺は、1225年(嘉禄元年)北条政子が夫である源頼朝の菩提を弔うため長谷笹目ヶ谷(はせささめがやつ、鎌倉文学館付近)に願行を開山として創建した寺と伝えられる。山号を祇園山と号し、律宗の寺院であった。長楽寺は1333年(元弘元年)兵火により焼失し、この地にあった善導寺に統合され安養院長楽寺と号した。なお、安養院は政子の法号から取られたものである。一方、田代寺は1192年(建久3年)田代信綱が尊乗を開山として比企ヶ谷(ひきがやつ)に建立したのに始まると伝えられ、江戸時代になって安養院に統合された。千手観音は田代寺にあったもので、田代観音とも称されている。
境内
- 山門
- 地蔵堂 - 日限(ひぎり)地蔵が安置されている。
- 庫裡
- 本堂(観音堂) - 寺の本尊の阿弥陀如来坐像(室町時代)の背後に札所本尊の千手観音立像を安置する[4]。
- 十三重石塔
- 石仏群
- 伝・北条政子の墓
- 尊観上人御手植えの槇 - 鎌倉市指定天然記念物
文化財
重要文化財
- 安養院宝篋印塔 (相輪を除く)- 指定年月日:1954年(昭和29年)3月20日[5]。
- 鎌倉時代後期(1308年)の建立の石造宝篋印塔。「□(徳)治三秊戊申七月日」の刻銘がある。
鎌倉市指定文化財
- 彫刻
- 木造 願行房円満上人坐像 1躯 - 指定年月日:1991年(平成3年)10月11日[6]。
- 天然記念物
- マキ 1株 - 指定年月日:1973年(昭48年)4月11日[7]。
所在地
交通
前後の札所
- 坂東三十三観音
- 2 岩殿寺 (逗子市) -- 3 安養院 -- 4 長谷寺 (鎌倉市)
- 鎌倉三十三箇所
- 2 宝戒寺 -- 3 安養院 -- 4 長谷寺 (鎌倉市)
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク