学習図鑑(がくしゅうずかん)は、主として小学生、もしくは中学生の学習の手助けを念頭において、まず知識への興味と、多様な知識の世界に導くための教材として考えられた図鑑。大項目主義で、特に自然の生き物、地理、歴史、理科、英語、あるいは特に環境、恐竜などの分野、テーマにわたって、1巻ものから、数巻にわたるものまでさまざまなものがある。類似のもので、「子ども百科」という呼び方をするものがある。図鑑は、主として写真、イラスト、図解で見て学ぶことが中心で、理科、社会などの教科の知識分野が多く、子ども百科は、広く一般に知識分野のほぼ全般にわたっている。
歴史
1658年に刊行されたコメニウスの『世界図絵』は、ギムナジウムのラテン語学習用に作られた世界初の絵入りの言語入門教科書で、今日の視覚教材の先駆となった[1]。日本でも1688年に絵入りの『庭訓往来図讃』が[2]、また明治初年に国語教授のための教材である『単語図』が刊行されている[1]。
日本の児童向けの百科事典としては玉川学園出版部から1932年(昭和7年)に刊行された『児童百科大辞典』(全30巻)が最初のものとされる[3]。
学習図鑑としては、1949年(昭和24年)に保育社から『学習理科図鑑シリーズ』が刊行され、また1956年(昭和31年)に小学館から『学習図鑑シリーズ』として「植物の図鑑」「昆虫の図鑑」「魚貝の図鑑」「鳥類の図鑑」の4冊が同時に発売されている[4]。以後、現在の形に近い学習図鑑は、講談社(1958年)、保育社(1965年)、小学館(1966年)、学研(1970年)などから出版された。
しかし1980年代後半から1990年代にかけて図鑑の売り上げは低迷し、市場は次第に学研と小学館の2社に集約されていった。学研が1999年に新しい図鑑を創刊すると、対抗できなくなってきたと感じてきた小学館が2002年に新しく『小学館の図鑑NEO』を創刊[7]、2009年に刊行された『小学館の図鑑NEO+くらべる図鑑』はシリーズ累計120万部の大ヒットとなった[8]。2011年に講談社が業界初となるDVD付きの学習図鑑で再参入し、2021年にはKADOKAWAが新規参入した[9]。
学習図鑑の例
日本国内で近年に刊行されているものには以下のようなものがある。
脚注
参考文献