天祢 涼(あまね りょう、1978年 -)は、日本の小説家、推理作家。
経歴
中学生のとき夏休みの自由研究で「空上殺人事件」を執筆する[1]。就職活動を始めるにあたり、小説を書いている時が一番楽しいことに気づき小説家を目指す[2]。
新人賞に落選することが続いていた時、復刊したばかりの『メフィスト』を見つけ、メフィスト賞に応募する[2]。2010年2月、『キョウカンカク』で第43回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作は2011年版「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選出された。
2012年、『葬式組曲』が「本格ミステリ・ベスト10」2013年版で第7位になる。2013年、同作で第13回本格ミステリ大賞の候補作に、同作に収録されている「父の葬式」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)の候補作になる。
2015年、『もう教祖しかない!』で第7回日本タイトルだけ大賞の候補作になる。
文学賞受賞・候補歴
太字が受賞したもの
- 2010年 - 『キョウカンカク』で第43回メフィスト賞を受賞
- 2013年 - 『葬式組曲』が第13回本格ミステリ大賞候補
- 2013年 - 「父の葬式」(『葬式組曲』所収)が第66回日本推理作家協会賞(短編部門)候補
- 2022年 - 『謎解き広報課』が第18回酒飲み書店員大賞を受賞
ミステリ・ランキング
- 本格ミステリ・ベスト10
- 2013年 - 『葬式組曲』7位
- 2014年 - 『セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎』20位
- 2015年 - 『都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ』12位
- 2018年 - 『探偵ファミリーズ』29位、『希望が死んだ夜に』29位
- 2021年 - 『あの子の殺人計画』18位
作品リスト
単行本
美夜シリーズ
- キョウカンカク(2010年2月 講談社ノベルス)
- 【改稿・改題】キョウカンカク 美しき夜に(2013年7月 講談社文庫)
- 闇ツキチルドレン(2010年7月 講談社ノベルス)
- 銀髪少女は音を視る ニュクス事件ファイル(2016年3月 講談社タイガ)
- 透明人間の異常な愛情 ニュクス事件ファイル(2017年11月 講談社タイガ)
セシューズ・ハイシリーズ
- セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎(2013年1月 講談社)
- 【改題】議員探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ(2017年4月 講談社文庫)
- 収録作品:公園 / 勲章 / 選挙 / 取材 / 辞職
- 都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ(2014年9月 講談社 / 2017年5月 講談社文庫)
- 収録作品:出馬 / 襲撃 / 馬鹿 / 外交 / 辞職
謎解き広報課シリーズ
- 謎解き広報課(2015年5月 幻冬舎 / 2018年1月 幻冬舎文庫)
- 謎解き広報課 狙います、コンクール優勝!(2024年10月 幻冬舎文庫)
- 謎解き広報課 わたしだけの愛をこめて(2024年11月 幻冬舎文庫)
仲田シリーズ
- 希望が死んだ夜に(2017年9月 文藝春秋 / 2019年10月 文春文庫)
- あの子の殺人計画(2020年5月 文藝春秋 / 2023年9月 文春文庫)
- 陽だまりに至る病(2022年2月 文藝春秋)
- 少女が最後に見た蛍(2023年11月 文藝春秋)
境内ではお静かに
- 境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖(2018年11月 光文社 / 2020年1月 光文社文庫) - 連載時のタイトル「巫女の推理に御利益あり」より改題
- 境内ではお静かに 七夕祭りの事件帖(2020年2月 光文社 / 2021年4月 光文社文庫)
- 境内ではお静かに 神盗みの事件帖(2021年5月 光文社)
その他の小説
- 空想探偵と密室メイカー(2011年8月 講談社ノベルス)
- 葬式組曲(2012年1月 原書房 ミステリー・リーグ / 2015年1月 双葉文庫 / 2022年11月 文春文庫【全面改稿】)
- 収録作品:父の葬式 / 祖母の葬式 / 息子の葬式 / 妻の葬式 / 葬儀屋の葬式
- もう教祖しかない!(2014年7月 双葉社) - 連載時のタイトル「ザ・宗教カンパニー」より改題
- 【改題】リーマン、教祖に挑む(2017年9月 双葉文庫)
- ハルカな花(2015年8月 光文社)
- 【改題】彼女が花を咲かすとき(2017年12月 光文社文庫)
- 探偵ファミリーズ(2017年8月 実業之日本社文庫)
- 罪びとの手(2018年6月 KADOKAWA / 2024年8月 角川文庫)
- Ghost ぼくの初恋が消えるまで(2021年2月 星海社FICTIONS)
- 拝啓 交換殺人の候(2022年7月 実業之日本社)
- 彼女はひとり闇の中(2023年2月 光文社)
- あなたの大事な人に殺人の過去があったらどうしますか(2024年4月 角川春樹事務所)
ノベライズ
- 綾辻行人殺人事件 主たちの館(2013年4月 講談社ノベルス) - 監修:綾辻行人、監修・原案:イーピン企画、構成・記事:おーちようこ
アンソロジー
「」内が天祢涼の作品
- 密室晩餐会(2011年6月 原書房 ミステリー・リーグ)「楢山鍵店、最後の鍵」 - 美夜シリーズ番外編
- ザ・ベストミステリーズ 2013 推理小説年鑑(2013年4月 講談社)「父の葬式」
- 【分冊・改題】Esprit 機知と企みの競演(2016年11月 講談社文庫)
- 新鮮 THE どんでん返し(2017年12月 双葉文庫)「居場所」
- 忍者大戦 黒ノ巻(2018年8月 光文社文庫)「風林火山異聞録」
- 平成ストライク(2019年4月 南雲堂 / 2020年10月 角川文庫)「From The New World」
- 喧騒の夜想曲 最新ベスト・ミステリー(2019年12月 光文社)「居場所」
- 【分冊・改題】喧騒の夜想曲 白眉編 Vol.1(2022年5月 光文社文庫)
- 遊びの時間は終らない(2019年12月 ディスカヴァー・トゥエンティワン)「遊びの時間は終っても」
- FGOミステリー小説アンソロジー カルデアの事件簿 file.01(2020年2月 星海社FICTIONS)「イシュタルとエレシュキガルの事件簿」 - 原作:TYPE-MOON
- ザ・ベストミステリーズ2024(2024年6月 講談社)「一七歳の目撃」
共著
雑誌掲載作品
- 小説作品
- ダイイング・メッセージをもう一度(双葉社『小説推理』2012年12月号)
- 詐欺師の上手な使い方(双葉社『小説推理』2013年4月号)
- 居場所(双葉社『小説推理』2017年5月号)
- 僕にはあの子がよく見えない(集英社『小説すばる』2018年3月号)
- 県警の番⼈(前篇)(河出書房新社『スピン/spin』第8号)
- 県警の番⼈(後篇)(河出書房新社『スピン/spin』第9号)
- エッセイ等
- 神社のことをなにも知らない(光文社『小説宝石』2018年12月号)
- ラブコメなしでは生きられない(光文社『小説宝石』2020年3月号)
対談
- 「伏線」と「驚き」があれば、おきまりの道具立てでなくていい(『本格ミステリー・ワールド2014』2013年12月 南雲堂) - 深水黎一郎との対談
脚注
- ^ 22年目の同窓会 |@天祢涼
- ^ a b 『セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎』天祢 涼
関連項目
外部リンク