大滝 麻未(おおたき あみ、1989年7月28日 - )は、神奈川県平塚市出身の元女子サッカー選手。ポジションはフォワード。元日本代表。2017年7月、FIFAマスターを修了。
経歴
ユース時代
小学校1年生のとき兄の影響でサッカーを始める[2]。中学および鎌倉高校時代は、地元のクラブチーム横須賀シーガルズでプレーした[2]。卒業後、早稲田大学に進学し、2008年、2010年には関東女子サッカーリーグの得点女王となった[2]。また2009年のユニバーシアード・ベオグラード大会で活躍したことでカナダのヨーク大学から誘いを受け、2カ月半留学。同国の大学選手権において14試合14得点という成績を挙げて得点女王と最優秀選手に輝いた[3]。また、2011年のユニバーシアード・中国大会でも6試合8得点という成績で得点女王となった[2]。
クラブ時代
オリンピック・リヨン
2012年1月、ユニバーシアード中国大会での活躍が同大会に参加していたフランス代表コーチの目にとまり、同者がアシスタントコーチを兼任していたフランス女子サッカーリーグ1部(ディヴィジオン・アン・フェミニン)所属オリンピック・リヨンのトライアウトに招待され、そのまま契約に至った[2]。リヨンは2010-11シーズンまでリーグ5連覇中、フランスの女子クラブとして初めて完全プロ化した名門であった。
同年3月21日、UEFA女子チャンピオンズリーグ準々決勝の対ブロンビー戦でデビュー[4](試合は0-4でリヨンの勝利[5])。4月28日、女子フランス杯(クープ・ドゥ・フランス・フェミニン)の対アラス戦でハットトリックを達成した(試合は0-8で勝利[6])。5月17日、チャンピオンズリーグ決勝のフランクフルト戦では88分から途中出場し、チームは2対0で勝利[7]。日本人としてチャンピオンズリーグ決勝のピッチに立った3人目の選手[4]になると同時に、優勝メンバーともなった。
2012-13シーズンはレギュラー奪取とはならず、個人としてリーグ12試合10得点、カップ戦では1試合2得点という成績で、チームはリーグ優勝とカップ優勝の二冠を達成した。またシーズン中の11月には本年創設された国際女子サッカークラブ選手権のため来日。1回戦の日テレ・ベレーザ戦では5-1と大量リードした後半18分から出場したが得点はならず(チームは5-2で勝利)[8]、決勝のINAC神戸レオネッサ戦は不出場に終わった[2]。チームは2対1で勝利し、本大会の初代女王となっている。
浦和レッズレディース
2013年6月27日、シーズン途中の日本女子サッカーリーグ1部(なでしこリーグ)に所属する浦和レッズレディースと契約を結んだことが発表された。当時浦和はリーグ8位に低迷しており得点力を見込まれていたが[9]、本シーズンはリーグ3試合、カップ戦には2試合出場で無得点という成績となり、チームもリーグ6位に終わった。2014年シーズンにはチームが5年ぶりのリーグ優勝を達成したなかで、18試合3得点という成績だった。
EAギャンガン
2014年12月5日、フランス女子1部のEAギャンガン(英語版)へと移籍することが発表された。背番号4[10]。ギャンガンでの2014-15シーズンはリーグ5試合2得点、カップ戦3試合無得点という成績で[11]、最終節のリヨン戦終了後に25歳で選手生活からの引退を発表した[12]。
現役引退後〜FIFAマスター
2016年、FIFAマスターに入学[13]。2017年7月、同大学院を修了[14][15]。
現役復帰後~なでしこケア設立
2017年8月、現役復帰し、フランス女子1部に所属するパリFC(英語版)に加入[16]。
2018年1月22日、なでしこリーグ2部に所属するニッパツ横浜FCシーガルズへの加入が発表された[17]。その年、11得点を上げリーグ得点王を獲得した[18]。
2019年1月29日、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースへの加入が発表された[19]。
同年7月、熊谷紗希、近賀ゆかりらと共に、「女子サッカーの価値向上」と「地域や社会の課題解決」を目的に一般社団法人なでしこケア (略称: なでケア)を設立[20]。大滝は女子サッカーの社会的地位の向上を願う選手たちの声を取りまとめ、団体を創設した[21]。
2020年12月30日、クラブからのニュースリリースで2021シーズン契約更新の報告の際に入籍したことを発表[22]、翌2021年5月7日、妊娠したことが発表された[23]。同年11月5日に長男を出産[24]。
2023年6月10日、2022-23シーズン限りで、現役を引退することを発表した[25]。
日本代表
2012年6月20日、国際親善試合のスウェーデン戦でA代表デビュー[26]。同年のロンドンオリンピックではバックアップメンバーとしてチームに帯同した[26]。2013年のアルガルヴェ・カップにも招集され2試合に出場した。いずれも得点はなかった。
所属クラブ
個人成績
クラブ
国内大会個人成績 |
年度 | クラブ | 背番号 | リーグ |
リーグ戦 |
リーグ杯 | オープン杯 |
期間通算 |
出場 | 得点 |
出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
出場 | 得点 |
日本
| リーグ戦 |
リーグ杯
| 皇后杯 |
期間通算
|
2008 |
早稲田大学 |
19 |
- |
- |
- |
3 |
5 |
3 |
5
|
2009 |
- |
- |
2 |
2 |
2 |
2
|
2011 |
11 |
- |
- |
2 |
1 |
2 |
1
|
フランス
| リーグ戦 |
リーグ杯
| オープン杯 |
期間通算
|
2011-12 |
オリンピック・リヨン |
22 |
ディヴィジオン・アン |
3 |
1 |
- |
2 |
4 |
5 |
5
|
2012-13 |
12 |
10 |
- |
1 |
2 |
13 |
12
|
日本
| リーグ戦 |
リーグ杯
| 皇后杯 |
期間通算
|
2013 |
浦和レッズレディース |
26 |
なでしこ |
3 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0 |
5 |
0
|
2014 |
18 |
3 |
- |
0 |
0 |
18 |
3
|
フランス
| リーグ戦 |
リーグ杯
| オープン杯 |
期間通算
|
2014-15 |
EAギャンガン(英語版) |
4 |
ディヴィジオン・アン |
5 |
2 |
- |
3 |
0 |
8 |
2
|
2017-18 |
パリFC(英語版) |
13 |
7 |
2 |
- |
- |
7 |
2
|
日本
| リーグ戦 |
リーグ杯
| 皇后杯 |
期間通算
|
2018 |
ニッパツ横浜FCシーガルズ |
30 |
なでしこ2部 |
18 |
11 |
8 |
3 |
4 |
0 |
30 |
14
|
2019 |
ジェフ千葉レディース |
22 |
なでしこ1部 |
18 |
3 |
7 |
1 |
1 |
0 |
26 |
4
|
2020 |
9 |
17 |
9 |
- |
3 |
1 |
20 |
10
|
2021-22 |
WE |
5 |
0 |
- |
1 |
0 |
6 |
0
|
2022-23 |
11 |
1 |
4 |
0 |
1 |
0 |
16 |
1
|
通算 |
日本 |
1部
|
72 |
16 |
12 |
1 |
7 |
1 |
91 |
18
|
日本 |
2部
|
18 |
11 |
8 |
3 |
4 |
0 |
30 |
14
|
日本 |
その他
|
- |
- |
7 |
8 |
7 |
8
|
フランス |
1部
|
27 |
15 |
- |
6 |
6 |
33 |
21
|
総通算
|
117 |
42 |
20 |
4 |
24 |
15 |
161 |
61
|
代表
主な選出歴
試合数
出場試合
タイトル
クラブ
個人
メディア関連
- 2012年2月から、東京新聞に自らの体験を綴ったコラム「リヨン通信」を掲載。
脚注
外部リンク