この機関は当初「日本博物館」(ラテン語: Museum Japonicum)と呼ばれていた。ヨーロッパではじめて、自然のものではなく人工物を蒐集の対象としており、そのようなコレクションが単なる好奇心の対象を超えたものになることを示す革新的な博物館であった。設置当初から、すくなくとも蒐集・科学的研究・大衆に向けた展示・教育的解説の四つの方針を据えていた[1]。
1830年代初頭、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトはベルギーの革命にともなう政治的混乱を避け、そこよりおだやかであったライデン大学へと移った。その数年後、シーボルトの約5000点の日本に関するコレクションを中心に新しい博物館ができることになる[2]。ライデンのシーボルト邸は公開され、日本で8年間かけて蒐集し、ヨーロッパに持ち帰ったその資料が展示されていた。のち、シーボルトが自身のコレクションをウィレム1世に寄贈したことが契機となり、王家のコレクションの一部として、ライデンに民族学に関する博物館を設置することとなる(オランダ語: Rijks Japansch Museum Von Siebold)。オランダ王家は、すでに1826年に#ヤン・コック・ブロンホフから、1832年に#ヨハン・フレデリク・ファン・オーフェルメール・フィッセルから収集品を買い入れ、日本に関する小規模なコレクションをハーグに置いていたが、王家コレクション管轄(オランダ語: Koninklijk Kabinet van Zeldzaamheden)の省庁が廃止となったとき、これらふたつのコレクションをライデンの博物館に移したところから、今日の国立博物館へと繋がったのである[3]。
ヨハン・フレデリク・ファン・オーフェルメール・フィッセル (オランダ語: Johannes Gerhard Frederik van Overmeer Fischer 1800年−1848年)は出島に着いた当初、使用人として働き、のちに「荷倉役」(オランダ語: pakhuismeester)に昇進した。日本にいるあいだ、フィッセルは自由に日本文化に触れられたわけではなかったが、交友範囲の広さによって、ほかの人にはたいした価値のない「普通」の物品をあるていど集めることができた。それらは1829年、オランダにもたらされる。1833年、フィッセルは『日本風俗備考』(オランダ語: Bijdrage tot de kennis van het Japansche rijk)を出版する。これには幕府も注目し、幕府天文方の監修のもと杉田成卿らの手により、ハン・オフルメエル・ヒスセル著として全訳される[11][12]。
Jan van Alphen (1993). Korea : keramiek 、Mark De Fraeye(写真) 、Chung Yang-Mo(監修)。アントワープ : Stad Antwerpen、ライデン : Rijksmuseum voor Volkenkunde、ヘント : Snoeck-Ducaju、 1993年。ISBN905349054X。オランダ語。 「朝鮮半島の陶磁器」展示図録。1993年3月-6月、国立民族誌博物館(アントワープ)、 同年6月-8月当館。
Carbonell, Bettina Messias (2004). Museum Studies: An Anthology of Contexts.. New York: Wiley-Blackwell PublishingISBN0-631-22830-6; ISBN978-0-631-22830-1.
Frederiks, Johannes Godefridus; Branden, F. Jos. van den (1888). “Johannes Gerhard Frederik van Overmeer Fischer” (オランダ語). Biographisch woordenboek der Noord- en Zuidnederlandsche letterkunde (Amsterdam: L.J. Veen.).
Otterspeer, W (1989). Leiden Oriental Connections, 1850-1940. Studies in the History of Leiden University.. 5. Leiden: E. J. Brill. ISBN90-04-09022-3ISBN978-90-04-09022-4(ペーパーバック版)
Siebold, Philipp Franz von (1843). "Lettre sur l'utilité des Musées Ethnographiques et sur l'importance de leur création dans états européens qui posèdents des Colonies" (Document) (フランス語). Paris: Librarie de l'Institut.
Effert, Rudolf (2008). Royal cabinets and auxiliary branches : origins of the National Museum of Ethnology, 1816-1883. Leiden. ISBN978-90-5789-159-5
長崎市立博物館『秘蔵カピタンの江戸コレクション : オランダ人の日本趣味 : 日蘭交流400周年記念』長崎市立博物館、江戸東京博物館、2000年。 NCIDBA5407961X。 日蘭交流400周年記念展図録、展覧会協賛:長崎市、長崎市立博物館、国立民族学博物館、オランダ国立自然誌博物館(Rijksmuseum van Natuurlijke Historie 英語版)、オランダ国立植物標本館(ライデン分館)。
Topstukken van Rijksmuseum Volkenkunde. アムステルダム: KIT Publishers. (2013)ISBN9789460222535