座標: 北緯41度46分21秒 東経140度43分31秒 / 北緯41.772555度 東経140.725382度 / 41.772555; 140.725382
函館朝市(はこだてあさいち)は、北海道函館市若松町にある市場である。
戦後間もない1945年(昭和20年)、函館駅前で農家が野菜の立ち売りをしたのが始まりである。第二次世界大戦後の混乱期、青森から青函連絡船を通じて当時統制品の米も持ち込まれたので一部は闇市とみなされた[1][2]。包装用の新聞紙が散乱し露店取引追放運動にも発展することがあったという[2]。その後3度移転し、1956年(昭和31年)に現在の場所となった。1960年代前半には新鮮で安いとの評判で約400店舗を擁するようになり「市民の台所」と言われるほど発展した。その後、郊外が発展、スーパーマーケットが開店するようになり、1975年(昭和50年)の中央卸売市場の開場、1976年(昭和51年)のアメリカやソ連の漁業専管水域200カイリ宣言による北洋漁業衰退の影響により関連労働者による需要減の打撃を受け、観光化で生き残ることになった。観光化により商品の高級化が進み、本来の主要な顧客である函館市民が買い物に訪れることもなくなった[2]が、2016年(平成28年)現在、函館の観光スポットの一つとして認知されるようになり、メディアへ登場する頻度も高く、映画やドラマのロケ地として使用されることも珍しくない[1]。ブランド力を高める取り組みとして「函館朝市」を商標登録(2006年<平成18年>)し、独自で一店逸品ブランド「セレクト朝市」の選定を行っており、商品は函館市のふるさと納税の返礼品に採用されている[3]。
2013年(平成25年)、函館朝市の中心的な施設であった「渡島蔬菜農業協同組合ドーム」(通称:渡島ドーム)が老朽化により取り壊され[4]、2014年(平成26年)4月12日、新たな施設「函館朝市ひろば」が開業した[5]。
昨今の高齢化や後継者不足、2020年(令和2年)からの新型コロナウイルス感染症の外出自粛により集客困難で閉店が目立つようになった。また海の環境変化による魚種の変化も起きている[6]。
定休日は水曜とする店舗が多く、営業時間は概ね6時から14時ごろである。なお、飲食店は夜まで営業する店もある[2]。
1987年(昭和62年)から1990年(平成2年)まで北海道中小企業家同友会函館支部が考案・実行したイカを活用した函館のまちづくり構想「イカノポリス計画」のプレゼンテーションパネルが展示され、2007年(平成19年)にディスプレイ業の東邦商事が函館朝市えきに市場にイカ液晶を表面に塗装したイカモニュメントを寄贈している[7]。
参考までに国のふるさと創生事業(ふるさと創生一億円事業、正式名称は自ら考え自ら行う地域づくり事業)の際の市民アイディアとして出されたものに「イカ釣り掘りの設置」があった。2003年(平成15年)函館朝市えきに市場内に設置された[8][9]。
2019年(令和元年)からは日本財団の支援を受けたBlue Commons Japanによってえきに市場内に「函館朝市ミニ水族館」を設置、運営を開始した[10]。函館では水族館計画(1988年<昭和63年>に「湯の川マリンパーク構想」、2000年<平成12年>に「函館アクアコミュニティ構想」、2006年<平成18年>に「海の生態科学館」)があったが、実現には至っていない[11][12][13]。函館市は朝市内ではないが、2004年(平成16年)よりプラズマディスプレイを利用した「まちかどデジタル水族館」の設置をしていた[14]。
現在地では元々津波被害が繰り返される場所である。代表的なものとして1960年(昭和35年)のチリ地震と2011年(平成23年)の東日本大震災である[15]。東日本大震災では津波被害によって大半の店舗が被災した。市民ボランティアなどの支援にも助けられ、4月1日には営業を再開することができた。
函館朝市の信用と秩序を保つ連合会推奨店看板・あさいっちゃん推奨店看板(あさいっちゃんマーク)を掲げている連合会および渡島蔬菜農業協同組合加盟店による約150店舗。函館朝市協同組合連合会:約160店舗(4法人・3任意組合・1株式会社・7個人)。渡島蔬菜農業協同組合、あさいっちゃん会、その他周辺店舗を合わせて約280店舗。
函館駅側より
函館市青函連絡船記念館摩周丸側の区画にも店舗がある。
Lokasi Pengunjung: 18.119.143.238