全会一致の幻想(ぜんかいいっちのげんそう、英: Illusion of Unanimity)は、集団思考において、グループの結束を乱したくないという感情からくる自己検閲および「異論が無い事とは賛成を意味する」という間違った認識により全会一致の状況が作られていくこと。
解説
全会一致の幻想とは、集団思考(集団で意思決定を行おうとする際、集団の結束を乱したくないという心理作用を原因として、客観的で批判的な思考および判断が妨げられる現象)に陥る際の兆候の1つである。
自己検閲(集団の結束を乱したくないという心理作用から、疑問や反論を自ら控える心理的傾向)および「異論が無い事とは賛成を意味する」という間違った認識により、各個人としては異論や意見があるにも拘らず、全会一致の状況が作られていく兆候を指す。
対処法
こうした状況に陥らないための対処法として、以下のものが考えられる。
- 批判的な意見を歓迎する環境作り
- 結論を先に提示しない
- 少人数のグループに分けて議論を行う
- 会議において異議申立担当(Devil's advocate)を最低1人設定する
- 全員が賛成、あるいは全員が反対、という事例は存在しないとの原則に立ち、もし全会一致が起きた場合、誰かが議論の過程で意見の表明を控えた可能性があると考え、採決を無効にし、議論を振り出しに戻す
関連文献
関連項目
外部リンク