井上 頼豊(いのうえ よりとよ、1912年11月19日 - 1996年11月18日)は、日本のチェロ奏者、音楽教育者。日本チェロ界の代表的先駆者のひとり。国学者の井上頼圀は祖父。アレンジャー・キーボーディストの井上鑑は実子。
人物
戦前のプロレタリア音楽家同盟に参加、戦後はうたごえ運動の理論、音楽面の指導者としても活動した。パブロ・カザルスを敬愛し、『鳥の歌』を愛奏した。うたごえ運動を担っている株式会社音楽センターが製作したCD録音に、ベートーヴェンのチェロソナタや日本のチェロ曲などがある。
音楽教育者として、桐朋学園大学や同大学附属「子供のための音楽教室」で後進の指導に当たり、鈴木秀美、長谷川陽子、古川展生、工藤すみれらを輩出。
執筆活動では、ショスタコーヴィチやプロコフィエフの伝記を著すなど、日本での彼らの音楽受容に貢献した。
略歴
著書
- シベリアの音楽生活 ナウカ社 1949
- ロシアの民謡 筑摩書房 1951
- ソヴェト音楽の三十年 筑摩書房 1952
- 新しい合唱読本 三一書房 1953
- ショスタコーヴィッチ 音楽之友社 1957
- ソヴェトの音楽教育 音楽之友社 1959
- あなたの音楽手帖 1967 (新日本新書)
- プロコフィエフ 音楽之友社 1968 (大音楽家・人と作品)
- カザルスの心 平和をチェロにのせて 1991.8 (岩波ブックレット)
- 聞き書き井上頼豊 音楽・時代・ひと 外山雄三,林光編 音楽之友社 1996.3
- 回想のカザルス 1996.12 (新日本新書)
編著
- ソヴェト合唱曲集 筑摩書房 1953
- 青年歌集ピアノ伴奏曲集 第1集 関鑑子共編 音楽センター 1956
- うたごえよ翼ひろげて 新日本出版社 1978.9
- 語り継ぐ斎藤秀雄のチェロ教育 長谷川武久共編 音楽之友社 1987.7
翻訳