二ヒ化タングステン (Tungsten diarsenide)は、化学式WAs2 のタングステン のヒ化物 である。他のタングステンヒ化物には、三ヒ化タングステン (WAs3 )、ヒ化タングステン(III) (W2 As3 )等がある[ 1] [ 3] 。
合成
600-1000℃でタングステンとヒ素 を直接反応させることで二ヒ化タングステンを合成できる。また、ヒ素やアルシン と塩化タングステン(VI) を反応させることでも合成することができる[ 1] [ 2] 。
性質
二ヒ化タングステンは黒色の固体である。二ヒ化モリブデン と同じ構造の単斜晶系 に結晶化する。フッ化水素酸 、塩酸 、アルカリ 性水溶液 に不溶である。濃い硝酸 や硫酸 と反応する[ 1] 。高温では空気と反応し、酸化タングステン(VI) と三酸化二ヒ素 を形成する[ 2] 。
出典
^ a b c d e Erik Lassner, Wolf-Dieter Schubert (2012). Tungsten Properties, Chemistry, Technology of the Element, Alloys, and Chemical Compounds . Springer Science & Business Media. p. 145. ISBN 978-1-4615-4907-9
^ a b c R. J. Meyer (2013). Wolfram . Springer-Verlag. p. 207. ISBN 978-3-662-13401-6
^ Taylor, J. B.; Calvert, L. D.; Hunt, M. R. (1965-11-01). “THE ARSENIDES OF TUNGSTEN AND MOLYBDENUM: WAs 2 , W 2 As 3 , MoAs 2 , Mo 2 As 3 , AND Mo 5 As 4” (英語). Canadian Journal of Chemistry 43 (11): 3045–3051. doi :10.1139/v65-419 . ISSN 0008-4042 . http://www.nrcresearchpress.com/doi/10.1139/v65-419 .