世界トップレベル国際研究拠点形成促進プログラム(せかいとっぷれべるこくさいけんきゅうきょてんけいせいそくしんぷろぐらむ)は、日本の文部科学省が、平成19年度(2007年度)から「国際研究拠点形成促進事業費補助金」として始めた事業。英称は、World Premier International Research Center (WPI) Initiative。
「第3期科学技術基本計画」と「イノベーション創出総合戦略」に基づき、世界トップレベルの研究拠点を構築することを目指し、支援するのが目的である。日本の競争的研究資金の中でも最大規模のプログラムで、補助金額は1拠点につき5~20億円/年。期間は原則として10年間としている。
審査・評価・管理などの業務は日本学術振興会に委託される。
研究不正
名古屋大学のトランスフォーマティブ生命分子研究所では拠点長が責任著者である炭素素材「グラフェンナノリボン」の合成に関する内容に関して、科学誌ネイチャーで発表した論文が撤回された。ネイチャーの発表によると、物質の分子量を調べる「質量分析」の実験結果に不自然な点があった上、基となったデータを確認できなかった。また、それ以外にも2報の論文が撤回され、2報の論文に訂正が出るなど、複数の研究不正が確認され、伊丹は責任著者であり不正行為のあった研究に係る論文等の責任を負う著者として認定された。調査書では伊丹は不正行為が生じたこ とについての監督責任を負う者であり、不正行為を未然に防ぐ、あるいは論文公表前に見出せ なかったことについてその責任は重い。とりわけ責任著者は、経験の乏しい大学院生に正しい 研究姿勢を指導することが期待されていた。研究室主宰 者としての注意義務も怠っている」と報告書にある[1][2][3]。
2023年北海道大学の創成研究機構化学反応創成研究拠点(ICReDD:アイクレッド)の教授らが米科学誌に発表した触媒に関する論文をはじめとした計4本の論文に、データの捏造や改ざんが合計836件確認された [4]
採択拠点
平成19年度は全国の大学、大学共同利用機関等22機関から33件の申請があり、プログラム委員会の審査を経て5件が厳選された[5]。平成22年度は全国の大学、大学共同利用機関等9機関から9件の申請があり、プログラム委員会の審査を経て1件が厳選された[6]。平成24年度は全国の大学、大学共同利用機関等13機関から15件の申請があり、プログラム委員会の審査を経て3件が厳選された[7]。平成29年度は全国の大学、大学共同利用機関等から15件の申請があり、プログラム委員会の審査を経て2件が厳選された[8]。平成30年度は全国の大学、大学共同利用機関等から13件の申請があり、プログラム委員会の審査を経て2件が厳選された[9]。
脚注
関連項目
先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム
外部リンク