ㅓは、ハングルを構成する母音字母のひとつ。呼称はオ(어)。17番目の字母(『訓蒙字会』以降は母音字母としては3番目、『訓民正音』当時は最初の「ㆍ」から7番目[1])である。始めから終わりまで音色の変わらない単母音を表す。
音声
音素は /ʌ/(文化語では /ɔ/ )であり、非円唇の後舌母音として半広母音[ʌ]と広母音[ɑ]の中間ぐらいの音で発音される。長母音では非円唇中舌半狭母音[ɘ]のやや後舌[ɤ]よりで発音される。なお、北朝鮮での「ㅓ」の発音は韓国人にとって「ㅗ」のように聞こえることが多い[2]。
外来語の音訳には[ʌ]や[ə]に使われる。[ɔ]には通常使わず、ㅗが使われる。
沿革
『訓民正音』の中声字において天を象る「ㆍ」と人を象る「ㅣ」とによって構成され、天を表す「ㆍ」が内側に置かれ、地から始まる陰母音の初出字に分類される。世宗序では「如業字中聲」と規定されている。
その名称は『訓蒙字会』(1527年)でオ(어、於)とされた。
造字
- 中性母音の字母と組み合わされてㅔ [e]が作られる(ㅓ + ㅣ)。
- 同じ陰母音の初出字の後についてㅝ [wʌ]を作る(ㅜ + ㅓ)
- 上記の2つの字母との組み合わせでㅞ [we]が作られる(ㅜ + ㅓ + ㅣ)。
ラテン文字転写
文化観光部2000年式ではeo、マッキューン=ライシャワー式ではŏと表記される。
Samsung(삼성)、Lee Byung-hun(이병헌)など、企業名や人名、団体名などではuと表記されることもある。
文字コード
Unicodeにおける文字コード
名称 |
種類 |
コード |
HTML実体参照コード |
表示
|
HANGUL LETTER EO |
単体 |
U+3153 |
ㅓ |
ㅓ
|
HANGUL JUNGSEONG EO |
中声用 |
U+1165 |
ᅥ |
ᅥ
|
脚注