ワカモレ(スペイン語: guacamole [wakaˈmole, ɡwakaˈmole] ( 音声ファイル))とは、すりつぶしたアボカドに唐辛子、トマト、玉ねぎ、レモンなどを加えて作られるメキシコ料理のサルサ(ソース)である[1][2][3][4]。
名称の由来は、ナワトル語でアボカドとソースを意味する単語である(Ahuacamolli = Ahuacatl(アボカド)+ molli(ソース))[3]。タコス、ケサディーヤ、タマル、チャルーパ、ノパルなどの料理にも使用されたり[5]、トルティーヤ・チップスなどに付けて食べられる[4]。
片仮名表記では、グァカモレ[6]、グワカモレ[7]、グワカモーレ[8]、ガカモーレ[9]、グアカモーレ[10]、ワカモーレ[11]、グァカモーレ[12]、グアカモレ[13]、ガカモレ[14]と書かれることもあるが、本稿ではワカモレに統一する。
材料と製法
メキシコにおいてアステカの時代には存在していたとされており、元々はアボカド、トマト、唐辛子、塩で作られていたが、スペインによる植民地化の時代を経て、ヨーロッパから渡来した玉ねぎ、ニンニク、レモン、ライム、コリアンダーなどが加えられるようになった[15][3][16]。世界中で、地域によって様々な異なる材料で作られている[17][18]。
現地での伝統的な製法では「モルカヘテ(英語版)」(molcajete)と呼ばれる石臼と「テホロテ」(tejolote)という短いすりこ木のような石ですりつぶして作られる[16]。ボウルとフォークで材料を潰す製法でも作られている[4]。
メキシコ国外での受容
米国では1833年からアボカドの栽培が始まり[19]、1920年代ごろから高級食材として食べられるようになったが[20]、1950年代もしくは1970年代ごろまで広くは受け入れられていなかったとされている[19][20]。1990年代にアボカドの広報活動としてNFLの選手や報道関係者にワカモレが無料で提供され[20]、特にスーパーボウルの観戦では定番の食べ物になった[21][22][23]。1994年からはメキシコから米国へのアボカドの輸出が許可され、2022年には米国で食べられるアボカドの8割はメキシコから輸入されている[22]。他にも5月5日にあるシンコ・デ・マヨでもワカモレが食べられている[24][25][15]。
日本では2000年ごろからアボカドの栄養価の高さが評価されるようになり[26]、2007年から2016年で日本へのアボカドの輸入量は3倍に増えた[27]。9割はメキシコからの輸入である(2019年時点)[27]。2022年に行われた調査では、日本でのワカモレの認知度は4割程度だった[28]。
2018年、メキシコの加工食品としてのワカモレの輸出量は78,863トンに達し、メキシコは世界をリードするアボカドの生産国および輸出国となった[29]。
出典
外部リンク
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