レッドホーン (RED HORN) は、玩具メーカータカラトミー(旧トミー)が展開する『ゾイド』シリーズに登場する架空の兵器。本記事では各種派生機の概要も記載。
『ゾイド』シリーズにおいては第一期シリーズ(1983~1990年)から登場した。第二期シリーズ(1999~2006年)においても各種メディアミックスで登場する。
初出は1984年の玩具商品となるが、これは「メカ生体ゾイド」を立ち上げたトミーの当時の若手社員3人によるゾイドチームが、初めて完全にオリジナル設計[1]した電動モーター式のゾイドである。それまでに発売されていたゾイドは、メカ生体ゾイドが始まる前年にトミーのアメリカ法人が当時企画していた「ZOIDS」の日本展開である「メカボニカ」の流用やアレンジであった。そのため、駆動モーターの入っている動力ユニットであるメカボックスから新しく作り上げられた最初のゾイドがレッドホーンであり、この設計がサーベルタイガー(セイバータイガー)を始めその後のゾイド開発にも繋がることを踏まえて、ゾイドの生みの親と呼ばれる徳山光俊は「一番僕の思い出に残っているゾイドは、このレッドホーンかもしれない」と語った[1]。
(旧)は中央大陸戦争時代(第一期シリーズ)の呼称。(新)は第二次大陸間戦争時代(第二期シリーズ)の呼称。
ZAC1980年のレッドリバーの戦いに参戦していた[12]。地球人来訪後は、ミサイルを追加装備される場面も存在する[14]。
ZAC2032年に行われたアルダンヌの森の戦いでは突撃や硫酸砲で作った傷口に集中攻撃するなどの戦法で善戦するも、最終的にはゴジュラスに撃破されている[25]。
『ゾイド -ZOIDS-』では第4話からデザルト・アルコバレーノのロッソ搭乗機が登場して以降、帝国サイドの多くの人物が運用している。第7話ではダークホーンも登場し、第51話では同装備かつノーマルカラーのレッドホーンBGも登場。シールドライガーやコマンドウルフの火器を弾き返し小揺るぎもしない重装甲ぶりも見せた。
しかし、もっぱらやられ役扱いで、ゴジュラスのキャノン砲の一撃にモルガごと吹き飛ばされたり、バンのシールドライガーのシールドアタックやブレードライガーのブレードアタックの前には交戦した機体全てが敗れている。
最初期の『ゾイド 中央大陸の戦い』(1987年9月発売)から『ZOIDS FIELD OF REBELLION』(2017年4月配信)までの主要なゾイドゲームのほとんどに登場している。
おちよしひこ作『ゾイド』で登場。帝国軍のコントロール装置によって不本意な戦いをしており、ゴジュラスと交戦した。その最中にコントロール装置が破損し、ゴジュラスに味方している[32]。
ゾイドコアボックス付属「Ziヒストリーファイル」に掲載。地球人技術が導入される以前のレッドホーン[13]。コクピットがキャノピー式であるなど、各部形状は改修後のレッドホーンと異なる。
ゾイドバトルストーリー1巻に登場した改造レッドホーンの一つ。背中にドリルを装備[27]。本来、土木用だったが突進力を買われて突撃戦用ゾイドとして前線に投入された[27]。
ゾイドバトルストーリー1巻に登場した改造レッドホーンの一つ。背中に火炎放射器を装備[27]。洞窟や森林の敵を焼き払う任務に従事する[27]。
初出は『小学三年生』1985年1月号[36]。
『小学三年生』1985年1月号に掲載。バーナスとは逆に冷凍砲を装備したタイプ。口から吐く冷凍ガスで相手を凍らせる。背部に冷凍ガスタンクを装備[36]。
ターボローターを装備したタイプ。このローターで突風を巻き起こしたり、毒ガスを放出する恐るべき力を発揮する[36]。
ゴーラスともども「バトルストーリー」1巻では未登場だが、学年誌「小学三年生」1985年1月号掲載時では上述のバーナス、ゴーラスと含めて帝国軍ザムザ三兄弟の専用機として設定されていた。
ゾイドバトルストーリー1巻に登場した改造レッドホーンの一つ。地雷原を突破するために開発された地雷処理仕様。地雷を押し潰すためのキャッチワイヤーとローラーが装備されており、それを利用して小型ゾイドを撃破することも可能[27]。帝国軍・メツラー親衛隊に配備されている[38]。
ゾイドバトルストーリー2巻に登場した改造レッドホーンの一つ。城壁の上の敵陣地を攻略するため、脚部が延長されている[39]。ZAC2044年、共和国首都の城壁を破る戦いに参加した[40]。
初出は「小学三年生」1987年12月号[39]。
『HISTORY OF ZOIDS』『戦闘機械獣のすべて』に掲載された改造レッドホーン。
従来のレッドホーンの2倍の厚みと10倍以上の強度を持つ合金からなる装甲を持ち、ゴジュラスの主砲を近距離で受けてもビクともしない防御力を誇る。また、2門装備された88ミリパルサーカノンでゴジュラス級の重装甲ゾイドを一撃で大破させる破壊力から戦場では「ビッグスナイパー(巨大な狙撃者)」の異名で恐れられていた。しかし、パルサーカノンはその出力の高さからエネルギー消費とパワーコントロールの複雑さに課題を残し、初期試作機3台が作られたのみで量産計画は打ち切られることとなった[41]。
ゲーム『ゾイド -ZOIDS- 邪神復活!〜ジェノブレイカー編〜』では「アサルトホーン」の名称で登場する[42]。
電撃ホビーマガジン2002年3月号掲載。頭部に取り付けられたストレートクラッシャーホーンによって敵を突き刺し高圧電流を流し、その機能を停止させる。また、機体剛性を高めるため増加装甲が取り付けられている。デザイン画では背部にマシンガンと4連ランチャーも装備。商品化されなかったカスタマイズパーツのアイデアスケッチの一つ[43]
『ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国』に登場するビームランチャー装備タイプのレッドホーン[44]。ゲームでは、通常のレッドホーンに「ビームランチャーセット」で改造することで誕生する。通常仕様レッドホーンと後述のレッドホーンMk-IIの中間となる仕様。
『ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国』に登場するバリエーション機体。レッドホーンBLに対空ミサイルを追加している[44]。ゲームでは、レッドホーンBLに「ミサイルセット」を適用して改造する。
レッドホーンの背中にウイングベースや2連装パルスレーザーガンなどを装着した機体。レッドホーンを全面改良しており[42]、高機動タイプと言われる[44]。この名称はゲーム『ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国』登場時のもので、『ゾイド -ZOIDS- 邪神復活!〜ジェノブレイカー編〜』では「レッドホーン2」となっている[42]。
外観は「帝国側大型メカ用改造セット」(および「帝国側大型メカ用NEW改造セット」)のパッケージに掲載されたウイングベース装着例のレッドホーンを元としている。
『HISTORY OF ZOIDS』および「EPZ-001 レッド・ホーン」パッケージに掲載されたバリエーション。機体色が黒色となり、背部の装備は夜間戦闘用レーダーや長射程電磁砲に変更された。鼻部左右と背部には赤外線ライト、頬部左右にはサイレン発生器を持つ[3]。
「EPZ-001 レッド・ホーン」パッケージに掲載されたバリエーション。皇帝直属の親衛隊機で、皇帝の警護や首都防衛、皇帝に対する反逆者の逮捕も任される[3]。外観は機体色がアイボリーホワイト基調に変更された点を除けば、ノーマルとの差はない。
『HISTORY OF ZOIDS』に掲載されたバリエーション。ゼネバス皇帝の専用機。通常タイプにくらべ装甲が強化され、コクピットは作戦指令室としての役割を持つ。機体色はアイボリーホワイトまたはシルバーとされ、ノーマル機とは腹部の装甲パーツ形状が異なる[9]。
漫画『機獣新世紀・ZOIDS』に登場。3連装リニアキャノンに代わって2連式の長砲身カノン砲を装備。フリル部の兵装は火器となっている。また、操縦席は複座式である[45]。コミックス2巻では帝国製の最新式のリニアレールガンを装備。これは特殊合金製の弾丸を秒速5キロメートルで発射可能だが、冷却に丸一日を必要とする(ただし、作中では損壊を覚悟で二射目を発射している)[46]。しかしバンとジーク、シールドライガーの前に敗北し、機体はのちにレイヴン、シャドー達によって処分されてしまった。
書籍『ゾイドバトルワールド』に掲載された改造機体。背部と頭部に大型のサーチライトやフラッシュライトを持ち、部隊の先陣で活躍する[47]。
初出は『小学二年生』1999年12月号[48]。
『小学五年生』2000年5月号に掲載された改造レッドホーン。頭部フリル部にパーツが増設されたほか、クラッシャーホーンが大型化。背部にはレーダーが追加され、リニアキャノン上部の武装は変更されている。また、尾部にはアサルトユニットのスタビライザーが取り付けられている。機体色は迷彩色に変更されている[51]。
『ゾイド改造マニュアル』ではスチル写真においてライガーグロリアスの砲撃を受けている[52]。
ZAC2099年に行われたガイロス帝国軍の次期主力ゾイドコンペに参加した機体。装備・内部機関および装甲を強化[53]。外観はダークホーンに類似する[注 11]。
第二次大陸間戦争時代においてはディオハリコンの不足により、多くのダークホーンをこのタイプに仕様変更している[55]。ガイロス帝国軍突撃部隊のエース機として実験的に投入された[19]。
レッドホーンにCP-03 ビームガトリングガンを装備した火力強化型。第二次大陸間戦争の開戦当初は経済的・技術的な事情で採用を見送られていたビームガトリングガンであったが、戦争の激化に伴い再び採用される運びとなった[19]。ダークホーンと同等の性能を有する[18]。火力は約2倍になったが運動性は低下したとする資料もある[44]。
武器名称などに些細な差異があるものの、ゲーム『ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国』や『ゾイドタクティクス』にも同じ機体名称で登場している。
ホビージャパン2001年5月号に掲載された改造機体。レッドホーンと共和国のマッドサンダーのデータをベースに開発されたトリケラトプス型ゾイドで、小型マグネーザーを装備。マグネーザーを装備するために出力が強化されており、副次的に機動性が向上している[58]。この機体の研究成果が後のバーサークフューラーに搭載されたバスタークローの開発に生かされている[注 13][61]。元々はキット没案の一つで、ホビージャパン誌掲載の他の作例とともにゾイドバトルカードゲームにてプロモカードとして登場した。
ゲーム『ゾイドカードコロシアム』に登場。レッドホーンをルドルフのカードによってバリエーションチェンジさせて出現させることが可能となる[62]。機体色は金。
レッドホーンのヘリック共和国軍仕様。機体色は濃緑色。長引く戦いでヘリック・ガイロス両軍は兵器やゾイドを消耗し、戦場で鹵獲したゾイドをも実戦投入していった[64]。このグリーンホーンもカラーリングと認識コード以外、レッドホーンとの変更点は無いため、性能的にはほぼ同じ仕様となる[64]。
初出のウェブコミックZOIDS妄想戦記「濃緑の盾」では、中央大陸戦争時代にゼネバス帝国が開発した機体を共和国軍工作員のダスティン大尉とシャーリー大尉が逃走用に偶然奪取したもの[63][65]。同作とゲーム『ゾイドタクティクス』では、腰部にブレードライガー用のアタックブースターを搭載[65][57]。機体性能自体はオリジナル機そのままだが、試験的に反荷電粒子シールドを搭載しているほか、ハイデンシティビームキャノンにより総合火力も向上している[57]。なお、「公式ファンブック4」ではアタックブースターなどを装備していないグリーンホーンが共和国側の機体として参戦しているが[66]、同一の個体かは不明。
グリーンホーンのアタックブースター仕様。
『ゾイドジェネレイションズ』に登場するスティラコサウルス型ゾイド。ヤ・ハン第一王女・ソナの付き人であるアムの乗機。骨を思わせる白い装甲からこの名が付けられた[67]。恐竜博2005で限定販売されたレッドホーンとカラーリングは同一である。
『ゾイドジェネレイションズ』に登場。全身透明のレッドホーン[68]。
『ZOIDS concept art』に登場する白銀のレッドホーンで、皇帝の血を引き騎士道精神があるエースパイロット専用機[69][22]。concept art2のメカニックファイルには、背中に「BARRET」という名前の記載されたスーツを着たパイロットが描かれている。
ゲーム『ZOIDS Material Hunters』でも登場。ゲームの仕様上、武装強化バリエーションは多いが、公式Tweetでは2連キャノン砲搭載型が紹介されている[70]。ゲームは既にサービス終了しているが、2018年10月時点で製品化(キット)などは行われていない。
第一次大陸間戦争時代に開発された機体で、レッドホーンのガイロス帝国(暗黒軍)仕様[注 15]。
レッドホーンからは出力[81]、装甲・火器類が強化されている[75]。暗黒大陸特有の鉱物に多く含まれる特殊物質「ディオハリコン」を食料として摂取させており、胴体の内部はディオハリコンが体内で細胞に合成される際の効用によって薄緑色に発光し、この時に産出されるエネルギーは各種火器に充てられる[82][注 16]。高い運動性や突撃能力も持ち合わせている[75]。
ZAC2056年の惑星Zi大異変以降は、経済的・技術的な問題[19]で生産が打ち切られ、ほとんどのダークホーンはガイロス帝国バージョンのレッドホーンに改修された[18]。その後、西方大陸戦争が激化したためにビームガトリングガン装備の必要性が再び迫られ、帝国突撃部隊のエース機に再び導入された[19]。そのため、同時代においてダークホーンの配備数は少数に留まり、同じ性能のレッドホーンBGが量産されている[18]。
背面基部を改良し、ビームガトリングガンを2基装備して攻撃力を向上させた強化型[57][注 20]。アニメーションの登場CGでは角部も2本に増設されている[93][94]。
アニメ『ゾイド -ZOIDS-』第42話ではレイヴンが搭乗し、ブレードライガーや帝国軍と交戦。最終的に稼働不能となったもののアイアンコングをも撃ち倒す力を見せた。これに先立つ第30話ではマクマーン邸の守備ゾイドとして登場し、マクマーンの元恋人であるムンベイを追う帝国軍部隊を迎撃・阻止している。この時は角部やガトリング砲身が金色の特別仕様であり、このカラーリングは『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』第10話でもアルタイルの乗機として登場した。
『ゾイドフューザーズ』においては第4話でファイヤーフェニックスを攻撃するサベージハンマーの刺客として登場した。
ゲームでは『ZOIDS VS.II』や『ゾイドタクティクス』などに登場している。
製品化は、ホエールキングに付属した塩ビ製ミニサイズフィギュアが唯一。2004年、タカラトミーより限定版キットが発売予告されていたものの中止された。これに替えて通常仕様のダークホーンが「スペシャルエディション ダークホーン」として再発売されているが、箱絵がダブルガトリング仕様のままのイラストになっていた(製品内容と異なる旨の注意書きあり)。このイラストでは、クラッシャーホーンの後ろに増設された小振りの角が描かれている。
アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』第3話で初登場したハリー・チャンプ仕様の改造バリエーション。金色の特注ガトリング砲と特注ビームランチャーを装備し、機動力不足を補うために機体両サイドにはスラスターまで装備している。角やキャップ、レーダーアンテナも金色になっている[注 21]。かなりの重武装による重量増加に加え、スラスターによる強引な方向転換により、駆動系にかなりの負担がかかることが弱点である。
なお、1機目はバックドラフト団のポルタ率いるチームモルドに他の所有ゾイドごと奪われたうえ、2機目はスピノサパーによって切り刻まれたが、その後も登場する場面が存在し、ハリーは本機を新たに用意したのか、あるいは複数所持していたのかは定かではない。
ゲーム『ZOIDS SAGA2』においてはダークホーンHSという呼称で登場する[注 22]。ゾイドバトルカードゲームにおける登場時は「ダークホーン・HaS」の呼称が使われた。
『ゾイドリバースセンチュリー』において登場。元々はゼネバス帝国においてレッドホーンの強化改修案として設計がなされていた「レッドデッドホーン」であったが、惑星Zi大異変によって発生した磁気嵐下における大型ゾイドの稼働実験用として、ガイロス帝国によって仕様変更がなされた[100]。同環境に対応すべく、オーバーテクノロジーを導入。さらには各種兵装のアップデートも施され、クリムゾンホーンとして生まれ変わった[100]。背部には多数の装甲砲塔を備えており、さらに可動式リニアキャノンを内蔵された格闘用アームによって接近戦にも充分に対応可能となっている。元ゼネバス系将兵の士気を鼓舞するため、ダークホーンのような漆黒ではなく敢えて深紅の塗装を施している[100]。
ゼネバス帝国時代に開発が行われていたレッドホーンの改修案で、装甲の強化に加え、火力を前面に配するなど一点突破力を重視している。レッドホーンの最大戦闘速度の観点から、ゼネバス帝国兵器開発局においては後のクリムゾンホーンと細部を除き同様の外観を持つ改修案が検討されている[100]。
デザインはマーシーラビットによって描かれたクリムゾンホーンの仮段階のもので、脇腹部には横方向に展開する格納式ミサイルも持つ[101]。
電撃ホビーマガジン2009年5月号に掲載されたバリエーション。白色に塗り直され、リニアキャノンアーム部にランスを装備。尾部にはダチョウ型コマンドに変形する偵察コクピットを持つ。デザインはマーシーラビットの手によるもの[102]。デザインはクリムゾンホーン製品開発時のバリエーションとして描かれていた「ガイロス皇帝専用機」を転用したものである。
電撃ホビーマガジン2009年6月号に掲載されたバリエーション。無人のジークドーベルを無線誘導する機能を付加された黒色のクリムゾンホーン[103]。
僚機にはディオハリコンをコアに直接充填しコアを活性化する機能を付加されたジークドーベルが用意されているが、開発責任者の失踪から同機能は廃案になったともされる[103]。
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