レガシーデバイス (legacy device)とは、レガシーシステムとなったデバイスのことである。
主にパーソナルコンピュータの分野で、PCI ExpressやUSBなどによってとって代わられたものを指す。そのようなインタフェースをレガシーインタフェース (legacy interface)、入出力ポートをレガシーポート、ハードウェアをレガシーハードウェアと言う。
概要
ほとんどは初期の8ビットや16ビットコンピュータの時代に普及した規格によるものである。
これらのレガシーインタフェース・デバイス(以下「レガシー系」)を置き換えるものとして、プラグアンドプレイインタフェースが、内部バスとそのデバイス関連設定に対してはWindows 95以降、外部インタフェースについてもUSBとしてWindows 98 (Second Edition) 以降、順次導入された。
このようなレガシー系の利用経験がない一般のPCユーザーが、時代の流れと共に増加していった。そのため、これら旧式のレガシー系に依存する例も、次第に稀なものとなっていった。また場合によっては実装上の必要性、例えば省スペース化とコスト、競合などの事情等から、徐々に廃止の流れとなっていっている。
このような動きは(この分野での)レガシーフリーと言うが、ユーザー要望等によりメーカー製パソコンが先鞭をつける事が多い。また、PCパーツを自由に組み合わせられる自作パソコンでも、2009年頃からフロッピーディスクドライブをサポートしないマザーボードが出るなどしている。
しかし、業種や事例など場合によっては代替手段・規格が無いもしくは交換するほうがコストが掛かる等の理由で[注 1]、またソフトウェア・ハードウェアの両側面とも長年に渡り改良され枯れて安定した接続手段として、現在も使われ続けているものもある[注 2]。
レガシーインターフェイス
おおむね廃れた順。
外部インターフェイス
ほとんどのインターフェースはUSBへ移行した形で廃れている。
内部バス、インターフェイス
レガシーデバイス
なお、USB接続のマウスとキーボードについても、USBレガシーデバイスと呼ばれる事がある。これは、USB接続のデバイスを、レガシーなOS / ソフトウェアに対しては、「レガシーエミュレーション」によりPS/2デバイスのふりをさせるようにするものである。
また、前述の内部バス(ISAなど)に接続する、プラグアンドプレイ(I/Oポートや割り込みの自動設定)に対応していないインターフェイスカードも、BIOSやOSから「レガシーデバイス」と総称、認識される場合がある。
脚注
注釈
- ^ 例えば工作機械や測定器などはデータの入出力方法がフロッピーディスクのみという物がある。それらの製品が高価であり、フロッピーディスクを継続して使い続ける手間やコストのほうが安いため継続使用されている例などである。また法人へのシステム納入を扱う会社のノートパソコンなどは『法人向けモデル』に未だにフロッピーディスクドライブ・PCカードスロット・シリアルポート・パラレルポートを搭載している傾向がある。
- ^ 少々変わった例では、キーボードにおいてキーの同時押しの最大認識数(Nキーロールオーバー)が、USBはインタフェースの共通仕様として制限があるのに対し、PS/2インタフェースでは制限がないため、PS/2インタフェースのキーボードは一部のPCゲーマーなどに好んで使われている。
出典
関連項目