リローンチ (Relaunch) はアメリカ合衆国の競走馬、種牡馬。同地で重賞競走を2勝し、種牡馬としてブリーダーズカップ・クラシック優勝馬スカイウォーカーをはじめ、多くの活躍馬を送り出し父系を広げた。
馬名は英語で「再始動」、「再発射」などの意味がある。
経歴
競走馬時代はアメリカで走り18戦5勝。いずれも芝コースで行われるラホヤマイルステークス (G3) とデルマーダービー (G3) を制している。ほかサンアントニオステークス (G1) 、サンルイレイステークス (G1) のふたつで2着があり、後者の1着馬は、後にG1競走を16勝し国民的な人気馬となるジョンヘンリーで、同馬最初のG1優勝だった。
1981年より種牡馬として供用されたが、アメリカ競馬では一段低く見られる芝路線を主戦場とし、G1優勝もなかったこと、父系・母系ともに当時の人気系統から大きく外れた血統であったことから、ほとんど注目されていなかった。しかし初年度産駒からスカイウォーカー、ローンチアペガサスの2頭がG1優勝馬となり、前者は古馬になってアメリカ最高峰の競走ブリーダーズカップ・クラシックを制する大活躍を見せた。さらに翌年の産駒からもジョッキークラブゴールドカップなどG1競走3勝を挙げたワクォイトが出て人気種牡馬の仲間入りを果たし、以後は1歳下で同父を持つ種牡馬ノウンファクトとともに、希少なマンノウォー系種牡馬のエースとして活躍を続けた。日本にも産駒が輸出され、トーヨーリファールが重賞3勝を挙げている。
1996年秋に疝痛で死亡。後継種牡馬のうちではとくにオナーアンドグローリー、シーズティジー(半妹に優駿牝馬4着のオトメノイノリがいる)が大きな成功を収めており、前者は2000年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬ケアレッシング、後者は史上初のブリーダーズカップ・クラシック連覇を果たし、2000年のエクリプス賞年度代表馬を受賞したティズナウなどを輩出している。
主な産駒
※アメリカ産馬(アルファベット表記)についてはG1競走優勝馬のみ記載。
血統
母はロングビーチハンデキャップ勝ち。近親は本馬に近い所だと、甥に米G3勝ちのグリッターマンがいる。
血統背景は当時としても独特で、血統表にネアルコを一切含んでいないことで知られていた。それどころか、ネイティヴダンサーやハイペリオン、ファラリスやその父ポリメラスすら一か所も見当たらない。流石にセントサイモンは40か所に入っているが、血量はかなり低い(比較対象として、ノーザンダンサーはセントサイモンの血を13%近く持っているが、リローンチは僅か5%強しか持っていない)。ウォーレリックやスパイソングなど比較的マイナーな血統が目立つ。
参考文献
- 『競馬ブック』2001年5月20日号 p.84「平成種牡馬列伝 リローンチ」
外部リンク