『メイベリー110番』 (The Andy Griffith Show) は、アメリカ合衆国のシットコム。1960年10月3日から1968年4月1日までCBSで放送された。ノースカロライナ州の架空の町メイベリーを舞台とした本作では、アンディ・グリフィスが男やもめの保安官アンディ・テイラーを、お人好しの副保安官バーニー・ファイフをドン・ノッツがそれぞれ演じた。また、アンディの家政婦のビーおばさんをフランシス・ベイヴィア、息子のオーピーをロン・ハワードが演じ、地元のろくでなしや不器用な友人達、怒りっぽいガールフレンドなどが物語を複雑なものとした。
シリーズは大きくヒットし、ニールセン視聴率(英語版)で7位以下になったことは無く、最終シーズンでは1位を獲得した。『TVガイド』誌のランキングでテレビ史上の番組ランキングで第9位を獲得[1]。8シーズンにおよぶシーズンでグリフィスは賞にノミネートされることは無かったが、ノッツとベイヴィアーは合わせて6度のエミー賞を獲得した。本作からのスピンオフ作品としては『マイペース二等兵』(1964) がある。続編に『メイベリー R.F.D.』(1968) 、後にはテレビ映画『リターン・トゥ・メイベリー』(1986) が制作された。また、同時期に人気のあったシチュエーション・コメディ『ダニー・トーマス・ショー』では「Danny Meets Andy Griffith」というエピソードが制作された。番組の人気にあやかって様々な関連商品が発売された。現在でもたびたび再放送が行われ、DVDもリリースされている。全8シーズンがネットフリックスなどのストリーミング・ビデオサービスで配信されている。
起源
『ダニー・トーマス・ショー』のプロデューサー、シェルドン・レナード及びダニー・トーマスはベテランコメディ作家で『ダニー・トーマス・ショー』のエピソードの多くを手掛けたアーサー・スタンダーを雇い、アンディ・グリフィスの番組のパイロット版として小さな街の治安判事と新聞記者の話を要請した[2]。当時、ブロードウェイ、映画、ラジオの各媒体でのスターであったグリフィスはテレビ界にも興味があり、ウィリアム・モリス・エンデヴァー・エンターテイメントはレオナードに、グリフィスが田舎出身で素朴なキャラクターが合うだろうと話した。ニューヨークでのレオナードとグリフィスの会談の後、ロサンゼルスに飛んで撮影を行なった。1960年2月15日、『ダニー・トーマス・ショー』の『Danny Meets Andy Griffith 』が放送された。この回ではノーズカロライナ州メイベリーで、信号無視をしたトーマス演じるダニー・ウィリアムズを捕まえる保安官アンディ・テイラーとしてグリフィスが出演。後に『メイベリー110番』で出演することとなるフランシス・ベイヴィアがヘンリエッタ・パーキンス役、ロン・ハワードが保安官の息子オーピー・テイラー役で街の人々として出演している。『ダニー・トーマス・ショー』のスポンサーのゼネラル・フーズはこの回を見てすぐに『メイベリー110番』側とコンタクトを取った。1960年10月3日午後9時半、『メイベリー110番』第一回放送が開始された[3]。
テーマ曲『The Fishin' Hole 』はアール・ヘイゲンとハーバート・スペンサーが作曲、『The Keeper of the Flame 』(1962年)の回でジュバル・フォスター役で出演したエヴェレット・スローンが作詞をした。オープニングでもエンディングでも使われる口笛はアール・ヘイゲンによる。挿入曲の『The Mayberry March 』は何種類もの違ったテンポ、スタイル、編成で作られBGMとして使用されている。
ジーン・ヘイゲン - 1961年10月16日放送、第2シーズン第3話(第35話)『Andy and the Woman Speeder 』エリザベス・クロウリー役。『雨に唄えば』(1952年)で勘違い大女優リナ・ラモント役、『ダニー・トーマス・ショー』でマージョリー・ウィリアムズを演じた。
ジャッキー・クーガン - 1961年10月30日放送、第2シーズン第5話(第37話)『Barney on the Rebound 』ジョージ・スティーブンス役。チャールズ・チャップリン主演『キッド 』(1921年)に出演した有名子役。『アダムス・ファミリー』テレビ版(1964年~1966年)ではフェスター・フランプ役。
エヴェレット・スローン - 1962年1月8日放送、第2シーズン第14話(第46話)『The Keeper of the Flame 』農民及び密造酒醸造者のジュバル・フォスター役。この番組のテーマソングの作詞をし、グリフィスがサウンドトラック・アルバムで歌ったが番組内で使われたことは一度もなかった。『市民ケーン』(1941年)バーンスタイン役で知られる。
ボー・ホプキンス - 1967年12月25日放送、第8シーズン第16話(第235話)『Goober the Executive 』ジョージ役
アラン・メルヴィン - 1967年から1968年、第8シーズンに出演。スピンオフである『マイペース二等兵』では軍曹チャーリー・ハッカーを演じた。『ゆかいなブレディー家』でサム・フランクリン役、『All in the Family 』でバーニー・ヘフナー役を演じた。1966年1月10日放送、第6シーズン第17話(第176話)ドン・ノッツが戻ってくる『The Return of Barney Fife 』では監督を務めた。
ラリー・ホーヴィス - 1965年1月11日放送、第5シーズン第17話(第144話)『Goober Takes a Car Apart 』、1965年3月15日放送、第5シーズン第25話(第152話)『The Case of the Punch in the Nose 』でギリー・ウォーカー役で出演。『マイペース二等兵』ではラリー・ゴーシャック役、『0012/捕虜収容所()』で軍曹アンドリュー・カーター役を演じた。
リチャード・ブル - 1966年12月19日放送、第7シーズン第14話(第203話)『Goober Makes History 』ビル・リンゼイ役、1967年3月13日放送、第7シーズン第26話(第215話)『Opie's Piano Lesson 』ジャクソン役。『大草原の小さな家』ネルソン"ネルス"オルソン役で知られる。
ウィリアム・クリストファー - 1966年12月26日放送、第7シーズン第15話(第204話)『A New Doctor in Town 』ピーターソン医師役、1965年11月15日放送、第6シーズン第10話(第169話)、『Aunt Bee on TV 』内国歳入局職員ハースコート役。『マッシュ』マッケイ神父で知られる。『マイペース二等兵』一等兵レスター・ハンメル役。
アラン・ヘイル・Jr - 1962年1月1日放送、第2シーズン第13話(第45話)『The Farmer Takes a Wife 』テルマ・ルーに惹かれる農夫ビッグ・ジェフ・プルート役でバーニーを動揺させる。
その他のテレビ俳優
ロブ・ライナー - 1967年4月10日放送、第7シーズン第30話(第219話)『Goober's Contest 』印刷屋助手ジョー役。『All in the Family 』マイケル・スティヴィック役で知られる。
ハワード・ヘッセマン - 1968年2月5日放送、第8シーズン第22話(第241話)『Goober Goes to an Auto Show 』集計作業員役、1968年3月11日放送、第8シーズン第27話(第246話)『Sam for Town Council 』ハリー役。『WKRP in Cincinnati 』ジョニー・フィーバー役、『Head of the Class 』チャールズ・ムーア役で知られる。
ジェームス・ベスト - 1960年10月17日放送、第1シーズン第3話(第3話)『The Guitar Player 』、1961年5月15日放送、第1シーズン第31話(第31話)『The Guitar Player Returns 』ギタリスト、ジム・リンジー役。『爆発!デューク』保安官ロスコー・P・コートレン役。
ビル・ビクスビー - 1962年1月15日放送、第2シーズン第15話(第47話)『Bailey's Bad Boy 』ロナルド・ベイリー役。CBS『ブラボー火星人 』(1963–1966)ティム・オハラ役、ABC『エディの素敵なパパ(英語版)』(1969–1972)トム・コーベット役、CBS『超人ハルク』(1978–1982)デビッド・ブルース・バナー博士役、『ザ・マジシャン(英語版) 』(1973)、『Goodnight Beantown 』(1984)の5本のテレビドラマで主演。1975年ファミリー西部劇『チビッ子ギャング台風(タイフーン)』でドン・ノッツと再共演。
ギャヴィン・マクレオド - 1965年11月1日放送、第6シーズン第8話(第167話)『Taylors in Hollywood 』のハリウッド映画『Sheriff Without a Gun 』で保安官テイラー役、1961年11月20日放送、第2シーズン第7話(第39話)『Crime-Free Mayberry 』で銀行強盗役。『ラブ・ボート(英語版) 』メリル・スタビング船長役、『The Mary Tyler Moore Show 』で新聞記者マーリー・スラウター役。