ミロのヴィーナス(希: Αφροδίτη της Μήλου、仏: Vénus de Milo)は、紀元前2世紀ごろ古代ギリシアで制作された彫刻の女性像である。現在はパリのルーヴル美術館で展示・管理されており、同じくルーヴル所蔵のサモトラケのニケなどと並び最もよく知られたヘレニズム期の彫刻の一つ。
作者は紀元前130年頃に活動していた彫刻家、アンティオキアのアレクサンドロスと考えられているが、彼の生涯については殆ど分かってない。ミロはミロス島で発見されたので、ミロのヴィーナスと言われる様になった。ミロのヴィーナスを初めて日本に紹介したのは、西洋美術史家の澤木四方吉である。
「ミロ」は女神像の発見地ミロス島のロマンス語形で、「ヴィーナス」はアプロディーテーに対応するローマ神ウェヌス(Venus)の英語読みである。ただし英語では通常ルーヴルで表示しているフランス語式綴りをとって 「Venus de Milo」と表記し、これを英語式に「ヴィーナス・デ・マイロ」に近い発音をする。現代ギリシア語では「Αφροδίτη της Μήλου」と表記して「アフロズィティ・ティス・ミル」に近い発音をする。