マルキア(Marcia, 33年 - 100年以前)は、ローマ帝国の貴族で、第13代皇帝トラヤヌスの生母。
有力なプレブス系の一門マルキウス氏族(英語版)に属するバレア家に生まれ[1] 一家はマルキウス氏族が神話上の祖先としていたアンクス・マルキウス王を崇敬した。父クィントゥス・マルキウス・バレア(Quintus Marcius Barea)は元老院議員を務める上流貴族で[2]、ウェスパシアヌス帝と懇意にしており、姉のマルキア・フルニッラはフラウィウス朝の2代君主ティトゥスの後妻になっている。そのため、マルキアは皇女ユリア・フラウィアの叔母にあたる(ただし、ユリア・フラウィアの母についてはウェスパシアヌスの父系の祖母がテルトゥッラであることから、父方の親戚である可能性が指摘されているティトゥスの先妻アッレキナ・テルトゥッラとする説もある。この説の根拠はテルトゥッラの母の名が恐らくユリアであることから来ている。この場合、ユリア・フラウィアとマルキアとの間に血縁関係は存在しないことになるが、いずれにしてもバレア家とトラヤヌス家はフラウィウス朝と縁戚関係にあることに変わりはない)。他に叔父バレア・ソラヌス(英語版)は元老院議員、母方・父方の祖父がそれぞれ執政官経験者である[3]。マルキウス氏族バレア家はネロ帝に反対する勢力と繋がりを持ち、ピソの陰謀(英語版)にも関わりを持っていたとされる。
ラウディウス帝時代に元老院議員マルクス・トラヤヌスと結婚、夫と同名の息子トラヤヌスと娘ウルピア・マルキアナの姉弟を儲けた。後に息子トラヤヌスは皇帝に即位すると、母と父と姉の名を冠したコロニア・マルキアナ・ウルピア・トライアナ・ティムガディ(Colonia Marciana Ulpia Traiana Thamugadi、現アルジェリア共和国ティムガッド)を建設して、一族の神格化を進めた。
家系図
資料
引用