ベリンダ・カーライル(英: Belinda Carlisle、本名:Belinda Jo Carlisle、1958年8月17日 - )は、アメリカ合衆国の歌手である。主にヨーロッパ、日本で人気が高く、特にイギリスではヒット曲が多い。元ゴーゴーズのヴォーカル[1]。
来歴
1958年8月17日、誕生[2]。カリフォルニア州[2]ロサンゼルスのハリウッド出身。高校生のとき、イギー・ポップのファンになる[2]。
ロサンゼルスのパンク・ロックシーンのオリジネイターといわれるジャームス(英語版)結成時にドラムスで参加したが、まもなく脱退(ただし後もライブMCなどを務めてバンドに協力した)。1978年、ロックンロールバンドのゴーゴーズを結成し、1980年にメジャーデビューした[2]。デビューアルバム Beauty and the Beat は6週にわたり全米1位を記録した。女性だけのロック・グループとして史上初の全米1位であった。
ゴーゴーズは1985年に解散する。翌年1986年、「マッド・アバウト・ユー(Mad About You)」でソロデビューした[1]。さらに1987年にはシングル “Heaven Is A Place On Earth” を発表し[3]、『ビルボード』誌のHot 100で1位を記録した(後にDIMA MUSICのlisaによりカバーされている)。この曲のプロモーションビデオは女優ダイアン・キートンが監督した。
ミュージシャン仲間との交流も盛んで、彼女のアルバムには多数の著名ミュージシャンが参加している(リンジー・バッキンガム、スザンナ・ホフス、アンディ・テイラー、ミシェル・フィリップス、トーマス・ドルビー、ジョージ・ハリソン、ブライアン・アダムス、ブライアン・ウィルソン、ナターシャ・アトラス、デヴィッド・リンドレー、スティーヴ・ルカサー、ブライアン・イーノなど)。
1990年になるとゴーゴーズは再結成され、カーライルもそれに参加している。
90年代後半からはイギリスやフランスに移住しゴーゴーズの活動以外はヨーロッパを中心に活躍している。
2006年には、80's DANCE POP SUMMIT出演のため、来日。リック・アストリー、シニータ、マイケル・フォーチュナティと共に来日公演を行った。
2007年に久々にソロでアルバムをリリース。全曲フランス語で歌われたこのアルバムは高い評価を得るが、セールス的には惨敗した。
2008年、MTVの人気番組 Rock The Cradle に審査員として参加している。
2010年5月7・8日にBillboardLiveTOKYO[1]で、10・11日にはBillboardLiveOSAKA[2]で計4日間8公演を行った。
2010年6月に自伝『Lips Unsealed: A Memoir』を発表。40代半ばまでドラッグ中毒であった事を告白し、物議を醸す。
2016年末にフランスからタイのバンコクに移住、現在はバンコクを拠点に活動している。
2020年、ゴーゴーズがドキュメンタリー映画「The Go-Go’s」を公開。それに合わせ約20年ぶりの新曲となる「Club Zero」を含むアルバム「Beatnik Beach Summer」を発表し、カーライルもそれらに参加している。[4]
人物
好きな映画はイタリア映画で、俳優マルチェロ・マストロヤンニのファンである。夫は、俳優ジェームズ・メイソンの息子で映画プロデューサーのモーガン・メイソン(英語版)。モーガンは彼女のプロモーションビデオ(“Heaven Is A Place On Earth” と “Mad About You”)に出演している。ゲイ・アクティビストのジェームズ・デューク・メイソンは1人息子。
歌手のマドンナとは何かと縁がある。誕生日が1日違いであり、アメリカ時代は同じジムに通っていたりもした。またベリンダが最初に起用したウィリアム・オービットやリック・ノウェルズをマドンナが後から起用し成功させている。ベリンダが早くにヨーロッパへ移住した後、マドンナも移住。また、マドンナのドキュメンタリー映画『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』の中でもベリンダの名前が出てくる箇所がある(ベリンダとマドンナ両方のバックコーラスをしたことのあるドナ・デ・ローリー(英語版)がベリンダの歌まねをしてふざけるシーン)。
私生活ではビバリーヒルズと南フランス・ヴァール県に居住、フランスで子育てをした。一人息子は大学卒業後にカリフォルニアに戻り、2016年末、ベリンダと夫はタイに移住した。
ヴァール県にアメリカのファーストフードチェーンが進出する際、反対運動をした。
日本との関わり
作品
スタジオ・アルバム
- 『ベリンダ』 - Belinda (1986年)
- 『ヘヴン・オン・アース』 - Heaven on Earth (1987年)
- 『輝きのままで』 - Runaway Horses (1989年)
- 『愛になりたい』 - Live Your Life Be Free (1991年)
- 『リアル』 - Real (1993年)
- 『ア・ウーマン・アンド・ア・マン』 - A Woman & a Man (1996年)
- 『フレンチ・ソングブック』 Voila! (2007年)
- Wilder Shores (2017年)
ライブ・アルバム
- The Heaven on Earth Tour (2022年)
コンピレーション・アルバム
- The Best of Belinda / Her Greatest Hits (1992年)
- 『ザ・ベスト・オブ・ベリンダ VOL.1』 - The Best of Belinda vol.1 (1995年)
- 『ザ・グレイテスト』 - The Greatest (1998年) ※日本のみのリリース
- 『グレイテスト・ヒッツ』 - A Place on Earth - The Greatest Hits (1999年)
- 『ザ・コレクション』 - The Collection (2002年)
- Icon – The Best of Belinda Carlisle (2013年)
- The Anthology[5] (2014年)
- The Very Best of Belinda Carlisle(2015年)
- The CD Singles 1986-2014(2015年)
- 『ゴールド』 - Gold (2019年)
EP
シングル
※日本で7インチでリリースされたシングルのみ記載。
ゲスト参加シングル
- "What Does It Take" (with Then Jerico) (1989年)全英33位 ※ゼン・ジェリコの楽曲にコーラスで参加
ビデオ・アルバム
- 『グレイテスト・ヒッツ・ライヴ!』 - Live From Metropolis Studios (2013年)
脚注
外部リンク