ベイラ(Dorcatragus megalotis)は、ウシ科ベイラ属に分類される偶蹄類。本種のみでベイラ属を構成する。
分布
エチオピア、ジブチ南部、ソマリア北部[1][2][3][a 1]
形態
体長70 - 87センチメートル[3]。尾長5 - 20センチメートル[2][3]。体高50 - 75センチメートル[3]。体重9 - 26キログラム[2][3]。オスよりもメスの方が大型になる[2][3]。胴は短く、肩よりも腰の方が高い[3]。尾は細長い[1][2]。全身は粗い体毛で密に被われる[3]。背面の毛衣は赤褐色や赤灰色、青灰色で[2]、体毛の先端が白いため斑点状に見える[3]。腹面や尾の毛衣は淡黄色や白[2][3]。額や鼻の毛衣は灰褐色で、眼の周辺の毛衣は白い[2]。耳介内側の毛衣は白く、黒い放射状の斑紋が入る[2]。
耳介は大型[1][2][3]。吻端に体毛で被われない板状の皮膚(鼻鏡)がなく、鼻孔の周辺のみわずかに体毛がなく皮膚が裸出する[2]。四肢は細長い[2]。第3 - 4指趾の蹄(主蹄)は短く高い[2]。蹄の内側には軟骨質からなる肉球があり、岩場を移動する際にすべり止めになると考えられている[2][3]。前肢の主蹄は先端が尖り、後肢の主蹄は幅広く先端が丸みを帯びる[2]。第2、5指趾の蹄(側蹄)がある[2]。
オスにのみやや前方に湾曲して外側へ向かう角がある[2]。角長7 - 13センチメートル[2]。乳頭の数は2個[2]。
生態
半砂漠地帯や岩場、河原などに生息する[2][3]。ペア、もしくその幼獣からなる小規模な群れを形成し生活する[2][3]。
食性は植物食で、主に低木の葉を食べるが草も食べる[2][3]。
繁殖形態は胎生。4月に1回に1頭の幼獣を産むと考えられている[3]。
人間との関係
開発による生息地の破壊、旱魃、狩猟、家畜との競合などにより生息数は減少している[3]。
参考文献
関連項目
外部リンク