ブルーマンの3人
ブルーマン・グループ (英語 : Blue Man Group ) は、1991年に結成されたパフォーマンスアート ・カンパニー[ 1] 。世界中でそのクリエイティヴなステージ・プロダクションで知られる。
現在ブルーマン・グループはラスベガス 、オーランド 、ボストン 、シカゴ 、ニューヨーク 、ベルリン で常設公演している他、アメリカ州 でツアー公演を行なっている。またノルウェージャン・エピック でロック・コンサートのパロディである『メガスター・ワールド・ツアー』が初演され、多くの映画音楽 が収録されたアルバム5枚が発表され、全米のオーケストラにより演奏されている他、有名ブランドのコマーシャルでも使用されている。ブルーマン・グループはマンハッタン 区ロウアー・イースト・サイド の3人の親友クリス・ウィンク、マット・ゴールドマン、フィル・スタントンから発展していった。路上パフォーマンスからダウンタウンの小さなクラブ、最終的にアスター・プレイス劇場での公演へと拡大していった。数々の賞を受賞し、全米のメディアの注目を浴びた。
なお、2017年7月、カナダ ・ケベック州 に本拠を置くエンターテイメント集団シルク・ドゥ・ソレイユ に買収されている。
概要
ブルーマン・グループの舞台
ブルメ(ブルーマンのメイク)
ユニバーサル・オーランド・リゾート内の専用劇場
顔を真っ青に塗った「ブルーマン」が、音楽や演劇など様々なパフォーマンス を展開する、クリエイティヴ集団である。
「ブルーマン」は主に3人の青いキャラクターを示し、「ブルーマングループ」は劇場型のショーを意味する。
1987年 、最初の3人組となる3人のメンバー(マット・ゴールドマン、フィル・スタントン、クリス・ウィンク)で結成。ニューヨーク の路上で“ブルーマン・グループ”としてストリート・パフォーマンスを始めたのがきっかけでブレイク。最初の劇場公演地であるオフ・ブロードウェイ のアスター・プレイス劇場で15年以上のロングランを続けている。リズム(ビート)にのりながら一言もしゃべらないそのパフォーマンスは、シニカルかつギャグに溢れたもの 。キャラクターの演じ手はオーディションによって選出され、ブルーマン・グループとしてのトレーニングを積んだパフォーマーによって構成される。舞台装置はどこか工場の廃屋を喚起させ、無数のチューブが剥き出しになっている。現在では米国だけでなく、世界中にも複数の劇場を構える他、全米の地方を回るロックツアーもこなす。
プロダクション
ブルーマンの看板のついているアスター・プレイス劇場
ベルリンのミッテ区にあるブルーマン姿のユナイテッドバディーベア
上演中のプロダクション
アメリカ合衆国
ドイツ
ベルリン 、ブルーマックス劇場(2006年2月1日–現在)
ノルウェージャン・クルーズライン
終了したプロダクション
アメリカ合衆国
ラスベガス、ルクソール(2000年3月10日–2005年9月15日)
ラスベガス、ベネチアン ・リゾート・ホテル・カジノ(2005年10月10日–2012年9月30日)[ 5]
ラスベガス、モンテカルロ ・リゾート・アンド・カジノ(2012年10月10日–2015年10月11日)
ドイツ
カナダ
トロント 、パナソニック劇場(2005年6月20日–2007年1月7日)
イギリス
ロンドン 、ニュー・ロンドン劇場(2005年11月–2007年6月24日)[ 7]
オランダ
アムステルダム 、Theater Fabriek (2006年12月–2007年9月30日)
日本
東京、六本木インボイス 劇場(2007年12月1日–2009年11月29日)
東京、六本木ブルーマン劇場(2010年4月29日–2012年3月31日)
スイス
バーゼル 、バーゼル・ミュージカル劇場(2006年10月25日–2009年1月11日)
チューリッヒ 、シアター11(2010年1月17日–2010年5月2日)[ 8]
スウェーデン
オーストリア
オーストラリア
音楽およびツアー
劇中に使用される音楽は、ブルーマンオリジナルの楽器を使用。その独自の不思議な楽器は、おもちゃとして販売されている。
アルバム「AUDIO」はグラミー賞 にノミネート。「ザ・カレント」は男性ボーカルを招いた作品で、『ターミネーター3 』のエンディングテーマ。アルバム「HOW TO BE MEGA STAR」はビルボードで初登場2位。
1999年、初アルバム『Audio 』を発表した。実際に舞台で使用された楽曲が収録されているが、全曲が収録されているのではなく、新たな楽器を使用した全編インストゥルメンタルのアルバムとなっている。
2002年、モービー のツアー公演『Area2 』に同行し、通常舞台で使用される曲よりもロック志向の曲を披露した。ツアー中、これらの楽曲は改良が加えられ、2003年のアルバム『The Complex 』に収録された。
『Audio 』と違い、『The Complex 』にはトレイシー・ボナム (英語版 ) 、デイヴ・マシューズ 、ギャヴィン・ロスデイル 、ヴィナス・ハム (英語版 ) など様々なゲスト・ヴォーカルによる歌が収録されている。このアルバムから2003年ツアー公演が製作され、ブルーマンにとって初のヘッドラインとなった。このツアー公演では従来のロック・コンサートをクリシェ 化し、2004年、DVD化された。トレイシー・ボナムとヴィナス・ハムが前座を務めた。DVDにはスタジオ・レコーディングのサラウンド ・サウンドのミックスが含まれている。
2006年9月26日、2回目のツアー『How to Be a Megastar Tour 2.0 』を開始した。1回目の『Complex Rock Tour 』からのネタに新たなネタを加え、トレイシー・ボナムが前座およびヴォーカリストを務めた。2007年4月22日にペンシルバニア州 ウィルクスバリ で終了した追加公演ではDJ/VJマイク・レルムが前座を務めた。2007年5月からさらなる追加公演が開幕し、メキシコ のメキシコシティ 、グアダラハラ 、モンテレイ 、アルゼンチン のブエノスアイレス 、ブラジル のサンパウロ 、リオデジャネイロ 、チリ のサンティアゴ などで上演された。またタイトルの数字を『2.1』に変更し、さらなる追加公演がアメリカやカナダ で上演された。その後2008年、フランス 、韓国 、カナダ、ドイツ、そしてヨーロッパ のいくつかの国で上演された。
2009年のデフリンピック のプロモーション・キャンペーンの一環として、8月19日から23日、台湾 の台北市 で『How to Be a Megastar Tour 2.0 』が上演され、台詞のほとんどが字幕に表示された。8月中旬、平成21年台風第8号 が上陸して大きな被害があり、利益が洪水被害者に寄付されるよう追加公演を行なった。
2008年、オランダ のDJおよびプロデューサーのティエスト のアルバム『Elements of Life: Remixed 』の収録曲『No More Heroes 』でコラボレートした。
2009年、ノルウェージャン・クルーズライン の最新の船舶であるノルウェージャン・エピック で上演することが発表され、ブルーマンにとって初めての海上での上演となった。2010年7月から、エピック号は7日ごとに交代でマイアミ から東カリブ、およびマイアミから西カリブに航行し、夜に船内でブルーマンの公演が行なわれている。
2013年、南アフリカ でのツアー公演が発表され、アフリカ大陸 で初めての公演となるはずであった。しかし他のツアー公演との兼ね合いおよび契約上の問題により実現しなかった。2017年初頭に再度、南アフリカでのツアー公演が予定されている。
ディスコグラフィ
フィーチャー映画
2008年9月、『バラエティ 』誌はシャーロット・ハギンズのプロデュースによりオリジナル・メンバーのマット・ゴールドマン、クリス・ウィンク、フィル・スタントン主演によるIMAX 3Dフィーチャー映画 が製作されると報じた[ 9] 。この映画『Blue Man Group: Mind Blast 』はデイヴィッド・ルッソの監督によりナショナルジオグラフィック協会 から公開された[ 10] 。
ビデオグラフィ
テレビ
テレビコマーシャル
番組
また、グラミー賞 、エミー賞 、ラテン・グラミー賞 授賞式、ロイヤル・バラエティ・パフォーマンス (英語版 ) 、『Wetten, dass...? 』(ドイツ)、『ザ・ヴォイス 』ドイツ版、『Regis and Kathie Lee 』、『Regis and Kelly 』、『エレンの部屋 』などでオリジナルのネタを披露している。
2012年、『セレブリティ・アプレンティス (英語版 ) 』第12シーズン第7エピソードに出演した。
2016年、シンガポール のスター・アワード (英語版 ) 授賞式に出演した。
日本での活動
日本公演
2007年にインボイス ・朝日新聞社 などからなる実行委員会により日本での公演が発表された[ 11] 。
日本公演は、2007年12月1日より東京 ・六本木 に設けられた専用劇場である「インボイス劇場」で開催されていた。2009年11月29日千秋楽を迎えた[ 12] 。
再公演として、「インボイス劇場」を「六本木ブルーマンシアター」に名称を変更し、2010年4月29日から2度目の公演を行った。2012年3月31日の千秋楽後は、同劇場は「六本木ブルーシアター」「アミューズ ・ミュージカルシアター」そして2014年4月に再び「六本木ブルーシアター」と名称を再度変更した後、2015年1月に「Zeppブルーシアター六本木」としてリニューアルオープンしている。
その他の活動
2007年 の日本公演に先立ち、「ロックバンド」としてのブルーマングループの「サマーソニック 2007」への出演が主催局であるテレビ朝日より発表された。サマーソニックは東京のみの出演となったが、2日間の日程において両日ともにステージのトップバッターとして出演。1日目にはエグゼクティブ・プレゼンターである倖田來未 と、また、2日目にはトレーシー・ボーナム との競演を果たした(両日とも曲目は"I Feel Love")。ステージ上において倖田來未がブルーマンの体を艶かしく撫でる様が、ワイドショーなどで大きく取り上げられた。
2009年 4月より、NHK教育のピタゴラスイッチ 内「アルゴリズムこうしん」にて「ブルーマンのみなさんといっしょ」バージョンに出演している。
受賞歴等
1991年、オビー賞 (受賞)
1992年、ドラマ・デスク・アワード ・ユニーク・シアトリカル・エクスペリエンス賞 (受賞)
1992年、ルシル・ローテル賞特別賞 [2]
2000年、グラミー賞 (ノミネート)
2000年、エディ賞 デザイン賞 [3]
2010年、オビー賞広告賞 [4]
2011年、オフ・ブロードウエイ同盟賞観客が選ぶロングラン公演賞 (受賞)[ 13]
2012年、国際エミー賞 アート・パフォーミング賞 (ノミネート) [5]
2014年、『Drum! 』誌読者が選ぶパーカッション・アンサンブル賞 (受賞)
2015年、『Drum! 』誌読者が選ぶパーカッション・アンサンブル賞 (受賞)
テーマ
ブルーマンの公演のネタには様々なテーマが使用されている。一部を以下に示す:[ 14]
パフォーマー
関連項目
脚注
^ a b Official website
^ a b Goldberg, Viki. "Blue Man Joins the Vegas Collection , New York Times , April 30, 2000
^ “Blue Man Group National Tour ” (January 21, 2010). February 9, 2010 閲覧。
^ "Norwegian Introduces Norwegian Epic's Captains And Hotel Directors Unveils Inaugural Sailing Dates in Europe and U.S. Miami" (Press release). Norwegian Cruise Line. 15 October 2009.
^ Ogunnaike, Lola. "For the Blue Man Army, Recruitment Is on the Rise" , The New York Times , 10 October 2005.
^ BLUE MAN GROUP / Show in Berlin – English Archived June 27, 2008, at the Wayback Machine .
^ “Blue men pack up bags” . Official London Theatre Guide (Society of London Theatre ). (March 27, 2007). http://www.officiallondontheatre.co.uk/news/latest/view/item71802/Blue-men-pack-up-bags/ 2007年5月28日 閲覧。
^ “Blue Man Group – "DIE SHOW SENSATION" ”. Bluemangroup.ch. 2010年3月30日時点のオリジナル よりアーカイブ。2009年11月23日 閲覧。
^ Cohen, David S. (September 8, 2008). “Blue Man Group heads to bigscreen” . Variety . http://www.variety.com/article/VR1117991865.html?categoryid=1238&cs=1
^ Cohen, David S. (September 15, 2009). “Blue Man, Nat Geo map 3D pic plans” . Variety. http://www.variety.com/article/VR1118008674.html?categoryid=3731&cs=1
^ http://roppongi.keizai.biz/headline/1043/index.html
^ [1]
^ “Off Broadway Alliance Awards ”. August 24, 2011 閲覧。
^ a b c Blue Man Group: Inside the Tube . PBS . 2006.
^ ブルーマンの妻が語る「ブルーマングループ」の舞台裏
^ 「富樫佳織の感客道」第三十回「アダム・エードッシーさん(ブルーマンパフォーマー)」 1/5 | 歌舞伎美人(かぶきびと)
参考文献
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
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