ブライアン・アクセル・ホイヤー (Brian Axel Hoyer 、1985年 10月13日 - )は、アメリカ合衆国 オハイオ州 ノースオルムステッド 出身のアメリカンフットボール 選手。ポジションはクォーターバック (QB)。NFL屈指のジャーニーマン として知られる。
経歴
プロ入りまで
ニューイングランド・ペイトリオッツ のQBを務めたブライアン・ダウリング と同じ高校に入学、アメリカンフットボールの他に野球で投手 、内野手 、外野手 を務めた。2年次の2002年には8勝1敗、防御率 1.99の成績をあげて、オハイオ州ディビジョンI選手権では、6回を投げて2失点、勝利投手となった。
アメリカンフットボールでは2年間先発QBとして16勝7敗、2002年には、パス263回中131回を成功(成功率49.8%)、2,131ヤード、18TD、12INTの成績を残した。2003年には、パス412回中258回成功、5,570ヤード、45TD、15INTの成績で11勝1敗の成績を残し、AP通信 よりオハイオ州のディビジョンIオールチームに選ばれた。2004年にはオハイオ・オールスタークラシックと、7月24日に行われたオハイオ州とペンシルベニア州 の高校生の間で行われるBig 33 Football Classic に出場した。
大学時代のホイヤー (No.7)
ミシガン州立大学 に進学した彼は、2004年は練習生として過ごし、2005年には5試合に出場し、パス23回中15回成功、167ヤード、2TDをあげた。イリノイ大学 戦ではドリュー・スタントン と合計7TDパスをあげた。これはビッグ・テン・カンファレンス タイ記録となった。2006年には8試合に出場し、パス144回中82回成功、863ヤード、4TD、3INTの成績を残した。
2007年、パス376回中223回成功(パス成功率59.3%)、2,725ヤード、20TD、11INTの成績でビッグ・テン・カンファレンスのオールチームに選ばれた。2008年シーズン開幕前には、ジョニー・ユナイタス・ゴールデンアーム賞の候補者26人の中に選ばれた[ 1] 。
3,4年の2年間でパス5,100ヤード、29TDをあげたが20インターセプトも喫した[ 2] 。
ニューイングランド・ペイトリオッツ(第1期)
2009年 、ドラフトコンバインに招待されスカウトの評価を高めたが[ 3] 、NFLドラフト で指名されることはなく、ドラフト直後の4月30日にドラフト外フリーエージェントでニューイングランド・ペイトリオッツ と契約を結んだ[ 4] 。
プレシーズンのシンシナティ・ベンガルズ 戦でプロデビュー、パス19回中11回成功、112ヤードを獲得した。ニューヨーク・ジャイアンツ とのプレシーズン最終戦では第1Qに一時0-21とリードされたが、パス25回中18回成功、242ヤード、1TDをあげて、38-27と逆転勝利した[ 5] 。プレシーズン合計で、パス44回中29回成功、354ヤード、1TD、QBレイティング98.1の成績を残した。
トレーニングキャンプでは、マット・グティエレス 、ケビン・オコネル 、アンドリュー・ウォルター と4人でトム・ブレイディ の控えQBの座を争ったが、彼以外の3人はカットされ、ホイヤーだけが開幕ロースターに残った[ 6] 。
10月18日のテネシー・タイタンズ 戦の後半で初出場、最初のドライブでパス5回全て成功、35ヤードを獲得、最後は1ヤードのTDランで締めくくった。この試合でチームはチーム記録となる59-0で勝利した。最終週のヒューストン・テキサンズ 戦では自陣1ヤードからの厳しい状況でブレイディと交代出場した[ 7] 。
2010年 、プレシーズンを唯一の控えQBとして迎えた彼は、パス57回中32回成功、471ヤード、3TD、1INTの成績を残した。レギュラーシーズンでは14-34で敗れたクリーブランド・ブラウンズ 戦の終盤出場し、プロ初のインターセプトを喫した。第17週のマイアミ・ドルフィンズ 戦で、チームが31-0とリードしてから登場し、プロ初のTDパスとなるブランドン・テイト への42ヤードのパスを決めた[ 8] 。
2011年 、ペイトリオッツがドラフトでライアン・マレット を獲得したが、第2QBの座を維持し、プレシーズンではパス42回中25回成功、1TDをあげた。レギュラーシーズンでは最終週に1回しかパスを投げなかったが、これはロブ・グロンカウスキー への22ヤードのTDパスとなり、グロンカウスキーはタイトエンドのシーズンレシーブヤードNFL記録を更新した[ 9] 。
2012年のプレシーズン第2週のフィラデルフィア・イーグルス 戦では、控えQBの座を争うライアン・マレットがパス試投1回あたり5.5ヤード獲得したのに対して、パス17回中わずか5回成功、55ヤード獲得と、1回あたり3.2ヤードしか獲得できなかった[ 10] 。8月31日、ニューイングランド・ペイトリオッツを解雇された[ 11] 。
ピッツバーグ・スティーラーズ
11月20日、ベン・ロスリスバーガー 、バイロン・レフトウィッチ が負傷したことから、ピッツバーグ・スティーラーズ のワークアウトにマイク・カフカ とともに参加、契約を勝ち取った[ 12] 。
第12週のクリーブランド・ブラウンズ 、第13週のボルチモア・レイブンズ 戦でチャーリー・バッチ の控えQBとして登録されたが、出場機会はなく、12月8日にウェーバー された[ 13] 。
アリゾナ・カージナルス
12月10日、アリゾナ・カージナルス と契約[ 14] 、第16週のシカゴ・ベアーズ 戦では、先発したライアン・リンドリー と交代出場、パス19回中11回成功、105ヤード、1INTの成績を残した[ 15] 。12月26日、ケン・ウィゼンハント ヘッドコーチより最終週のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ 戦の先発QBに指名された[ 16] 。この試合でパス34回中19回成功、225ヤード、1TD、1INTを記録した[ 17] 。シーズンオフには、カージナルスからドラフト 2巡目相当のテンダーオファーがなされた[ 18] 。
クリーブランド・ブラウンズ
2013年 5月13日、カージナルスから解雇され[ 19] 、5月16日、クリーブランド・ブラウンズ と2年契約を結んだ[ 20] 。第3週のミネソタ・バイキングス 戦より、前週の試合で親指を負傷したブランドン・ウィーデン に代わって先発QBとなり[ 21] 、321ヤードを獲得、3タッチダウン、3インターセプトの成績をあげ、チームは31-27で勝利した。この勝利に対して元ブラウンズのQBブライアン・サイプ と重ね合わせて見る意見が出た[ 22] 。10月3日のバッファロー・ビルズ 戦の第1Qに右ひざの靱帯を断裂 、シーズン絶望となった[ 23] 。
2014年 、ブラウンズがドラフト1巡でジョニー・マンジール を獲得したことから、控えQBとなるのではと予想されたが、開幕先発QBに選ばれた[ 24] 。序盤は好調でチームをプレーオフ争いに参加させたが、第10週以降、タッチダウン0に対して多くのインターセプトを記録したため[ 25] [ 26] 、7勝6敗でプレーオフにわずかな望みを残した第15週よりマンジールにエースQBの座を奪われた。この年先発13試合を含む14試合に出場し、3,326ヤード、12TD、13INTの成績を残した。
2015年 、ブラウンズがジョシュ・マカウン を獲得したことから、ブラウンズを退団する意思を明らかにした[ 27] 。
ヒューストン・テキサンズ
2015年3月11日、ヒューストン・テキサンズ と2年1050万ドルで契約を結んだ[ 28] 。ライアン・マレット との先発QB争いを行い、8月24日にエースQBの座を勝ち取った[ 29] 。テキサンズは地区優勝を果たし、ホイヤーはキャリア初となるプレーオフ出場を果たしたが、初戦のカンザスシティ・チーフス 戦は4インターセプト、1ファンブルロスト、0タッチダウンの成績に終わり、チームも完封負けを喫した[ 30] 。2016年4月17日、テキサンズから放出された[ 31] 。
シカゴ・ベアーズ
2016年4月30日、シカゴ・ベアーズ と契約[ 32] 。ジェイ・カトラー に代わって5試合で先発を務めたが、負傷した後は出場なくシーズン終了となった[ 33] 。
サンフランシスコ・フォーティナイナーズ
2017年3月、サンフランシスコ・フォーティナイナーズ と2年契約を結び加入[ 34] 。
ニューイングランド・ペイトリオッツ(第2期)
2017年11月1日、古巣ニューイングランド・ペイトリオッツ と3年契約を結んだ[ 35] 。これによりホイヤーは、ペイトリオッツが10月30日にトレードによりフォーティナイナーズに放出したQBジミー・ガロポロ に代わる控えQBとなった(先発QBはトム・ブレイディ )。
出場機会こそ少なかったものの、第53回スーパーボウル のロースターに残るなどチームを陰で支えた。
2019年9月1日、その年のドラフトで指名された新人ジャレット・スティッドハム との控えQB争いに敗れてチームから解雇された[ 36] 。
インディアナポリス・コルツ
2019年9月2日に、アンドリュー・ラック の引退によりQBの人員不足していたインディアナポリス・コルツ と契約を結んだ[ 37] 。
第9週のピッツバーグ・スティーラーズ 戦では負傷した先発QBジャコビー・ブリセット に代わり出場すると、タッチダウンを挙げた。このタッチダウンにより史上5人目となる通算7チーム以上でタッチダウンパスを挙げたQBとなった[ 38] 。
ニューイングランド・ペイトリオッツ(第3期)
2020年3月25日にペイトリオッツと契約した[ 39] 。第4週のカンザスシティ・チーフス 戦にて、正QBのキャム・ニュートン が新型コロナウイルス感染症 検査で陽性反応が出たことから、ペイトリオッツでは初めての先発出場を果たした。試合は、26-10で敗れた。
2021年シーズン開幕前にペイトリオッツと再契約を結んだ[ 40] 。このシーズンは5試合に出場し、第10週のクリーブランド・ブラウンズ 戦ではジャコビ・マイヤーズ へタッチダウンパスを通した。マイヤーズはこれがキャリア初のタッチダウンであった。
2022年シーズンもペイトリオッツと契約を結んだ[ 41] 。第4週のグリーンベイ・パッカーズ 戦で正QBのマック・ジョーンズ に代わり先発する[ 42] も、第1Qの途中で頭部を負傷しベイリー・ザッピー と途中交代した[ 43] 。結局このシーズンは、この1試合のみの出場に留まった。オフにリリースされた。
ラスベガス・レイダース
2023年 4月4日にラスベガス・レイダース と2年契約を結んだ[ 44] 。2024年、チームから放出された[ 45] [ 46] 。
詳細情報
年度別成績
レギュラーシーズン
年度
チーム
背 番 号
試合
パス
ラン
ファンブル
出場
先発
成功 回数
試投 回数
成功 確率
獲得ヤード
平均 獲得 ヤード
TD
Int
サック
サック ヤード
レイテ ィング
試行 回数
獲得 ヤード
平均 獲得 ヤード
TD
ファン ブル数
ロスト
2009
NE
8
5
0
19
27
70.4
142
5.3
0
0
2
18
82.6
10
25
2.5
1
--
--
2010
5
0
7
15
46.7
122
8.1
1
1
0
0
69.3
10
-8
-0.8
0
--
--
2011
3
0
1
1
100.0
22
22.0
0
0
0
0
118.8
4
-3
-0.8
0
--
--
2012
PIT
16
0
0
--
--
--
--
--
--
--
--
--
0.0
--
--
--
--
--
--
ARI
6
2
1
30
53
56.6
330
6.2
1
2
4
30
65.8
1
6
6.0
0
1
0
'12計
2
1
30
53
56.6
330
6.2
1
2
4
30
65.8
1
6
6.0
0
1
0
2013
CLE
3
3
57
96
59.4
615
6.4
5
3
6
48
82.6
6
16
2.7
0
--
--
2014
14
13
242
438
55.3
3,326
7.6
12
13
24
160
76.5
24
39
1.6
0
4
1
2015
HOU
7
11
9
224
369
60.7
2,606
7.1
19
7
25
185
91.4
15
44
2.9
0
6
2
2016
CHI
2
6
5
134
200
67.0
1,445
7.2
6
0
4
18
98.0
7
-2
-0.3
0
3
1
2017
SF
6
6
119
205
58.0
1,245
6.1
4
4
16
112
74.1
5
7
1.4
1
3
1
NE
5
0
4
6
66.7
42
7.0
0
0
0
0
86.8
4
-3
-0.8
0
--
--
'17計
11
6
123
211
58.3
1,287
6.1
4
4
16
112
74.5
9
4
0.4
1
3
1
2018
5
0
1
2
50.0
7
3.5
0
0
0
0
58.3
11
-8
-0.7
0
--
--
2019
IND
4
1
35
65
53.8
372
5.7
4
4
5
47
65.7
8
2
0.3
0
2
1
2020
NE
1
1
15
24
62.5
130
5.4
0
1
2
18
59.4
1
8
8.0
0
1
1
2021
5
5
0
9
11
81.8
227
20.6
1
0
0
0
149.1
11
−8
−0.7
0
0
0
2022
1
1
5
6
83.3
37
6.2
0
0
1
8
92.4
0
0
0.0
0
0
0
NFL :14年
76
40
902
1,518
59.4
10,668
7.0
53
35
89
644
82.9
117
115
1.0
2
20
7
ポストシーズン
年度
チーム
試合
パス
ラン
ファンブル
出場
先発
成功 回数
試投 回数
成功 確率
獲得ヤード
平均 獲得 ヤード
TD
Int
サック
サック ヤード
レイテ ィング
試行 回数
獲得 ヤード
平均 獲得 ヤード
TD
ファン ブル数
ロスト
2015
HOU
1
1
15
34
44.1
136
4.0
0
4
3
24
15.9
1
-1
-1.0
0
2
1
2017
NE
1
0
0
0
0.0
0
0.0
0
0
0
0
0.0
3
-1
-0.3
0
0
0
計
2
1
15
34
44.1
136
4.0
0
4
3
24
15.9
4
-2
-1.3
0
2
1
関連項目
脚注
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外部リンク
NFL先発QB
シカゴ・カージナルス(1920–1959)
セントルイス・カージナルス (1960–1987)
フェニックス・カージナルス(1988–1993) 1920年代 1930年代 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
年代の分類は初先発のシーズンによる
1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
年代の分類は初先発のシーズンによる
2000年代 2010年代 2020年代
年代の分類は初先発のシーズンによる
ディケーター・ステイリーズ(1920)
シカゴ・ステイリーズ(1921) 1920年代 1930年代 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
年代の分類は初先発のシーズンによる
1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
年代の分類は初先発のシーズンによる
1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
年代の分類は初先発のシーズンによる
1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
年代の分類は初先発のシーズンによる
オークランド・レイダース(1960–1981, 1995–2019)
ロサンゼルス・レイダース(1982–1994) 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
年代の分類は初先発のシーズンによる