ピコ・デ・ラス・ニエベス (スペイン語 : Pico de las Nieves )は、スペイン ・カナリア諸島州 にある山 。標高は1,949m。
カナリア諸島 グラン・カナリア島 の最高峰 であり、ラス・パルマス県 の最高峰である。プロミネンス が1500m以上のウルトラ・プロミネント峰 である。成層火山 である。
名称
スペイン語 の「pico」は「峰」、「nieve」は「雪」を意味し、「Pico de las Nieves」は「雪の峰」を意味する。雪を保存するための貯蔵庫がこの山の斜面にいくつか設置されていたことに由来するとされ、降雪の頻度が高いことが理由であるとする説もある。カトリック教会 の命により、1694年に初めて雪の貯蔵庫が設置された。木製シャベルやつる製かごを持った労働者によって雪が運ばれ、木製またはコルク製の長方形の箱に詰め込まれた。
地理
カナリアマツ (英語版 ) の森林
カナリア諸島 各島の最高峰としては、テネリフェ島 のテイデ山 (3718m)、ラ・パルマ島 のロケ・デ・ロス・ムチャーチョス (英語版 ) (2423m)などがあり、ピコ・デ・ラス・ニエベスはカナリア諸島で3番目に標高の高い山である。火山活動を繰り返してきたテネリフェ島とは対照的に、グラン・カナリア島の火山はもはや活発ではなく、最近の火山活動は2000年前から3000年前に遡る[ 2] 。
頂上付近に広がるなだらかな高原の大半は、巨大な球状のレーダーを有する軍事基地が占めている。民間人は軍事基地より低い部分まで立ち入ることが許されている。軍事基地があることから、自動車で頂上に達することができる。頂上はテヘーダ (英語版 ) 、ベガ・デ・サン・マテオ (英語版 ) 、サン・バルトロメ・デ・ティラハナ (英語版 ) の3自治体の境界となっている。1950年代にはピコ・デ・ラス・ニエベスの斜面にカナリアマツ (英語版 ) が再導入された。
好天日にはグラン・カナリア島の半分の範囲からテネリフェ島 のテイデ山 を眺めることができる。グラン・カナリア島でもっとも特徴的な山は、ピコ・デ・ラス・ニエベスではなく標高1813mのヌブロ岩 (英語版 ) である。
特徴
ピコ・デ・ラス・ニエベスには氷塊も多く見られる。夏季の6月には馬の背に藁製の荷かごに氷塊を乗せて、5時間から6時間かけてラス・パルマス大聖堂 (英語版 ) に設置されたアイスクリーム売場に運んだ。病気の緩和のため、黄熱病 やコレラ 流行時に体温を下げるためにも雪が使用され、抗炎症薬 や鎮痛薬 としても雪が使用された。また、上流階級にとっての飲料用としても使用された。池に蓄えられた雪解け水は灌漑に使用された。
脚注