ビレリカ (マサチューセッツ州)
ビレリカ (英 : Billerica 、)は、アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 のミドルセックス郡 にある町。ボストン の北32キロメートルに位置している。人口は4万2119人(2020年)。町名は、イングランド のエセックス にある「ビレリキー」に由来する。
歴史
1630年代初期、ショーシーンという祈るインディアン の村が、現在ビレリカがある場所にあった[ 3] 。
1638年、マサチューセッツ湾植民地総督ジョン・ウィンスロップ と副総督のトマス・ダドリー が、地元インディアンからショーシーンと呼ばれていた荒野にあるコンコード川沿いの土地を払い下げた。開拓地の大半はケンブリッジ の監督下に行われていたが、植民地における財政的な困難さのために開拓ができず、ショーシーンへの入植の問題は延期され続けていた。最後は1652年、ケンブリッジとチャールズタウン・ビレッジ、後のウーバン から約1ダースの家族が、ショーシーンにも入植を始めた[ 4] 。
開拓者達は外国語にも聞こえるショーシーンに換えてビレリカという名前を選んだ。これはこの開拓地に住んでいる家族の大半が元々、イングランド のエセックス にあるビレリキーから来ていたという事実による可能性が強い。町は1655年に法人化されたが、これは近くにあるチェルムスフォードとグロトンの各町の法人化と同じ日だった。この町で最古の現在も残る家屋は、1696年に建設されたマニング・マンスの家であり、後にウィリアム・マニング(1747年-1814年)の家となった。マニングは『自由の鍵』の著者であり、連邦主義政策の評論家だった[ 5] 。その他に著名なアメリカ独立戦争 時代の住人としては、バンカーヒルの戦い で最初に戦死した兵士であるアサ・ポラード(1735年-1775年)や、1775年にボストン を訪れている間にイギリス人にリンチに遭ったトマス・ディットソン(1741年生まれ)がいた。『ヤンキードゥードゥル 』の歌はこの事件の侮辱の代わりに、国民的な誇りを表すものになった[ 6] 。ビレリカの町では毎年9月に「ヤンキードゥードゥル」の週末を祝っている。
地理
ノースビレリカのコンコード川
アメリカ合衆国国勢調査局 に拠れば、町域全面積は26.4平方マイル (68 km2 )であり、このうち陸地25.9平方マイル (67 km2 )、水域は0.5平方マイル (1.3 km2 )で水域率は1.90%である。
ビレリカは、アメリカ国道 3号線のノースウェスト・イクスプレスウェイ部沿いに、ボストンの北北西20マイル (32 km) にあり、南のボストン都市圏と北の ローウェル 都市圏の境目に位置している。南にあるマサチューセッツ州道128号線/州間高速道路 95号線テクノロジーベルトから3マイル (5 km) 足らずにもあり、北の州間高速道路495号線からは2マイル (3 km) 足らずである。
ビレリカにはビレッジと呼ばれる小さな地区が幾つかある。すなわちイーストビレリカ、ノースビレリカ、ナッティングレイク、パインハースト、リオビスタ、リバーパインズ、リバーデール、リバーサイド、サウスビレリカである[ 7] 。
ビレリカの周りには、チェルムスフォード、ローウェル、テュークスベリー、ウィルミントン 、バーリントン、ベドフォード、カーライルの各町が接している。ローウェルとの境はコンコード川の中間点であり、ビレリカ、チェルムズフォード、ローウェル、テュークスベリーの4自治体が一点で交わる所である。
環境
ショーシーン川とコンコード川が町内にある主要河川である。ナッティング湖に公有浜があり、水上のレクリエーション機会を提供している。
人口動態
人口推移 年 人口 ±% 1850 1,646 — 1860 1,776 +7.9% 1870 1,833 +3.2% 1880 2,000 +9.1% 1890 2,380 +19.0% 1900 2,775 +16.6% 1910 2,789 +0.5% 1920 3,646 +30.7% 1930 5,880 +61.3% 1940 7,933 +34.9% 1950 11,101 +39.9% 1960 17,867 +60.9% 1970 31,648 +77.1% 1980 36,727 +16.0% 1990 37,609 +2.4% 2000 38,981 +3.6% 2010 40,243 +3.2% 2020 42,119 +4.7% * = population estimate. 出典: アメリカ合衆国国勢調査 記録と人口推定プログラム (英語版 ) データ[ 8] [ 9] [ 10] [ 11] [ 12] [ 13] [ 14] [ 15] [ 16] [ 17]
ビレリカセンター
以下は2000年 の国勢調査 による人口統計データである[ 18] 。
基礎データ
人口: 38,981 人
世帯数: 12,919 世帯
家族数: 10,244 家族
人口密度 : 581.3人/km2 (1,505.9 人/mi2 )
住居数: 13,071 軒
住居密度: 194.9軒/km2 (504.9 軒/mi2 )
人種別人口構成
年齢別人口構成
18歳未満: 25.7%
18-24歳: 7.3%
25-44歳: 34.6%
45-64歳: 24.0%
65歳以上: 8.4%
年齢の中央値: 36歳
性比(女性100人あたり男性の人口)
世帯と家族 (対世帯数)
18歳未満の子供がいる: 37.4%
結婚・同居している夫婦: 66.1%
未婚・離婚・死別女性が世帯主: 9.4%
非家族世帯: 20.7%
単身世帯: 16.4%
65歳以上の老人1人暮らし: 5.3%
平均構成人数
収入
収入と家計 (2010年データ)
収入の中央値
世帯: 87,073米ドル
家族: 95,128米ドル
人口1人あたり収入: 32,517米ドル
貧困線 以下
対人口: 3.8%
対家族数: 2.8%
18歳未満: 4.5%
65歳以上: 4.3%
ビレリカは雑誌CNN 「マネー」の2009年「生活するに最適の所」を競う町だが、国内の100傑には入っていない[ 19] 。
教育
公立学校
ビレリカ公共教育学区が初等中等学校を運営している。公立学校の体系には小学校6校、中学校2校、高校1校が含まれている[ 20] 。さらにショーシーンバレー工業高校という地域工業高校もある[ 21] 。
小学校
ディットソン小学校、パインハーストのクック通り
フレデリック・J・デュタイル小学校、リバーパインズのトレブルコーブ道路
S・G・ハジャール小学校、ノースビレリカのロジャーズ通りとコール通り
ジョン・F・ケネディ小学校、イーストビレリカのキンブロー道路とカーライン・ドライブ
パーカー小学校、ビレリカ・ビレッジのリバー通り
ユージーン・C・バイニング小学校、ナッティングレイクのレキシントン道路
中学校
オーランド・S・マーシャル中学校[ 22] 、ビレリカ・ビレッジのフロイド通り
キリル・D・ロック中学校[ 23] 、ビレリカのアレン道路とボールドウィン道路
高校
職業訓練校
ショーシーンバレー工業高校、パインハーストのクック通り
ショーシーンバレー工業高校はビレリカの他にベドフォード、バーリントン、テュークスベリー、ウィルミントンの4町から生徒を受け入れている
教区学校と私立学校
ビレリカには教区学校も私立学校も無い。しかし近くの町には下記の学校がある。
アーリントン・カトリック高校、アーリントン 町、9年生から12年生
セントアグネス学校[ 24] 、アーリントン町、幼稚園から8年生
ローウェル・カトリック高校、ローウェル市、9年生から12年生
オースティン予備校、レディング、6年生から12年生
スポーツとレクリエーション
雑誌「スポーツ・イラストレイテッド 」は創刊50周年を祝して、ビレリカを国内でスポーツとレクリエーションに適した町50傑の1つに挙げ[ 25] 、「湾の州のスポーツ町」に指定した[ 26] 。
カントリークラブ・オブ・ビレリカ[ 27] は1971年設立の18ホール・ゴルフコースであり、一般に開放されている[ 28]
レンジウェイ・ゴルフ[ 29] は、ナシュア道路沿いにあり、ゴルフ練習場とミニ・ゴルフコースがある
ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ・オブ・グレーター・ビレリカ[ 30] には水泳プール、野球場とソフトボール場、フットボール場、テニスコート、バスケットボールコートがある
トランポリン・パーク[ 31] はボストン道路700にあり、2014年3月にグランドオープンとなった。3Dドッジボールのようなジャンピング活動、バスケットボールのダンキングレーン、キッド・ゾーン、フォームピッツ、体育館「タンブル・トラック」、ロッククライミング壁、フォームピッツに掛けられたバトルビーム、大型メインコートがある。アルティテュード・ビレリカはマサチューセッツ州で最初のトランポリン・パークであり、ロッククライミング壁やバトルビームがある
交通
マサチューセッツ湾交通局 線のノースビレリカ駅
マサチューセッツ湾交通局 通勤線が、ボストン北駅 からローウェル線でノースビレリカに停車する。町の南部も地理的にはウィルミントン駅やウーバンのアンダーソン地域交通センターに近い。ローウェル地域交通局がビレリカの一部でバス便を運行している。3番系統はノースビレリカ駅とノースビレリカ・ビジネスセンターに運行している。13番系統はボストン道路(国道3号線)をノースビレリカからパインハーストまで運行している。途中の停留所は、ノースビレリカ駅、ポラード通り、ハイ通り、ビレリカセンター、町役場、ビレリカ・モール、タウンプラザ、およびリバーデールにあるショッピングセンターである。4番系統は国道3号線をビレリカセンターまで行き、コンコード道路とミドルセックス・ターンパイクを進む。
ミドルセックス運河は1795年から1853年にビレリカの町内を流れ、ローウェルとボストンの間で貨物輸送に使われた。この輸送路があったので、ビレリカは「ローウェルへの入り口」と呼ばれた。
1840年代、ボストン・アンド・ローウェル鉄道の本線が建設され、町内のノースビレリカとイーストビレリカを通った。どちらにも駅が造られ、ノースビレリカ駅は現在も通勤線の駅として使われている。イーストビレリカでは1965年に旅客線が廃止され、駅は改修されて個人宅になっている。
経済
パンナム鉄道の本社
E インク・コーポレーション - 電気泳動ディスプレイのメーカー、アマゾン・キンドルやバーンズ&ノーブル・ノックのタブレットを動かす。ケンブリッジにあった本社をビレリカの14万平方フィート (13,000 m²) の施設に移転しつつある[ 32]
レイセオン - アメリカの主要防衛産業。兵器や商業用電子部品に特化、ビレリカに大型のオフィスが2棟ある[ 33]
EMD セロノ Inc, - 世界的な薬品と化学品のグループであるドイツ 、ダルムシュタット のメルク社 のバイオ薬品事業部門、7,500万ドルをかけてビレリカの施設を拡充している。EMDセロノ研究開発所としている[ 34]
GE メジャメント & コントロール・ソリューションズ - ゼネラル・エレクトリック の5億ドルをかけたエネルギー技術部門。近年その本部をビレリカに移した[ 35]
カボット・コーポレーション - 33億ドルの特殊化学品と機能材料の会社。ビレリカに研究開発施設がある[ 36]
アバイア Inc, - ビジネス通信システムと協業システムのプロバイダー、ビレリカにニューイングランド本部がある[ 36]
L-3 コミュニケーションズ - 指揮・統制、通信、情報、諜報・偵察のシステムと機器、アビオニクス、海洋機器、訓練装置とサービス、航法装置を制作。コンコード道路沿いにビレリカ事務所がある[ 37]
パンナム鉄道 - ニューイングランド最大の鉄道会社、ノースビレリカに本社がある[ 38] [ 39]
メルク社 - ドイツの薬品・化学会社(メルク・アンド・カンパニーとは関係ない)。生命科学部品メーカーのミリポア社を買収した後、ビレリカにアメリカ本社を移転すると2010年3月に発表[ 40]
ファーマルーセンス - バイオテクノロジー企業、病気診断用の薬品を製造、ビレリカに7万平方フィート (6,500 m²) の工場と本社を建設する計画がある[ 41]
アメリカン・サイエンス&エンジニアリング - ビレリカを本拠にしている。アメリカ合衆国政府の対テロ任務に使うために、X線検査技術に670万ドルの注文を受けたと発表[ 42]
ランセウス・メディカル・イメージング Inc., - ビレリカを本拠とする医療画像機メーカー、オタワを本拠にするMDSノーディオンと、レアイメージング同位元素モリブデン99の取引に合意した[ 43]
シーホース・バイオサイエンス - 実験器具メーカー、ノースビレリカに本社がある[ 44]
ブルカー - 分析装置を開発、製造する企業。ビレリカを本拠にしている[ 45] 。
政府
ビレリカの政治は代表制タウンミーティング 形式を採用している。この仕組みでは立法府と行政府がある。
タウンミーティングが町の立法府であり、約240人の代表が町の11選挙区から選ばれ、年2回ある会期で2週間ごとの集会で町に関することを民主的に票決していく。第1会期は5月に始まり、議題に決着が付くまで続く。第2会期は10月に始まり、同様に議題が無くなるまで続く。町の憲章には「町の全ての権限は代表制タウンミーティングに与えられるが、別に法や憲章で定められているものは除く」とされている。タウンミーティングは手続きを規制する仲裁者を選出し、秩序に関する問題を決定し、あらゆる票決結果について公開する。タウンミーティングの代表は無報酬で務める。
タウンミーティング以外に、町は5人の委員による町政委員会を選出し、町の行政府として機能させる。これら委員は町の法を執行し、免許を出し、町の方針を決めるが、日々の管理に携わることは禁じられている。日々の管理を行わせるために、町政委員会が町マネジャーを指名する。町政委員会の他に、町の選挙では教育委員会を選出し、監督官を指名し、公共教育の規則を定める。町の事務官は町の記録を管理し、町章の管理人として機能する。企画員会は町の資源、将来の可能性、その時の需要について研究し、企画を立てる。
町憲章は公共事業部を作って町のユーティリティに関するサービスを行うことも規定している。
ビレリカはアメリカ合衆国下院議員マサチューセッツ第6選挙区に属している[ 46] 。
ミドルセックス矯正部がトレブルコーブ道路近くにある。この監獄はミドルセックス郡保安官事務所の管轄下にある。
著名な出身者
歴史的な場所
ハウ・スクール
エイブラハム・ジャキス邸
ベネット公共図書館
ビレリカ・タウンコモン地区
ビレリカ・ミルズ歴史地区
ダットン・ホールデン・ホームステッド
ディーコン・サミュエル・ヒル邸
ハウ・スクール
マニング・マンス
ミドルセックス運河
トマス・ディットソン小学校 – パイハースト地区にあった
姉妹都市
ビレリキー(イギリス 、エセックス )
脚注
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参考文献
外部リンク