ビルング家(Billunger)は、中世ドイツにおいて10世紀から12世紀始めにかけてザクセン大公を世襲した貴族の家系である。ビッルング家とも呼ばれる。
概要
ビルング家の先祖について詳しいことは分かっていないが、9世紀のザクセンの伯リウドルフの妻オーダはビルング家出身とされている。936年に国王オットー1世によりヘルマン・ビルングが東部国境の辺境伯に任命されたことが、同家がザクセン大公を世襲する端緒となった[1]。ヘルマン・ビルングの子ベルンハルト1世より正式にザクセン大公とされ、4代にわたってザクセン大公位を世襲した。最後の大公マグヌスには男子後継者がなく、娘が二人いたが、娘たちはそれぞれヴェルフ家のバイエルン公ハインリヒ9世(黒公)およびアスカーニエン家のバレンシュテット伯オットー(裕福伯)と結婚し、それぞれの子が後にザクセン公となった[2]。
系図
脚注
参考文献
- 瀬原義生 『ドイツ中世前期の歴史像』 文理閣、2012年
- 下津清太郎 編 『世界帝王系図集 増補版』 近藤出版社、1982年
- コルヴァイのヴィドゥキント、三佐川亮宏 訳 『ザクセン人の事績』 知泉書館、2017年
関連項目