バガ (サンスクリット: भग, Bhaga) は、古代インド神話の神である。分配、幸運の意。アーディティヤ神群の1つで、アリヤマンとともに主権神ミトラに従い、補佐する[1]。バガはその名の通り公正な富の分配あるいは幸運を司るが、盲目の神であるともいわれる。
『マハーバーラタ』によるとダクシャ仙の祭祀の場で、怒りに狂うシヴァ神によって盲目にされたが、これにはまた別な伝承もある[2]。『リグ・ヴェーダ』ではわずか1篇7詩節に留まる (7・41・1-7) が、バガの起源はインド・イラン共同時代にさかのぼり、ゾロアスター教の聖典『アヴェスター』におけるバガや、古代スラブ語のボグと語源を等しくしている。ただしどちらも神の意に過ぎない[3]。ゾロアスターによる宗教改革ではアシとして昇華されている[4]。またローマ神話の神テルミヌスに相当する[5]。
脚注
- ^ 『神々の構造』3章5節(p.112-113)。
- ^ ジョルジュ・デュメジル『ミトラ=ヴァルナ』10章2節。
- ^ 『リグ・ヴェーダ讃歌』p.139。
- ^ 『神々の構造』3章8節(p.116-118)。
- ^ 『神々の構造』3章9節(p.118-120)。
参考文献
関連項目