『ハニー』(Honey) は、アメリカ合衆国のバンド、オハイオ・プレイヤーズの7枚目のアルバム。1975年8月16日にマーキュリー・レコードからリリースされた。一般的に、古典的作品、このバンドの最高傑作アルバム、1970年代半ばのバンドの全盛期における最後の優れた大作と目されている。
オハイオ・プレイヤーズの従前のアルバム同様、『ハニー』は性的にきわどいカバー写真で知られている。本作では、ヌードの女性が蜂蜜の入ったベタベタのガラス瓶を右手に持ち、左手に持った匙から、淫らな様子で蜜を呑み込もうとしている。内側のカバー写真では、同じヌードの女性が、膝を折って仰向けに反り返りながらからだいっぱいに蜜をかけられており、別枠で配置されたバンドのメンバーたちの写真が、あたかも嬉々とした様子で彼女を見つめているように見える。この女性モデルは、『PLAYBOY』誌の1974年10月号で今月のプレイメイトを務めたエスター・コーデット (Ester Cordet) である[3]。このアルバムは、第18グラミー賞(英語版)において最優秀アルバム・パッケージ賞を受賞した[4]。
本作は、シカゴのパラゴン・レコーディング・スタジオ (Paragon Recording Studios) で録音とリミックスがおこなわれ、バリー・ムラーズ (Barry Mraz) がレコーディング・エンジニアを務めた[5]。Marty Link、Steve Kusiciel、Rob Kingsland、Paul Johnson が、テープ・オペレーターとしてクレジットされている[5]。仕上げのミックスは、ギルバート・コング (Gilbert Kong) がニューヨークのマスターディスク(英語版)でマスタリングした[5]。
このアルバムは、『ビルボード』誌のアルバム・チャート Billboard 200 において1975年9月27日付で最高位の2位となったが、ジェファーソン・スターシップの『レッド・オクトパス (Red Octopus)』に阻まれて首位には達しなかった[6]。さらに本作は、バンドにとって3枚目となる、Soul/Black Albums チャートの首位に立ったアルバムとなり、首位には3週間とどまった。
リリースの経緯
通常の2チャンネル・ステレオのバージョンとは別に、4チャンネルステレオのバージョンが1975年にリリースされた[7]。このバージョンは、アメリカ合衆国では8トラック・テープとして出回ったが[7]、これはオハイオ・プレイヤーズの音源で、このフォーマットが出回った5作中の4作目であった。4チャンネルステレオのバージョンは、2001年にDTSミュージック・ディスク(英語版)でリイシューされた[8]。
トラックリスト
Side one全作詞・作曲: James Williams、Clarence Satchell、リロイ・ボナー(英語版)、Marshall Jones、Ralph Middlebrooks、Marvin Pierce、William Beck。 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲・編曲 | 時間 |
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1. | 「ハニー (Honey)」 | James Williams、Clarence Satchell、リロイ・ボナー(英語版)、Marshall Jones、Ralph Middlebrooks、Marvin Pierce、William Beck | James Williams、Clarence Satchell、リロイ・ボナー(英語版)、Marshall Jones、Ralph Middlebrooks、Marvin Pierce、William Beck | |
2. | 「ホップ (Fopp)」 | James Williams、Clarence Satchell、リロイ・ボナー(英語版)、Marshall Jones、Ralph Middlebrooks、Marvin Pierce、William Beck | James Williams、Clarence Satchell、リロイ・ボナー(英語版)、Marshall Jones、Ralph Middlebrooks、Marvin Pierce、William Beck | |
3. | 「レッツ・ラブ (Let's Love)」 | James Williams、Clarence Satchell、リロイ・ボナー(英語版)、Marshall Jones、Ralph Middlebrooks、Marvin Pierce、William Beck | James Williams、Clarence Satchell、リロイ・ボナー(英語版)、Marshall Jones、Ralph Middlebrooks、Marvin Pierce、William Beck | |
4. | 「エイント・ギブン・アップ・ノー・グラウンド (Ain't Givin' Up No Ground)」 | James Williams、Clarence Satchell、リロイ・ボナー(英語版)、Marshall Jones、Ralph Middlebrooks、Marvin Pierce、William Beck | James Williams、Clarence Satchell、リロイ・ボナー(英語版)、Marshall Jones、Ralph Middlebrooks、Marvin Pierce、William Beck | |
なお、曲名中の単語「Love」は、後年のリイシューCD盤などでは「ラブ」ではなく「ラヴ」と音写されている場合がある[9]。
パーソネル
プロダクション
収録曲のカバー
チャート
- シングル
脚注
関連項目
外部リンク