『ナイン・ストーリーズ』(Nine Stories)は、J・D・サリンジャーの自選短編集。短編小説9編が収録されている。1953年4月6日にリトル・ブラウン社で刊行された。訳題は『九つの物語』でも刊行。
サリンジャーが雑誌に発表した短編作は多いが、本作のみが単行本として刊行された短編集である[1]。扉には「両手の鳴る音は知る 片手の鳴る音はいかに?」という有名な禅の公案「隻手の声」が引用されている。
収録作品
日本語訳
- 『J.D.サリンジャー作品集』(繁尾久・武田勝彦共訳、文建書房、1964年)- グーテンベルク21(電子書籍で再刊)、2022年
- バナナフィッシュ / 女ごころ / エスキモーとの戦い / 奇面の男 / 小舟にて / エズメのために / 男ごころ / 画家と修道女 / テディ
- 別版『サリンジャー選集(4) 九つの物語 / 大工達よ、屋根の梁を高く上げよ』(荒地出版社、1968年、新版1990年ほか)- 後者「大工~」は滝沢寿三訳
- バナナフィッシュに最良の日 / コネチカットのウィグリおじさん / エスキモーと戦う前に / 笑っている男 / 小舟にて / エズメのために――愛と汚れ / 美しき口もと、ひとみはみどり / ド・ドミエ・スミスの青の時代 / テディ
- 『バナナ魚日和』(沼沢洽治訳、講談社、1973年 / 『九つの物語』、講談社文庫、1980年)
- バナナ魚日和 / コネティカットのひょこひょこウサギ / 対エスキモー戦開戦前夜 / 笑い男 / 小舟での出来事 / エズメに――愛と汚れをこめて / 我が人の口愛らしく目は緑 / ド・ドミエ=スミスの青の時代 / テディー
- 『ナイン・ストーリーズ』(野崎孝訳、新潮文庫、1974年、改版1992年)
- バナナフィッシュにうってつけの日 / コネティカットのひょこひょこおじさん / 対エスキモー戦争の前夜 / 笑い男 / 小舟のほとりで / エズミに捧ぐ――愛と汚辱のうちに / 愛らしき口もと目は緑 / ド・ドーミエ=スミスの青の時代 / テディ
- 『九つの物語』(中川敏訳、集英社文庫、1977年、改版2007年)
- バナナフィッシュに最適の日 / コネチカットのよろめき叔父さん / 対エスキモー戦まぢか / 笑い男 / 小舟のところで / エズメのために――愛と惨めさをこめて / 愛らしき口もと目はみどり / ド・ドーミエ=スミスの青の時代 / テディー
- 『九つの物語』(鈴木武樹訳、角川文庫、1971年 / 東京白川書院「サリンジャー作品集3」、1981年)
- バナナ魚にはもってこいの日 / コネチカットのグラグラカカ父さん / エスキモーとの戦争の直前に / 笑い男 / 下のヨットのところで / エズメのために――愛と背徳をこめて / 美しき口に、緑なりわが目は / ド・ドミエ=スミスの青の時代 / テディ
- 『ナイン・ストーリーズ』(柴田元幸訳、ヴィレッジブックス[3]、2009年、文庫版・2012年/河出文庫、2024年)
- バナナフィッシュ日和 / コネチカットのアンクル・ウィギリー / エスキモーとの戦争前夜 / 笑い男 / ディンギーで / エズメに――愛と悲惨をこめて / 可憐なる口もと 緑なる君が瞳 / ド・ドーミエ=スミスの青の時代 / テディ
注釈
- ^ 未収録短編は、日本では全集として出版されている。
- ^ 野崎訳に基づく
- ^ 季刊雑誌『モンキービジネス』vol.3(サリンジャー号)、vol3.5(ナイン・ストーリーズ号)先行掲載
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