デーヴァーンタカ(梵: देवान्तक, Devāntaka)は、インド神話に登場するラークシャサである。ラークシャサの王ラーヴァナと第2の妻ダニヤマーリニーの息子で、アティカーヤ、ナラーンタカ、トリシラスと兄弟[1]。異母兄弟にインドラジット、アクシャがいる。アヨーディヤーの王子ラーマとの戦争ではアンガダおよびハヌマーンと戦った[1][2]。
神話
王子ナラーンタカとデーヴァーンタカ、重臣マホーダラとマハーパールシュヴァらは、トリシラスの言葉に励まされて、クムバカルナ戦死の悲報から立ち直り、出撃した。デーヴァーンタカは戦場では金箔を張った巨大な鉄棒で戦った。しかし兄弟のナラーンタカがアンガダに討たれると、デーヴァーンタカをはじめトリシラス、マホーダラは激怒してアンガダを攻撃した。しかしアンガダは少しもひるまず、マホーダラが騎乗する戦象を一撃で倒して、牙を抜き取り、それを棍棒代わりにしてデーヴァーンタカを殴りつけた。デーヴァーンタカはしばし眩暈に襲われたが、回復するとすぐに鉄棒で反撃し、アンガダを気絶させ、アンガダが起き上がるとトリシラスが矢を射かけた。彼らはアンガダを窮地に陥れたが、ハヌマーンとニーラが助けに駆け付けた。ハヌマーンが怒号とともにデーヴァーンタカの頭を殴ると、顔から眼球と舌が飛び出し、絶命した[1][2]。
脚注
参考文献
- 『ラーマーヤナ 世界文学全集III-2』阿部知二訳、講談社、1966年。