ティピカヌー郡 (英 : Tippecanoe County 、 tip-ee-kə-noo )は、アメリカ合衆国 インディアナ州 の西部に位置する郡 である。1826年にウォバッシュ郡 から分離して設立された[ 1] 。人口は18万6251人(2020年)[ 2] 。郡庁所在地 はラファイエット (地元での発音はラーフィーエット、、lah-fee-YET 、人口67,140人[ 3] )であり、同郡で人口最大の都市である。
ティピカヌー郡はラファイエット都市圏 に属している。
歴史
ティピカヌー郡は1826年3月1日に設立され、マイアミ語で「サカーフィッシュ族の場所」を意味する"Kethtippecanoogi"を英語化して郡名が付けられた[ 4] 。ティッペカヌーの戦い やパデュー大学 で知られている。1881年に建設された郡庁舎はアメリカ合衆国国家歴史登録財 に指定されている。
地理
アメリカ合衆国国勢調査局 に拠れば、郡域全面積は503.24平方マイル (1,303.4 km2 )であり、このうち陸地499.81平方マイル (1,294.5 km2 )、水域は3.44平方マイル (8.9 km2 )で水域率は0.68%である[ 5] 。
交通
サウスローブの町に近づく貨物列車、ランドルフ郡区とウィー郡区の境付近
主要高規格道路
インディアナ州道25号線
インディアナ州道26号線
インディアナ州道28号線
インディアナ州道38号線
インディアナ州道43号線
鉄道
ティピカヌー郡内では3つの鉄道路線が交差しており、すべてラファイエット市の地域を通っている。CSXトランスポーテーション が南北に走り、カンカキー・ビーバービル・アンド・サザン鉄道が北西から南東に走り、ノーフォーク・サザン鉄道 は南西のファウンテン郡 とウォーレン郡 から、北東のデルフィとその先まで伸びている[ 6] 。
空港
ティピカヌー郡にはウェストラファイエット にある公共用途空港のパデュー大学空港(LAF)がある[ 7] 。
隣接する郡
気候と気象
ラファイエット
雨温図 (説明 )
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
気温(°F )
総降水量(in) 出典:The Weather Channel[ 8]
メートル 換算
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
気温(°C )
総降水量(mm)
近年、郡庁所在地であるラファイエット市の平均気温は1月の17°F (-8 ℃) から7月の86°F (30 ℃) まで変化している。過去最低気温は1985年1月に記録された-23°F (-31 ℃) であり、過去最高気温は1988年6月に記録された105°F (41 ℃) である。月間降水量は2月の1.58インチ (40 mm) から6月の4.24インチ (108 mm) まで変化している[ 8] 。
郡政府
郡政府は憲法による政体であり、インディアナ州憲法とインディアナ州法典によって特別の権力を認められている。
郡政委員会
郡政委員会は郡政府の立法府であり、郡の歳出や歳入を管理している。委員は郡内の選挙区から選出され、任期は4年間である。給与、年間予算、特別支出を設定する責任がある。郡レベルで所得税や資産税、消費税、サービス税を課する限定付き権限があるが、所得税と資産税は州の承認を要する[ 9] [ 10] 。
行政委員会
行政委員会は郡政府の行政府である。委員は郡全体を選挙区に選出され、任期は4年間で2年毎に半数が改選される。委員の一人、通常は最も経験のある者が議長になる。行政委員会は郡政委員会が決めた法を実行し、税金を集め、郡政府の日々の機能を管理する責任がある[ 9] [ 10] 。
郡裁判所
郡は幾らかの民事訴訟を扱うことのできる小規模裁判所を維持している。判事は4年間任期で選出され、インディアナ州法廷弁護士協会の会員でなければならない。判事を補助するのがコンスタブルと呼ばれる法執行官であり、やはり4年間任期で選出される。特定の事件における判決に対しては、州レベルの巡回裁判所に控訴できる[ 10] 。
郡政府役人
上記以外に、保安官、検視官、監査官、財務官、登記官、測量士および巡回裁判所事務官が選挙で選ばれている。任期は4年間であり、郡政府の異なる部門を監督している。郡政府に選ばれる役人は支持政党を公にすることが求められ、また郡の住人でなければならない[ 10] 。
政治
ティピカヌー郡はインディアナ州全体と同様に昔から政治的には保守的であるが、2005年から2009年にかけて国政レベルでは保守から中道に急速に動いてきた。パデュー大学が郡内にあることで、州内では最も進歩的な郡になりつつある。
2008年の民主党予備選挙では、バラク・オバマ を過半数で支持した州内10郡の1つになった[ 11] 。同年の大統領選挙でもオバマとバイデン の組み合わせを選んだ州内15郡の1つだった。数の多いパデュー大学学生の影響もあり、郡内ではオバマに55.1%、マケイン に43.5%という支持率となり、これがインディアナ州の接戦(オバマ49.9%対マケイン49.0%)を制する大きな要因になった。
大統領選挙の結果 1960年-2008年 (大統領当選者を(W)、インディアナ州勝者は(I)、ティピカヌー郡の勝者は太字体で示す)
年
民主党
共和党
その他
2008年
(W)(I) オバマ/バイデン 55.1% 37,781
マケイン/ポーリン 43.5% 29,822
2004年
ケリー/エドワーズ 39.8% 20,818
(W)(I) G・W・ブッシュ/チェイニー 59% 30,897
2000年
ゴア/リーバーマン 39.4% 18,220
(W)(I) G・W・ブッシュ/チェイニー 56.4% 26,106
1996年
(W) クリントン/ゴア 39.9% 17,232
(I) ドール/ケンプ 49.5% 22,556
ペロー 11.8% 5,394
1992年
(W) クリントン/ゴア 37.2% 17,343
(I) G・ブッシュ/クエール 42.8% 23,050
ペロー 19.2% 9,684
1988年
デュカキス/ベンツェン 36.6% 16,256
(W)(I) G・ブッシュ/クエール 62.9% 27,897
1984年
モンデール/フェラーロ 34.4% 15,789
(W)(I) レーガン/G・ブッシュ 64.8% 29,706
1980年
カーター/モンデール 30.2% 14,636
(W)(I) レーガン/G・ブッシュ 56.9% 27,589
アンダーソン 10.6% 5,141
1976年
(W) カーター/モンデール 37.5% 17,850
(I) フォード/ドール 59.7% 29,186
1972年
マクガヴァン/シュライバー 31.5% 14,598
(W)(I) ニクソン/アグニュー 68.1% 31,565
1968年
ハンフリー/マスキー 35.5% 14,528
(W)(I) ニクソン/アグニュー 59.4% 24,352
ウォレス 4.9% 2,000
1964年
(W)(I) L・ジョンソン/ハンフリー 51.5% 20,257
ゴールドウォーター/ミラー 48.3% 19,036
1960年
(W) ケネディ/L・ジョンソン 36.3% 14,041
(I) ニクソン/ロッジ 63.5% 24,572
人口動態
人口推移
年
人口
%±
1830 7,187 —
1840 13,724 91.0% 1850 19,377 41.2% 1860 25,726 32.8% 1870 33,515 30.3% 1880 35,966 7.3% 1890 35,078 −2.5% 1900 38,659 10.2% 1910 40,063 3.6% 1920 42,813 6.9% 1930 47,535 11.0% 1940 51,020 7.3% 1950 74,473 46.0% 1960 89,122 19.7% 1970 109,378 22.7% 1980 121,702 11.3% 1990 130,598 7.3% 2000 148,955 14.1% 2010 172,780 16.0% 2020 186,251 7.8% Source: United States Department of Commerce,Bureau of the Census, Population Division[ 12]
以下は2000年の国勢調査 による人口統計データである。
基礎データ
人口: 148,955人
世帯数: 55,2265 世帯
家族数: 32,417 家族
人口密度 : 115人/km2 (298人/mi2 )
住居数: 58,343軒
住居密度: 45軒/km2 (117軒/mi2 )
人種別人口構成
先祖による構成
ドイツ系:25.1%
アメリカ人:13.7%
アイルランド系:9.4%
イギリス系:9.1%
年齢別人口構成
18歳未満: 20.9%
18-24歳: 25.4%
25-44歳: 27.1%
45-64歳: 17.4%
65歳以上: 9.1%
年齢の中央値: 27歳
性比(女性100人あたり男性の人口)
世帯と家族 (対世帯数)
18歳未満の子供がいる: 28.5%
結婚・同居している夫婦: 46.9%
未婚・離婚・死別女性が世帯主: 8.3%
非家族世帯: 41.3%
単身世帯: 28.0%
65歳以上の老人1人暮らし: 7.4%
平均構成人数
収入
収入と家計
収入の中央値
世帯: 38,6521米ドル
家族: 51,791米ドル
性別
男性: 37,606米ドル
女性: 25,142米ドル
人口1人あたり収入: 19,375米ドル
貧困線 以下
対人口: 15.4%
対家族数: 7.3%
18歳未満: 12.1%
65歳以上: 4.3%
ラファイエット市とウェストラファイエット市のウォバッシュ川に沿った郡庁舎と周辺建物群
バトルグラウンドの町を北東に望む
郡区
ティピカヌー郡は下記13の郡区に分割されている。
フェアフィールド
ジャクソン
ローラミー
ペリー
ランドルフ
シェフィールド
シェルビー
ティピカヌー
ユニオン
都市と町
Incorporated
未編入の町
廃村
ビービル
ショーンシー(ウェストラファイエットに統合)
コーウィン
コンロー
グレンホール
グランビル
ヒース
プレーリービル
ハリソンビル(バトルグラウンドに統合)
キングストン(ウェストラファイエットに統合)
モニター
ノースクレーン
ウィアトノン
サウスローブ
テイラー
ワイアンドット
ヨークタウン
教育
ティピカヌー郡の公共教育はティピカヌー学校法人が管轄しているが、ラファイエット学校法人あるいはウェストラファイエット学校法人が各市内の学校を管理している。
大学とカレッジ
経済
ティピカヌー郡の経済は人口が多いラファイエット市とウェストラファイエット市の2つの町に集中している。パデュー大学が郡内最大の雇用主である。民間の工業や商業も存在している。主な雇用主としては、ラファイエット市にあるスバル・インディアナ自動車、キャタピラー社、フェアフィールド・マニュファクチャリング、セントエリザベス医療センター、アルコア・ラファイエット、イーライ・リリー、ウェストラファイエットにあるサガモア・ビレッジ・エステーツ、ステートファーム ・オペレーションズ・センターがある。
脚注
^ DeHart 1909, p. 151.
^ “Quickfacts.census.gov ”. 17 Nov 2023 閲覧。
^ Quickfacts.census.gov - Lafayette, Indiana Archived 2012年8月4日, at WebCite - accessed 2011-12-06.
^ Kriebel, Robert C. - Tippecanoe at 2000: A Hoosier County Recalls Its Past
^ “Census 2010 U.S. Gazetteer Files: Counties ”. United States Census. 2011年11月5日 閲覧。
^ “Indiana Railroads ” (PDF). Indiana Department of Transportation (2008年). 2010年12月11日 閲覧。
^ Public and Private Airports, Tippecanoe County, Indiana
^ a b “Monthly Averages for Lafayette, Indiana ”. The Weather Channel. 2011年1月27日 閲覧。
^ a b Indiana Code. “Title 36, Article 2, Section 3 ”. IN.gov. 2008年9月16日 閲覧。
^ a b c d Indiana Code. “Title 2, Article 10, Section 2 ”. IN.gov. 2008年9月16日 閲覧。
^ “Election Center 2008: Primary Results - Elections & Politics news from CNN.com” . CNN . https://edition.cnn.com/ELECTION/2008/primaries/results/state/#IN May 25, 2010 閲覧。
^ Forstall, Richard L. (editor) (1996). Population of states and counties of the United States: 1790 to 1990 : from the twenty-one decennial censuses . United States Department of Commerce, Bureau of the Census, Population Division. ISBN 0-934213-48-8
^ [1]
^ [2]
参考文献
外部リンク
座標 : 北緯40度23分 西経86度53分 / 北緯40.39度 西経86.89度 / 40.39; -86.89