ジェド・ラウリー

ジェド・ラウリー
Jed Lowrie
オークランド・アスレチックス時代
(2017年8月22日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オレゴン州セイラム
生年月日 (1984-04-17) 1984年4月17日(40歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
190 lb =約86.2 kg
選手情報
投球・打席 右投両打
ポジション 遊撃手二塁手三塁手
プロ入り 2005年 MLBドラフト1巡目追補
初出場 2008年4月15日
最終出場 2022年8月7日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ジェド・カールソン・ラウリーJed Carlson Lowrie , 1984年4月17日 - )は、アメリカ合衆国オレゴン州セイラム出身の元プロ野球選手内野手)。右投両打。

経歴

プロ入り前

スタンフォード大学時代の2004年にはPac-10の年間最優秀選手賞を受賞、さらにベースボールアメリカルイビルスラッガーそしてスポーツウィークリー各誌で全米オールスターのファーストチーム選手に選出。2005年にもベースボールアメリカ、ルイビルスラッガー、全米大学野球記者協会から全米オールスターのファーストチーム選手に選出された。

プロ入りとレッドソックス時代

ボストン・レッドソックス時代
(2011年5月16日)

2005年MLBドラフト1巡目追補(全体45位)でボストン・レッドソックスから指名され、プロ入り。

レッドソックス入団後は2005年から2007年にかけてマイナーで過ごし、2007年にはAA級のイースタンリーグのオールスターチームに選出。傘下のAA級ポートランド・シードッグス最優秀選手、レッドソックス・マイナーリーグ最優秀攻撃選手にも選ばれた。シーズン終盤にはAAA級ポータケット・レッドソックスに昇格。ベースボールアメリカが選ぶインターナショナルリーグ有望株ランクでは20位中5位にランクインした。

2008年は開幕をマイナーで迎えたが、4月10日にレッドソックスの正三塁手マイク・ローウェル故障者リスト入りしたためメジャー初昇格を果たす。4月15日のクリーブランド・インディアンス戦でメジャー初出場を果たした。三塁手としてスタメン出場。併殺崩れの間に初打点を挙げ、さらに次の打席では2点タイムリーヒットを放ち、初安打も記録した。また2008年のロサンゼルス・エンゼルスとのディビジョンシリーズでは、第4戦でサヨナラ安打を打ち、チームのリーグチャンピオンシップシリーズ進出に貢献した。

2009年は、メジャーリーグで5試合に出場しただけで手首を故障し、復帰の為のリハビリも時間がかかったので[1]、最終的には32試合の出場で打率.147、2本塁打、11打点という成績に終わった。しかし、安打数は10ながらも二塁打と本塁打を2本ずつ放った。

2010年は、スプリングトレーニング中に伝染性単核球症にかかった影響で、7月下旬まで故障者リスト入りする羽目になった[2]。しかし、復帰してからは49安打中、二塁打14本と本塁打9本(全安打の約47%が長打)を記録した。また、四球と三振の数が同じ(どちらも25)だった。

2011年は開幕直後は好調だったが、その後は故障もあって失速し、定位置獲得はならなかった。

アストロズ時代

ヒューストン・アストロズ時代
(2012年7月2日)

2011年12月14日にマーク・マランソンとのトレードで、カイル・ウェイランド英語版と共にヒューストン・アストロズへ移籍した[3]

2012年2月8日にアストロズと115万ドル+出来高の1年契約に合意[4][5]。4月6日に15日間の故障者リスト入りし[6]、4月12日に復帰した[7]。復帰後は遊撃手の定位置を獲得し、80試合に出場していたが、7月15日に右足首の故障で15日間の故障者リスト入りした[8]。9月11日に復帰した。この年は97試合に出場して打率.244、16本塁打、42打点、2盗塁を記録した。

アスレチックス時代

オークランド・アスレチックス時代
(2013年8月24日)

2013年2月4日にクリス・カーターブラッド・ピーコックマックス・スタッシとの2対3のトレードで、フェルナンド・ロドリゲスと共にオークランド・アスレチックスへ移籍した[9]。この年は主に遊撃手として自己最多の154試合に出場し、自己ベストの打率.290・2年連続15本以上となる15本塁打・自己ベストの75打点を叩き出した。また、アメリカンリーグ2位の45二塁打を放った。

2014年1月17日にアスレチックスと525万ドルの1年契約に合意した[10][11]。開幕から正遊撃手として起用されていたが、8月15日に右人差し指の故障で15日間の故障者リスト入りし[12]、9月1日に復帰[13]。この年は136試合に出場したが、打率.249、6本塁打に終わった。オフの10月30日にFAとなった。

アストロズ復帰

ヒューストン・アストロズ時代
(2015年8月25日)

2014年12月15日に古巣のアストロズと総額2300万ドルの3年契約(2018年・2800万ドルの球団オプション付き)を結んだ[14][15]

2015年は、新人カルロス・コレアの台頭やマーウィン・ゴンザレスの成長などもあり、69試合の出場に留まった。打撃不振に陥り、打率.222、9本塁打、30打点という成績に終わった。

アスレチックス復帰

2015年11月25日にブレンダン・マッカリー英語版とのトレードで、アスレチックスへ移籍した[16]

2016年二塁手のレギュラーとして起用されたが、8月に左脚の手術を受け、その後の出場はなかった[17]。この年は87試合に出場し、打率.263、2本塁打、27打点に終わった。

2017年9月29日のテキサス・レンジャーズ戦でシーズン48個目の二塁打を記録し、球団がオークランド移籍後では2001年ジェイソン・ジアンビのシーズン48二塁打の球団記録を更新して、球団新記録となった[18]。9月27日に球団の選手・コーチ・スタッフが球団で最も印象的だった選手を表彰するキャットフィッシュ・ハンター賞を受賞した[19]

2018年は前半戦、89試合に出場して打率.288、16本塁打、62打点の好成績を買われ、故障で辞退のグレイバー・トーレスに代わってオールスターに初選出された[20]。オフの10月29日にFAとなった[21]

メッツ時代

2019年1月16日にニューヨーク・メッツと2年総額2000万ドルの契約を結んだ[22]

2020年オフの10月28日にFAとなった[23]

2度目のアスレチックス復帰

2021年2月10日にアスレチックスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[24]。シーズン開幕日の4月1日にメジャー契約を結んで40人枠入りした[25]。この年は139試合に出場して打率.245、14本塁打、69打点、2盗塁を記録した。オフの11月3日にFAとなったが、2022年3月27日に単年契約で再契約した[26]

2022年は故障もあって開幕から成績が上がらず、月間打率が4月は.200、5月は.225、6月は.081という極度の不振に陥った[27]。マイナー降格を経て8月2日にメジャーに復帰したが、4試合に出場して16打数2安打という結果に終わり[27]、8月10日にDFAとなり、8月11日に自由契約となった[21]

2023年3月23日、自身のSNS上で現役引退を発表した[28][29]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2008 BOS 81 306 260 34 67 25 3 2 104 46 1 0 2 8 35 0 1 68 8 .258 .339 .400 .739
2009 32 76 68 5 10 2 0 2 18 11 0 0 0 2 6 0 0 20 0 .147 .211 .265 .475
2010 55 197 171 31 49 14 0 9 90 24 1 1 0 0 25 0 1 25 2 .287 .381 .526 .907
2011 88 341 309 40 78 14 4 6 118 36 1 1 1 6 23 2 2 60 6 .252 .303 .382 .685
2012 HOU 97 387 340 43 83 18 0 16 149 42 2 0 0 2 43 0 2 65 3 .244 .331 .438 .769
2013 OAK 154 662 603 80 175 45 2 15 269 75 1 0 3 4 50 3 2 91 17 .290 .344 .446 .791
2014 136 566 502 59 125 29 3 6 178 50 0 0 2 6 51 5 5 79 14 .249 .321 .355 .676
2015 HOU 69 263 230 35 51 14 0 9 92 30 1 0 0 2 28 5 3 43 3 .222 .312 .400 .712
2016 OAK 87 369 338 30 89 12 1 2 109 27 0 0 0 4 26 0 1 65 10 .263 .314 .322 .637
2017 153 645 567 86 157 49 3 14 254 69 0 1 0 3 73 2 2 79 10 .277 .360 .448 .808
2018 157 680 596 78 159 37 1 23 267 99 0 0 0 3 78 1 3 128 8 .267 .353 .448 .801
2019 NYM 9 8 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 4 0 .000 .125 .000 .125
2021 OAK 139 512 457 55 112 28 0 14 182 69 0 0 0 4 49 1 2 108 8 .245 .318 .398 .717
2022 50 184 167 14 30 5 0 3 44 16 1 0 0 2 15 0 0 39 5 .180 .245 .263 .508
MLB:14年 1307 5196 4615 590 1185 292 17 121 1874 594 8 3 8 46 503 19 24 895 94 .257 .330 .406 .736

年度別守備成績



一塁(1B) 二塁(2B) 三塁(3B) 遊撃(SS)
















































2008 BOS - 3 2 4 0 0 1.000 45 16 59 2 8 .974 49 46 109 0 21 1.000
2009 - 2 0 0 0 0 .--- 4 1 4 0 0 1.000 26 22 52 1 16 .987
2010 7 10 2 1 2 .923 28 44 78 3 14 .976 1 0 1 0 0 1.000 23 26 46 1 17 .986
2011 4 12 0 0 0 1.000 1 0 2 0 0 1.000 33 28 64 5 5 .948 49 59 112 10 22 .945
2012 HOU - - - 93 102 284 8 48 .980
2013 OAK - 24 33 36 2 10 .972 - 119 139 266 16 56 .962
2014 - - - 130 146 344 13 71 .974
2015 HOU - - 47 25 60 3 1 .966 17 21 53 0 6 1.000
2016 OAK - 82 141 235 6 60 .984 - 2 0 1 0 0 1.000
2017 - 136 199 344 5 98 .991 1 0 1 0 0 1.000 -
2018 - 136 194 336 4 73 .993 14 10 22 0 1 1.000 -
2021 OAK - 71 80 125 3 18 .986 1 2 0 0 0 1.000 -
2022 3 28 1 0 1 1.000 2 3 8 0 2 1.000 - -
MLB 14 50 3 1 3 .981 485 696 1167 23 275 .988 146 82 211 10 15 .967 508 561 1267 49 257 .974
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

  • キャットフィッシュ・ハンター賞:1回(2017年)

記録

背番号

  • 12(2008年 - 2011年)
  • 4(2012年、2019年)
  • 8(2013年 - 2018年、2021年 - 2022年)

脚注

  1. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2010』廣済堂出版、2010年、66頁。ISBN 978-4-331-51439-9 
  2. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2011』廣済堂出版、2011年、79頁。ISBN 978-4-331-51518-1 
  3. ^ Tim Dierkes (2011年12月14日). “Red Sox Acquire Melancon For Lowrie, Weiland” (英語). MLB Trade Rumors. 2015年11月26日閲覧。
  4. ^ “Astros, Lowrie agree to terms on contract” (英語). Astros Press Release. (2012年2月8日). http://m.astros.mlb.com/news/article/26621290/astros-lowrie-agree-to-terms-on-contract 2015年11月26日閲覧。 
  5. ^ Brian McTaggart (2012年2月9日). “Astros agree on one-year deal with Lowrie” (英語). MLB.com. 2015年11月26日閲覧。
  6. ^ “Astros Place Lowrie on Disabled List” (英語). Astros Press Release. (2012年4月6日). http://m.astros.mlb.com/news/article/28013224/ 2015年11月26日閲覧。 
  7. ^ “Jed Lowrie To Be Reinstated From Dl, Brian Bixler Optioned To Triple A” (英語). Astros Press Release. (2012年4月12日). http://m.astros.mlb.com/news/article/28512382/ 2015年11月26日閲覧。 
  8. ^ Astros Place Castro, Lowrie on DL” (英語). MLB.com (2012年7月16日). 2015年11月26日閲覧。
  9. ^ “A's acquire Jed Lowrie from Astros” (英語). ESPN. Associated Press. (2013年2月6日). http://espn.go.com/mlb/story/_/id/8915070/jed-lowrie-traded-oakland-five-player-deal 2015年11月26日閲覧。 
  10. ^ “A's Agree to Terms with Four Players on One-Year Contracts” (英語). Athletics Press Release. (2014年1月17日). http://m.athletics.mlb.com/news/article/66789504 2015年11月26日閲覧。 
  11. ^ Greg Johns (2014年1月17日). “A's close book on arbitration with all but Reddick” (英語). MLB.com. 2015年11月26日閲覧。
  12. ^ “A's Place IF Lowrie on 15-Day DL; Recall IF Parrino from Triple-A Sacramento” (英語). A's Press Release. (2014年8月15日). http://m.athletics.mlb.com/news/article/89739844/as-place-if-lowrie-on-15-day-dl-recall-if-parrino-from-triple-a-sacramento 2015年11月26日閲覧。 
  13. ^ A's Reinstate Lowrie from the DL; Add Three Players from Sacramento” (英語). MLB.com (2014年9月2日). 2015年11月26日閲覧。
  14. ^ “Astros agree to terms with free agent Jed Lowrie on 3-year deal” (英語). Astros Press Release. (2014年12月15日). http://m.astros.mlb.com/news/article/104138794/astros-agree-to-terms-with-free-agent-jed-lowrie-on-3-year-deal 2015年11月26日閲覧。 
  15. ^ Brian McTaggart (2014年12月16日). “Astros sign Lowrie to 3-year deal” (英語). MLB.com. 2015年11月26日閲覧。
  16. ^ Jane Lee (2015年11月25日). “A's strike deal with Astros to bring back Lowrie” (英語). MLB.com. 2015年11月26日閲覧。
  17. ^ Jeff Todd (2016年8月15日). “Jed Lowrie To Undergo Season-Ending Surgery” (英語). MLB Trade Rumors. 2016年11月20日閲覧。
  18. ^ Nunez's first career HR not enough for A's MLB.com (英語) (2017年9月30日) 2017年11月5日閲覧
  19. ^ Hendriks, Lowrie win A's team awards MLB.com (英語) (2017年9月27日) 2017年11月5日閲覧
  20. ^ アスレチックス ベテランのローリーが球宴初選出 DL入りトーレスの代役”. スポーツニッポン (2018年7月28日). 2019年2月23日閲覧。
  21. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2023年3月26日閲覧。
  22. ^ Mark Bowman (2019年1月16日). “Source: Mets land Jed Lowrie on 2-year deal” (英語). MLB.com. 2019年2月23日閲覧。
  23. ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月16日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月18日閲覧。
  24. ^ Steve Adams (2021年2月10日). “Athletics Sign Jed Lowrie To Minor League Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年4月28日閲覧。
  25. ^ Steve Adams (2021年4月1日). “A’s Select Jed Lowrie, Place Trevor Rosenthal On IL, Designate Skye Bolt” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年4月28日閲覧。
  26. ^ Martin Gallegos (2022年3月27日). “Lowrie returns: 'I was hoping to come back'” (英語). MLB.com. 2022年6月11日閲覧。
  27. ^ a b Jed Lowrie 2022 Batting Splits”. Baseball-Reference.com. 2023年3月26日閲覧。
  28. ^ Steve Adams (2023年3月23日). “Jed Lowrie Announces Retirement”. MLB Trade Rumors. 2023年3月26日閲覧。
  29. ^ Jed Lowrie [@jed.lowrie] (2023年3月23日). "🙏". Instagramより2023年3月26日閲覧

関連項目

外部リンク