シュワスマン・ワハマン第1彗星(‐すいせい、シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星。英語: 29P/Schwassmann-Wachmann、Schwassmann-Wachmann 1、略称:SW1)は1927年11月15日にアルノルト・シュヴァスマンとアルノ・ヴァハマンがドイツのハンブルク天文台で発見した彗星である[1]。発見されたときは13等でアウトバースト(急激な増光)の最中であった。1931年には発見より前の1902年3月4日に撮影された画像に12等で写ったシュワスマン・ワハマン第1彗星が発見された[1]。核は直径60.4 ± 7.4 kmと推定されている[4]。
アウトバースト
この彗星は通常は16等であり、1 - 5等ほど光度が大きくなるアウトバーストを起こす点で特異的である。アウトバーストは年に7.3回の頻度で起こる[5]。2021年1月14日にも16.6等から15.0等へのアウトバーストが観測され、年に7.3回という頻度にも合った結果であった[6]。
アウトバーストは2010年から2014年の間では平均で57日に1回起こっており、シュワスマン・ワハマン第1彗星の核には氷の火山があり、自転周期も57日と遅い可能性がある[7]。
ケンタウルス族
シュワスマン・ワハマン第1彗星は、木星軌道の少し外側で、円軌道に近い楕円軌道を描いている。これはケンタウルス族の小惑星に特徴的な軌道である。ケンタウルス族の天体は、近年エッジワース・カイパーベルトから侵入してきた天体である。ケンタウルス族の他の天体である2020 MK4は軌道が類似し、シュワスマン・ワハマン第1彗星に接近してコマを通過した可能性がある[8]。
ギャラリー
脚注
- ^ a b c d Kronk, Gary W.. “29P/Schwassmann-Wachmann 1”. cometography.com. 2022年1月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “29P/Schwassmann-Wachmann 1”. Small-Body Database Lookup. Jet Propulsion Laboratory. 2022年1月18日閲覧。
- ^ a b “29P/Schwassmann-Wachmann”. 木下一男 (2017年10月12日). 2022年1月19日閲覧。
- ^ Schambeau, Charles A.; Fernández, Yanga R.; Lisse, Carey M.; Samarasinha, Nalin; Woodney, Laura M. (2015). “A new analysis of Spitzer observations of Comet 29P/Schwassmann-Wachmann 1”. Icarus 260: 60-72. arXiv:1506.07037. Bibcode: 2015Icar..260...60S. doi:10.1016/j.icarus.2015.06.038.
- ^ King, Bob (2021年9月29日). “Catch one of the most active small bodies in the solar system during a rare superoutburst.”. Sky and Telescope. 2022年1月19日閲覧。
- ^ “Outburst of comet 29P/Schwassmann-Wachmann 1”. The Astronomer's Telegram (2021年1月15日). 2022年1月19日閲覧。
- ^ Miles, Richard (2016). “Discrete sources of cryovolcanism on the nucleus of Comet 29P/Schwassmann-Wachmann and their origin”. Icarus 272: 387-413. Bibcode: 2016Icar..272..387M. doi:10.1016/j.icarus.2015.11.011.
- ^ de la Fuente Marcos, C.; de la Fuente Marcos, R.; Licandro, J. et al. (2021). “The active centaur 2020 MK4”. Astronomy & Astrophysics 649 (A85): 15 pp. arXiv:2104.01668. Bibcode: 2021A&A...649A..85D. doi:10.1051/0004-6361/202039117.
外部リンク