『クルードさんちのあたらしい冒険』(原題: The Croods: A New Age)は2020年に公開されたアメリカ合衆国のアニメーション映画である。監督はジョエル・クロフォード、主演はニコラス・ケイジが務めた。本作は映画『クルードさんちのはじめての冒険』(2013年)の続編でもある。
本作は日本国内で劇場公開されなかったが、2021年12月22日にDVDが発売された[3]。
あらすじ
先史時代。ガイの両親はタールの沼地にハマって動けなくなってしまった。助からないことを悟った両親は「この世界のどこかにお前にとっての「明日」があるはずだ。それを探すんだ」とガイに告げ、そのまま沼の底へと沈んでいった。悲しみに暮れるガイだったが、両親の言いつけ通りに「明日」を探す旅に出た。その旅の途中で、ガイはクルード一家と出会ったのであった
クルード一家はなおも定住先を求めて各地を放浪していた。ガイは家長グラグの娘、イープと恋仲になったが、グラグはそれを快く思っていなかった。そんなある日の夜、グラグは高い壁に囲まれた謎の区画を発見した。そこはベターマン夫妻が所有する土地であった。ガイの両親と親しかったこともあり、夫妻はクルード一家とガイを自宅に招待してくれた。長らく洞窟暮らしを送っていたクルード一家はそのツリーハウスの大きさに驚嘆するばかりであった。その一方、ガイはベターマン夫妻の娘、ドーンと久々の再会を果たしていた
クルード一家は巨大ツリーハウスで生活することになったが、グラグは洗練されたベターマン夫妻と自分を比較して惨めな気分になっていった。実のところ、ベターマン夫妻もクルード一家を内心では軽蔑しており、「ガイは私たちと同じ優れた人間なのに、あんなみすぼらしい一家といるなんて可哀想だ」などと思っていた。そこで、夫妻はガイとクルード一家を引き離すべく一計を案じた。
声の出演
※括弧内は日本語吹替。
製作
2013年4月、ドリームワークス・アニメーションは『クルードさんちのはじめての冒険』の続編を製作すると発表し、クリス・サンダース監督とカーク・デミッコ監督の続投も決まった[4]。9月9日、ニコラス・ケイジ、エマ・ストーン、ライアン・レイノルズの続投が決まったとの報道があった[5]。2014年2月24日、デミッコが「続編はウーガと母性に焦点が当たり、クルード一家の物語を完結させる作品になる」という趣旨のことを述べた[6]。2015年5月21日、レスリー・マンとカット・デニングスの起用及びキャサリン・キーナー、クラーク・デュークの続投が発表された[7]。
2016年4月28日、アメリカのケーブルテレビ最大手、コムキャストがドリームワークス・アニメーションを買収した[8]。8月23日、ケヴィン・ヘイグマンとダン・ヘイグマンが脚本のリライトのために起用されたと報じられた[9]。11月11日、親会社の意向も踏まえ、ドリームワークス・アニメーションは本作の製作中止を決定したとの報道があった[10]。
2017年9月、ドリームワークス・アニメーションが再び『クルードさんちのはじめての冒険』の続編の製作に乗り出しており、主要キャストも続投すると報じられたが、サンダースとデミッコは企画から離脱することになった[11]。10月、ジョエル・クロフォードが本作の監督を務めることになった[12]。2018年10月、ピーター・ディンクレイジの出演が決まった[13]。2019年10月9日、降板したデニングスの代役として、ケリー・マリー・トランの起用が発表された[14]。
なお、本作の製作が進められている最中、新型コロナウイルスの流行が拡大するという事態が発生したため、スタッフは在宅での作業を余儀なくされた[15]。
音楽
2020年9月18日、マーク・マザーズボーが本作で使用される楽曲を手がけるとの報道があった[16]。11月13日、エスティ・ハイムとダニエル・ハイムが歌う劇中曲『Feel The Thunder』がシングルカットされた[17]。19日、バック・ロット・ミュージックが本作のサウンドトラックを発売した[18]。
公開・興行収入
当初、本作は20世紀フォックスの配給で2017年11月3日に全米公開される予定だったが[19]、後に公開日は同年12月22日に延期された[20]。2016年8月、先述の買収を受けて、本作の配給元が20世紀フォックスからユニバーサル・ピクチャーズに代わった[21]。ユニバーサルは本作の全米公開日を2018年9月18日に設定していたが[11]、後に公開日は2020年12月23日→同年11月25日と変更されていった[22]。
2020年9月21日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[23]。11月25日、本作は全米2211館で封切られ、公開初週末に972万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位となった[24]。なお、本作は2週目と3週目も週末興行収入ランキングで1位に輝いた[25]。
評価
本作は批評家から好意的に評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには121件のレビューがあり、批評家支持率は75%、平均点は10点満点で6.4点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「クルードさんちの2度目の冒険は上々の成果を上げた。『クルードさんちのあたらしい冒険』は家族向けの娯楽として他より安く済むため、親御さんたちにとっても有り難い作品であろう。」となっている[26]。また、Metacriticには26件のレビューがあり、加重平均値は56/100となっている[27]。なお、本作のCinemaScoreはAとなっている[28]。
出典
- ^ “クルードさんちのあたらしい冒険”. 映画.com. 2021年10月20日閲覧。
- ^ a b c “The Croods: A New Age (2020)”. The Numbers. 2021年10月20日閲覧。
- ^ “クルードさんちのあたらしい冒険”. NBCユニバーサル. 2021年10月20日閲覧。
- ^ “The Croods 2 in the Works at DreamWorks Animation”. ComingSoon.net (2013年4月17日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “Nicolas Cage, Ryan Reynolds and Emma Stone Confirmed for The Croods 2”. ComingSoon.net (2013年9月9日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “'The Croods': Exploring Family Dynamics -- And What's Next for the Sequel”. Hollywood Reporter (2014年2月24日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “Leslie Mann, Kat Dennings Joining 'Croods 2' (Exclusive)”. Hollywood Reporter (2015年5月21日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “Comcast is buying Dreamworks in a $3.8 billion acquisition”. The Washington Post (2016年4月28日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “DreamWorks Animation’s ‘Croods 2’ Gets Rewrite With Hageman Brothers”. Deadline.com (2016年8月23日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “DreamWorks Animation and Universal Kill ‘Croods 2’ (EXCLUSIVE)”. Variety (2016年11月11日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ a b “DreamWorks Animation's 'The Croods 2' Back on Track for 2020 Release”. Hollywood Reporter (2017年9月19日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “'Croods 2' Finds Its Director (Exclusive)”. Hollywood Reporter (2017年10月18日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “Peter Dinklage Joins Voice Cast Of ‘The Croods 2’”. Deadline.com (2018年10月5日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “Kelly Marie Tran Joins Voice Cast of 'Croods' Sequel (Exclusive)”. Hollywood Reporter (2019年10月9日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “How Animated Pics Like ‘Tom & Jerry’, ‘SpongeBob Movie’, ‘Sing 2’, Skydance’s ‘Luck’ & More Are Working Through The COVID-19 Crisis”. Deadline.com (2020年5月8日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “Mark Mothersbaugh Scoring DreamWorks Animation’s ‘The Croods: A New Age’”. Film Music Reporter (2020年9月18日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “HAIM’s Original Song ‘Feel The Thunder’ from ‘The Croods: A New Age’ Released”. Film Music Reporter (2020年11月13日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “‘The Croods: A New Age’ Soundtrack Album Details”. Film Music Reporter (2020年11月19日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “Dates Set for Madagascar 4, The Croods 2, Puss in Boots 2, Captain Underpants, and Hitman”. ComingSoon.net (2014年6月12日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “DreamWorks Animation Shifts Two Sequels Back Slightly”. ComingSoon.net (2014年8月22日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “'Croods 2' Release Delayed Amid DreamWorks Animation Sale”. Hollywood Reporter (2016年8月9日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “The Croods: A New Age Release Date Moves Up a Month”. ComingSoon.net (2020年9月16日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “‘The Croods: A New Age’ Gets First Trailer From DreamWorks”. Variety (2020年9月21日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “Domestic 2020 Weekend 48/November 27-29, 2020”. Box Office Mojo. 2021年1月2日閲覧。
- ^ “With No New Major Competition, ‘The Croods: A New Age’ Three-peats At No. 1 with $3 Million”. Box Office Mojo (2020年12月14日). 2021年1月2日閲覧。
- ^ “The Croods: A New Age”. Rotten Tomatoes. 2021年1月2日閲覧。
- ^ “The Croods: A New Age (2020)”. Metacritic. 2021年1月2日閲覧。
- ^ “‘The Croods: A New Age’ Opens To $14M+ 5-Day Domestic, $35M+ WW During Pandemic Thanksgiving Stretch – Update”. Deadline.com (2020年11月29日). 2021年1月2日閲覧。
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