マサチューセッツ州ボストンで生まれ、1970年にフレーミングハム州立大学で教育学と歴史学の学士号、1978年にボウイ州立大学で修士号を取得した。1982年からニューハンプシャー州のコンラッド高校の社会科の教師となった。1985年、マコーリフは11,000人以上の応募者の中からアメリカ航空宇宙局(NASA)のTeacher in Space Projectの参加者(資格上は「宇宙飛行関係者」の一種)に選ばれ、宇宙を訪れる初めての教師になった[1]。STS-51-Lのミッションの一員として、彼女はスペースシャトルチャレンジャーで様々な実験と2度の宇宙授業を行うことが計画されていた。1986年1月28日、彼女の乗った宇宙船は打上げから73秒後に爆発し、7名の乗組員全員が死亡した。彼女の死後、いくつもの学校や奨学金が彼女の名前にちなんで命名された。そして、2004年に宇宙名誉勲章を受章した。
マコーリフは1970年にメリーランド州モーニングサイドのベンジャーミン・フォーロイス中学校でアメリカ史の教師となった[12]。1971年から1978年までは、メリーランド州ランハムのトーマス・ジョンソン中学校で歴史と公民を教えた。授業を行いながら、彼女はメリーランド州のボウイ州立大学に通い、教育管理学の修士号を取得した[10]。1978年、彼女らはニューハンプシャー州コンコードに転居し、そこでスティーブンはニューハンプシャー州司法長官の補助の仕事を得た[2]。マコーリフは1982年からコンコード高校で教え始めた。彼女は社会科の教師で、アメリカ史、法律、経済学、自主学習コースの"The American Woman."等を担当した[13]。彼女の教授法の重要な部分は、フィールド旅行やスピーカーによる講演だった。ニューヨーク・タイムズによると、彼女は歴史における普通の人々の影響を強調し、彼らは歴史の記録において国王や歴史学者、将軍と同じくらい重要だと述べたという[14]。
1984年、ロナルド・レーガン大統領はTeacher in Space Projectの実施を発表し、彼女はNASAが宇宙を最初に訪れる教員を探す努力していることを知った[15]。NASAは軌道上から生徒達とコミュニケーションの取れる「普通の先生」を探していた[12]マコーリフは1,1000人以上の応募者の中から、次のように書いて選ばれた。
I cannot join the space program and restart my life as an astronaut, but this opportunity to connect my abilities as an educator with my interests in history and space is a unique opportunity to fulfill my early fantasies.
1985年7月1日、マコーリフが10人の最終候補者に選ばれたことが発表され、7月7日には医学検査と宇宙飛行に関する状況説明のため、ジョンソン宇宙センターに1週間滞在した[21]。最終候補者は、NASAの元職員からなる評価委員会の面接を受け、委員会はNASA長官のジェームス・ベグスに対してTeacher in Space Projectの乗組員とバックアップの候補を推薦した。1985年7月19日、副大統領のジョージ・H・W・ブッシュは、マコーリフが乗組員、バーバラ・モーガンがバックアップに選ばれたことを発表した[23]。Concord Monitor紙のマーク・トラビスによると、マコーリフが他の候補者より特に優れていたのはマナーだったという[22]。NASAの職員アラン・ラドウィグは、「彼女は他の人に伝染するような熱意を持っていた」と語っている。またNASAの精神科医テレンス・マクガイヤーは、New Woman誌に対して、「10人の中で彼女は最も幅広い支持を集め、最もバランスの取れた人物だった」と語っている[22]。
この年の秋、マコーリフとモーガンは1986年初めからミッションの訓練を始めるために1年間の休暇を取った[2][24]。マコーリフはSTS-51-Lの乗組員となり、科学実験や宇宙授業を実施することになった。計画されていた彼女の任務には、クロマトグラフィー、水耕栽培、磁性、ニュートン力学の実験等があった[25]。また、"The Ultimate Field Trip"と呼ばれた宇宙船内の案内や、"Where We've Been, Where We're Going, Why."と呼ばれた宇宙旅行の利点の授業を含めた2度の15分間の宇宙授業も計画されていた[12][26]。この授業は有線テレビによって中継され、数百万人の子供達が視聴することになっていた。
1990年のテレビ映画『チャレンジャー』では、カレン・アレンが彼女の役を演じた[45]。1996年から1997年に放送された子供向けのSFテレビ番組Space Casesでは、宇宙船の名前が「マコーリフ」だった[46]。2006年、マコーリフとモーガンを扱ったドキュメント映画Christa McAuliffe: Reach for the StarsがCNNで放映された[47]。この映画は75分間の作品で、マコーリフの没後20年を記念してレニー・ソーティールとマリー・ジョー・ゴッジェスが製作した。ナレーターはスーザン・シャランドンで、主題歌はカーリー・サイモンが務めた[48]。
^Ware, Susan; Stacy Lorraine Braukman, Radcliffe Institute for Advanced Study (2004). Notable American Women. Cambridge, MA: Harvard University Press. p. 425. ISBN067401488X
^Vaughan, Diane; American Council of Learned Societies (1996). The Challenger launch decision: risky technology, culture, and deviance at NASA. Chicago, IL: University of Chicago Press. p. 16. ISBN0226851761
^“Chapter VIII: Pressures on the System”. Report of the PRESIDENTIAL COMMISSION on the Space Shuttle Challenger Accident. NASA (1986年6月6日). 2009年3月19日閲覧。
^Belman, Felice; Mike Pride (2001). The New Hampshire Century: Concord Monitor Profiles of One Hundred People Who Shaped It. Hanover, NH: University Press of New England. p. 4. ISBN1584650877
^Wright, John C.; Dale Kunkel; Marites Pinon; Aletha C. Huston (Spring 1989). “How Children Reacted to Televised Coverage of the Space Shuttle Disaster”. Journal of Communication39 (2): 27. doi:10.1111/j.1460-2466.1989.tb01027.x.
^ ab“Chapter IV: The Cause of the Accident”. Report of the PRESIDENTIAL COMMISSION on the Space Shuttle Challenger Accident. NASA (1986年6月6日). 2009年5月15日閲覧。
^Saunders, Dusty (1990年2月25日). “'CHALLENGER' Playing McAuliffe Provided Karen Allen with the Greatest Challenge of her Career”. The Rocky Mountain News
^Grahnke, Lon (1996-02-29 2008). “2 New Series Fire Up Sci-Fi Shows Aim a Light Touch at Kids”. The Chicago Sun-Times. p. 37
^Drogin, Bob (1986年1月30日). “New Hampshire Town Reeling From Shock, Grief”. The Los Angeles Times. p. 1, National Desk
参考文献
Burgess, Colin; Corrigan, Grace George (2000), Teacher in space : Christa McAuliffe and the Challenger legacy, Lincoln, NE: University of Nebraska Press, ISBN0803261829.
Corrigan, Grace George (2000), A Journal for Christa: Christa McAuliffe, Teacher in Space, Lincoln, NE: University of Nebraska Press, ISBN0803264119.