キリアコス・コスタ・ニコラウ (Kyriacos Costa Nicolaou、ギリシア語 : Κυριάκος Κώστα Νικολάου 、1946年 7月5日 -)は、キプロス 出身のアメリカ の化学者 である。数多くの天然物全合成 に成功している、この分野の世界的第一人者である。
経歴
キプロス島 カラヴァス に生まれ、18歳まで育った。1964年にイングランド に行き、英語 を学び大学への入学の準備のため2年間を過ごした。ロンドン大学 では化学を学んだ(B.Sc., 1969, ベッドフォード・カレッジ ; Ph.D. 1972, ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン , F. Sondheimer教授およびP. J. Garratt教授)。1972年、アメリカに渡り、コロンビア大学 (1972年-1973年)のトーマス・カッツやハーバード大学 (1973年-1976年)イライアス・コーリー 教授のもとでポスドクとして研究した後、ペンシルベニア大学 で職を得た。ペンシルベニア大学ではRhodes-Thompson Professor of Chemistryとなった。ペンシルベニア大学にいる間に、誉れの高いスローン・フェローシップ を得た。
1989年、カリフォルニア大学サンディエゴ校 で化学の教授、スクリプス研究所 で化学科主任となる。スクリプス研究所ではDarlene Shiley Professor of Chemistryとなった。1996年、スクリプス研究所に設置されたSkaggs Institute for Chemical BiologyのAline W. and L.S. Skaggs Professor of Chemical Biologyに任命された。2005年から、シンガポール科学技術研究庁 の化学合成研究室を指揮している。2013年からライス大学 教授。
研究
パクリタキセル 、ブレベトキシン 、バンコマイシン 、エポチロン 、アザスピロ酸 、プラテンシマイシン など多数の複雑な天然物全合成 を達成しており、この分野において傑出した実績を挙げている。また全合成の教科書として著名な「Classics in Total Synthesis I・II」などの単行本、各種総説など旺盛な執筆活動でも名高い。
全合成を達成した化合物
著作
以下は共著の書籍である。
Classics in Total Synthesis I, 1996[1]
Classics in Total Synthesis II, 2003[2]
Classics in Total Synthesis III, 2011[3]
Molecules That Changed the World, 2008
Handbook of Combinatorial Chemistry: Drugs, Catalysts, Materials, 2002
Selenium in Natural Products Synthesis, 1984
受賞・栄誉
ニコラウは以下の賞を含む数多くの賞を受賞している。
科学アカデミー会員
脚注
^ Nicolaou, Kyriacos Costa; E. J. Sorensen (1996). Classics in Total Synthesis: Targets, Strategies, Methods . Wiley-VCH. ISBN 3-527-29231-4
^ Nicolaou, Kyriacos Costa; S. A. Snyder (2003). Classics in Total Synthesis II: More Targets, Strategies, Methods . Wiley-VCH. ISBN 3-527-30684-6
^ Nicolaou, Kyriacos Costa; J.S. Chen (2011). Classics in Total Synthesis III: Further Targets, Strategies, Methods . Wiley-VCH. ISBN 3-527-32957-9
^ “Benjamin Franklin Medal in Chemistry ”. Franklin Institute (2011年). 2011年12月23日 (2011-12-23 ) 閲覧。
^ “名古屋メダル受賞者一覧(Gold Medal) ”. 公益財団法人MSD生命科学財団. 2022年10月6日 閲覧。
外部リンク