キツネ属 (キツネぞく、Vulpes )は、食肉目 イヌ科 に含まれる属。
分布
アフリカ大陸 、北アメリカ大陸 、ユーラシア大陸 、日本
形態
最小種はフェネックギツネ で体長30 - 40.7センチメートル、尾長15 - 30.5センチメートル、体重1 - 2キログラムと本属のみならずイヌ科最小種[ 2] [ 3] 。尾は長く、ふさふさとした体毛で被われる[ 2] [ 3] 。
頭骨の額は盛り上がらず、やや凹む[ 2] [ 3] 。耳介は三角形の種が多い[ 3] 。収縮した瞳孔 は針状[ 3] 。口吻は細長く尖る[ 3] 。歯列は切歯が上下6本、犬歯が上下2本、小臼歯が上下8本、大臼歯が上顎4本、下顎6本で計42本[ 3] 。肛門の周囲(肛門腺)や尾の基部背面(尾腺)にある臭腺が発達する[ 3] 。乳頭の数は6 - 12個[ 3] 。
分類
ホッキョクギツネのみでホッキョクギツネ属Alopex [ 2] 、フェネックギツネのみでフェネック属Fennecus を構成する説もあった[ 3]
以下の分類・英名はMSW3(Wozencraft, 2005)および(増井, 1991)、和名は(増井, 1991)に従う[ 1] [ 3] 。
生態
森林 、草原 、砂漠 、ツンドラ などの様々な環境に生息する[ 2] [ 3] 。少なくとも一部の種では家族群を形成したり、同じ巣穴の使用、子育てを手伝う個体の存在が確認されている[ 2] [ 3] 。
食性は雑食 、昆虫 、鳥類 、小型哺乳類、動物の死骸、果実 などを食べる[ 2] [ 3] 。小型哺乳類を跳躍し、上から押さえつけて捕えることもある[ 2] 。成獣は獲物を咥えたまま運搬し幼獣に与える[ 2] 。
繁殖形態は胎生。1回に1 - 25頭の幼獣を年に1回だけ産む[ 2] [ 3] 。
人間との関係
毛皮目的や娯楽としての狩猟、狂犬病防止の駆除などにより生息数は減少している[ 2] 。
画像
ベンガルギツネV. bengalensis
ブランフォードギツネV. cana
ケープギツネV. chama
コサックギツネV. corsac
ホッキョクギツネV. lagopus
キットギツネV. macrotis
スイフトギツネV. velox
フェネックギツネV. zerda
参考文献
^ a b c W. Christopher Wozencraft, "Vulpes ," Mammal Species of the World , (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, p. 583-586.
^ a b c d e f g h i j k l m 今泉吉典 監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科1 食肉類』、平凡社 、1986年 、66-67、78-85頁。
^ a b c d e f g h i j k l m n o p 増井光子 「キツネ群」『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1991年 、129-136頁。
関連項目
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