PROFILPELAJAR.COM

ガブリエル・ダントン
ガブリエル・ダントン
	ジャック＝ルイ・ダヴィッドによる肖像画(1793)
生誕	アントワネット・ガブリエル・シャルパンティエ; 1760年1月6日?; フランス王国・パリ
死没	1793年2月10日（33歳没）; フランス共和国・パリ
配偶者	ジョルジュ・ダントン（結婚 1787年）
	テンプレートを表示

アントワネット・ガブリエル・シャルパンティエ（Antoinette Gabrielle Charpentier, 1760年または1762年頃^{[注釈 1]}-1793年 2月10日）はフランスの革命家・政治家ジョルジュ・ダントンの最初の妻である。

生涯

ガブリエルはパリで1773年に開業したカフェ・パルナス（別名カフェ・ド・レコール）^{[注釈 2]}のオーナー、ジェローム・フランソワ・シャルパンティエの娘として生まれた^[1]。兄と弟が一人ずつおり、兄のアントワーヌ・フランソワは画家ジャン＝ユーグ・タラヴァルの未亡人フランソワーズ・アンジェリック・エベールと^[2]、弟ヴィクトルは画家コンスタンス・マリー・ブロンドルと結婚した^[3]。

彼女はパリで弁護士をしていたダントンと、1787年 6月14日にサンジェルマン・ロクセロワ教会（英語版）で結婚した^[4]。ジョルジュはガブリエルを深く愛していたようである^[5]。この結婚でフランソワ（François Danton, 1788年 5月-1789年 4月24日）、アントワーヌ（Antoine Danton, 1790年 6月18日-1858年 6月14日）、フランソワ=ジョルジュ（François-Georges Danton, 1792年 2月2日-1848年 6月18日）の3人の子どもが生まれた^[6]。

フランソワ=ジョルジュはカミーユ・デムーランとリュシル・デュプレシの息子オラース・デムーラン（イタリア語版）と同じ乳母のもとで育てられた^[7]。ガブリエルはリュシルと親しい友人であり、ヴァレンヌ事件や8月10日事件の際は行動を共にした^[8]。

死去

ガブリエル・ダントンは1793年 2月10日、パリで出産後に死亡した^{[注釈 3]}。ジャコバン・クラブおよび両性愛国者友愛協会（英語版）で追悼演説が行われた^[9]^[10]。ロベスピエールは夫のジョルジュに弔意を表す手紙を書いた^[11]。

ジョルジュはベルギーでの任務のため妻の死には立ち会えなかった。同年2月17日にパリに帰還すると、死後一週間が経過した妻の遺体を墓から掘り返した。その際取られた彼女のデスマスクをもとに、彫刻家のクロード・アンドレ・ドセーヌ（英語版）が胸像を作成した^[1]。ジョルジュの悲しみは甚大で、ガブリエルの弟ヴィクトル・シャルパンティエは「ガブリエルの死を見届けたシーツに接吻し、周囲の呼びかけにも応えず、彼女を描いたスケッチを眺めることにしか喜びを感じない」ダントンの姿を恋人のコンスタンス^{[注釈 4]}に知らせた^[2]。同僚の国民公会議員ジャン＝フランソワ・ラクロワ（英語版）もダントンに同情を示しつつ、「結局のところ君は父親であり、子どもたちと共和国に対して責任がある」ため、ベルギーに戻るよう求める手紙を書いた^[12]。

ダントンはルイーズ・セバスティエンヌ・ジェリー（フランス語版）と1793年 7月1日に再婚した。ルイーズは夫妻の友人で、子どもたちの世話をしていた^[2]。

登場する作品

長谷川哲也の漫画『ナポレオン -獅子の時代-』では、ダントンが彼女の墓を掘り起こす場面が（かなりの誇張をもって）描かれている。

参考文献

Bianchi, Serge (2021), Danton, Ellipse, ISBN 978-2340058187
Dacre-Wright, Gildas (2017年9月). “Constance Charpentier (1767-1849)”. 2022年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月27日閲覧。
Leuwers, Hervé (2018), Camille et Lucile Desmoulins, Fayard, ISBN 978-2213693736
Madelin, Louis (1914), Danton, Hachette
Robinet, Jean-François (1865), Danton, mémoire sur sa vie privée : (appuyé de pièces justificatives), Chamerot et Lauwereyns

脚注

注釈

^ 彼女の生年に関する見解は1760年と1762年頃に分かれている。Leuwers(2018)は1760年説を採用し、またパリ市アーカイブ（Index des actes reconstitués, Naissances, 5Mi1 32 およびV3E/N 447, 2024年7月26日閲覧）で確認できる彼女の出生証明書や洗礼証明書には「1760年1月6日誕生」との記載がある。一方でRobinet (1865) やBianchi (2021) は結婚時（1787年6月）における彼女の年齢を25歳だとみなしている。
^ 現在サマリテーヌ百貨店が建つ場所に位置した。
^ ただし死亡時に作成された書類には「病死」と記載されている (Robinet,1865, p. 206)。
^ ヴィクトルとコンスタンスは同年4月に結婚する。

出典

^ ^a ^b “Isère : et si vous preniez une dose de culture garantie sans Covid ?”. Le Dauphiné Libéré (2020年12月13日). 2024年7月29日閲覧。
^ ^a ^b ^c Dacre-Wright, 2017.
^ “Constance Charpentier (1767–1849) – par Gildas Dacre-Wright”. lespetitsmaitres.com (2014年10月4日). 2024年7月25日閲覧。
^ Bianchi, 2021, p. 17.
^ “Lot 3: DANTON (Georges-Jacques). Lettre autographe signée « Danton » à son épouse …”. invaluable (2023年3月12日). 2024年7月27日閲覧。
^ Campagnac, Edmond (1947). “Les Fils de Danton”. Annales historiques de la Révolution française (105): 38-39. JSTOR 41925200.
^ Leuwers, 2018, p. 228,
^ Leuwers, 2018, p. 189, 234.
^ Madelin, 1914, p. 217.
^ “Le Créole patriote” (1793年2月21日). 2024年7月25日閲覧。
^ “«Je t'aime plus que jamais et jusqu'à la mort»: la lettre de Robespierre à Danton raconte une part de l'histoire de France”. Figarovox (2023年3月10日). 2024年7月25日閲覧。
^ Madelin, 1914, p. 218.